昭和の東京の煩雑さと温かさが残る町・谷根千。
「谷根千」=「谷中・根津・千駄木」の総称で、
坂道と寺社と、ねこの町です。
季節は秋から冬への変わり目。
呼気が白く空に昇るのを感じながら、
さーて今日は何匹のねこに出会えるか。
カメラを構えてお散歩スタート。
この日だけで出会えたすべてのねこを
2回にわたって載せていきます!
JR西日暮里駅からはじまりはじまり。
駅を出てすぐの急な階段をのぼると、
小さな公園に出ます。
ここが谷根千エリアの北西の端、坂の上になります。
公園を突っ切ったあと細い道を歩くと
諏訪神社が見えてきます。
溜まる落葉。
12月初旬、都内は紅葉の見ごろです。
雨に濡れた葉はまたとても綺麗です。
早くも1匹目のねことこの先で出会えました!
車輪の下。
陶磁器?のアトリエのような一軒家の前に佇み
何かをじっと見つめています。
道の先にはちょっとした人だかりができていて(外人さんもいました)、
その先にもやはり…
隔たり。
鋭い瞳の形がとても美しい美人なねこが。
民家の柵の向こう側から、こちらを見ていました。
触れられない距離。
さらに、振り返ると…
黒い門番。
水をちびちびと飲んでいる黒ねこが。
首輪があったので、この子はおそらく飼い猫かな。
アトリエの前に鎮座していて、まるで門番のよう。
いきなり3匹も会えまして、幸先良い感じ。
しかし、谷根千のパワーはこんなものではなかった…(笑)
しばらく坂道を横目に見ながら日暮里方面へ歩いていきます。
すると、谷中の中心地であり象徴するスポット、
「夕やけだんだん」に出ます。
だんだん。
この階段の上から見る夕日は格別なんだそうです。
映画「ALWAYS」にも出てきましたっけ…?(うろ覚え)
「だんだん」という呼び名がとてもかわいいです。
階段の下からは、おいしいものがたくさんある
「谷中銀座商店街」が続きます。
こちらも人情味あふれる優しい雰囲気の商店街です。
さて、この夕やけだんだんの上には…
だんだんの主。
この界隈を統べているかのようにどっしりと構えた
大きなねこが。
貫禄あります。
人が近づいてもそんなに逃げないけど、馴れ合いもしない。
夕やけだんだんの平和を今日も陰から見守っているんですね。
ここではまだだんだんを降りずに、坂の上をしばらく東へ。
途中、生垣から伸びるモミジがあまりに美しかったので立ち寄った
長安寺というお寺。
谷中七福神のうち、寿老人を奉るお寺です。
秋の赤。
このそばに、有名な「谷中霊園」があります。
かなり敷地は広く、歴史に名を残す著名人も眠っています。
お墓なので、静かに静かに。
霊園の真ん中に立つ銀杏の木が立派で。
空へ想いを放つ。
ここに眠る一つ一つの魂が、
空に向かって咲いているかのようでした。
木が茂って少し暗いところに、いました最初のねこ。
怖がり。
最初のこの子は少し臆病で、
こちらがついていこうとするとちょっとずつ逃げます。
何もしないよー(と言っても通じない)。
目がつぶら。
のんびり。
対してこちらのねこは、人が来ようが来まいが
お構いなし。マイペース。
これが本物の猫目か!
豹のような。
このねこは顔つきが精悍で、豹のような鋭い目つきをしてました。
体つきも細く筋肉が締まっている感じです。肉食系。
口元に笑顔。
このねこは口元にほくろのような黒い点が。
笑顔がチャーミング。
もし言葉を話せるとしたら、よくしゃべりそう。
背中は語る。
墓地と墓地のあいだの道路に座り込むねこ。
背中は語る…。
誰かを待っているのか、哀愁漂ってますね。
昼下がりの日常。
お墓の入口で丸くなりじっとしているねこ。
帰る魂を待っているのか。
寄り添う。
谷中霊園のねこはみんなおとなしくて人に馴れている子ばかり。
ここがいろんな人が眠っている場所だと、感覚的に知っているのか、
表情はとても穏やか。
…うーん、たぶん、何も考えてないと思いますが(笑)
私は私の自由でここでのんびりしてるだけよ、という感じ。
蒼の宝石。
この日一番のマイ・ベスト・ねこです!
瞳が碧眼なんです。澄んだ宝石のような綺麗な色。
海とも空とも違う、もっと透明な水みたいな薄い青。
三色。
三毛猫です。
高校の時の授業で「みけねこは遺伝子的にほとんどメス」という話を
聞いたときのひそかな衝撃を思い出しました。
秋の色と溶け合う、綺麗な三色です。
毛づくろい。
ねこってとても大事そうに毛づくろいしますよね。
ぺろぺろと丁寧に。
目を閉じて、この一点に集中してる感じ。
丸まった手がかわいらしいですね。
跳ねる。
晴れてきた道を楽しそうに跳ねるねこ。
口元も笑ってます。
本人は笑っているつもりはないのだと思いますが、
楽しいときに笑顔が出てしまうのは人も動物も同じ。
草の合間から。
ブロマイドみたいな素敵な写真になりました(笑)
草の隙間に、なんとなく茶色いものが見えると思ったら
やはりねこ。
カメラを向けても、攻撃するでもなく怯えるでもなく
こちらをじーっと見つめて、また興味なさそうにあちこち首を回す。
このくらい動じない性格でありたいものです。
重たいおしり。
おしりがでっぷりとしたねこ。
ふりふり、ゆったり歩いていきます。
運動運動。
キメっ。
こちらはしっかりキメポーズと顔を作ってくれたねこ。
カメラ目線も完璧。目指せ芸能界デビュー?
トラ模様が美しいですね。
…って、何匹いるんだ谷中霊園!!
数えたらここだけで14匹のねこ。
恐るべしねこの町…。
しかし、これだけいてもみんな個性があっておもしろいですね。
動く彼らを追いかけてカメラにおさめるのも楽しいです。
しっかり、この霊園に眠っているたくさんの人たちを守って、
これからも仲良く暮らしてほしいです。
難を転じる。
霊園の秋冬の風景。
質素な色合いのなかに飛び抜けるような赤い南天の実。
「難を転じる」の意味があるように、小雨が降っていた東京も
午後からは陽射しが差し込むように。
谷根千さんぽ、まだまだ続きます。
次は坂をくだっていきますよ。
ねことの出会いもまだありそうです。
*その2~根津~はこちら
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