「じゃあ、俺はそろそろ」
そう言うと郷田君は立ち上がり、帰り支度を始めた。
「いいな、ゴウ君は。俺も彼女ほしい」
「バンドが成功したら、その夢も叶うんじゃない?」
その答えに、みんながどっと笑った。
「俺ももう時間だから・・・」
亮君も時計を見て立ち上がった。
本当だ、もうすぐバスの時間。
「ありがとう、亮君。今日はすんごく楽しかったよ」
「俺の方こそ、ライブ最高に楽しかった。やっぱここ来てよかったって、歌っててそう思ったよ」
みんなと固い握手を交わす亮君の顔には満面の笑みがこぼれている。
私はその光景を隣で見いて、心にじんわりと温かい気持ちが広がっていくのを感じていた。
「ほら先生、亮君送ってってあげなよ」
「えっ、私が?」
その言葉に驚いている私の背中を、みんなで押し、からかうように夏川君が続けた。
「みんな知ってるんだぜ。先生と亮君のこと」
「そうだよ。いいじゃん別に。恋愛は自由だろ」
知ってる?恋愛は自由?私は慌てて亮君を見た。
彼は私と目が合うと、笑って舌を出した。
????????
こ、これって・・・???
とにかく、一刻も早く亮君を部屋から連れ出し、事の真相を聞かないと。
でないと私の心臓は、今にも飛び出してしまいそうな勢いだ。
~ 蒼井りんこ完結作品 ~
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よろしくお願いします![]()