東京のちょっといい風景に出会える谷根千さんぽ。
帰ってくる場所があると、教えてくれる温かい街並み。
*その1~谷中~はこちら 。
谷中霊園をぐるりとまわって、出てきたときにはやはりねこ。
店番中。
のらねこのようでしたが、角のお店の脇にじっと座って
ときおりこちらをのぞきこむように見ていました。
黒のまだら模様が牛みたいです。
そのままごろんと寝転がって店番はさぼってました(笑)
谷中から根津へ、坂道をくだっていきます。
雨上がりの気弱な日光が道を照らします。
ふたり。
穏やかな午後です。
ここ、「三浦坂」の途中には
知る人ぞ知る(?)有名なお店があります。
「ねんねこ家」という、ねこでいっぱいのお店です。
いらっしゃいませ。
お店の外ではまねきねこが「寄ってって」と手をこまねいています。
お店はこの辺りの古民家をそのまま使っており、
ねこグッズが買えたりお茶が飲めたりします。
喫茶店のメニューもねこです。かわいい。
いい意味でごったな感じが、懐かしくもあり素敵な雰囲気。
坂道をくだって大通りに出る直前、左手のディスプレイにも
ちっちゃくてかわいいねこたち。
にゃん!
小さなフィギュアがたくさん展示されていました。
どの子も表情がお茶目だったり笑顔だったり癒されます。
細かい造形やほっとする色合い、なによりこのかわいさ。。
ねこたちはこの町で愛されていますね。
しばらく窓ガラスに張り付いてました(笑)
大通りに出れば根津駅です。
ここ一体を見守る神様、根津神社に行ってみます。
神社にも秋が来ていました~。
参らんか。
大きな鳥居とさらに大きな銀杏の木。
とても立派です。
もう何十年もここにいるんでしょうね。
境内に入るとすぐ右手には小さな池があります。
もみじに覆われています。
たからさがし。
水面に映る風景に、いくつの色を見つけられるでしょう。
空と紅葉と鯉と。
すべてが一枚の絵になったとき。
砂利の境内はとても広々としていて
七五三の時期も過ぎ、人はまばら。
本殿で「まだまだねこに出会えますように」とお願いして。
空を覆う。
思えば銀杏の写真多いですね。。
それだけこの秋、黄金の波を寄せる彼らとたくさん
出会えたということ。
ここまで黄色く輝く木には目を奪われます。
さて、根津神社には
京都の伏見稲荷よろしく「千本鳥居」があります。
くぐり抜けると別世界に出てしまうような怖さと美しさ。
不思議な入り口。
通り抜けると…いつもの日常だけど、
ちょっとどこかが違和感あるような、不思議な感覚。
冬の昼は短い。
陽が傾いてきたので、来るときとは違う坂道をのぼって
谷中の方へ戻ります。
夕やけが綺麗に見えるという「汐見坂」。
ここにもねこが…
道端の黒ねこ。
かなり警戒されていて、近づいたら音速で逃げられました(笑)
こっちは民家の塀の上に佇んでいたねこたち。
あ!UFO!
首輪はなかったのですが近づいてもまったく動じないし
撫でようとしてもびくともしません。
ここの家になんとなく住んでいるのかなぁ。
とらねこも黒いねこもどちらも美人さんでした。
どこかで音がすると、ふたりとも同じ方向に同じタイミングで
首を回します。気が合うのかな。
さあ、夕方の谷中銀座へ。
晩御飯前の商店街は地元の方たちで激混みでした。
おいしいものがたくさんある証拠です。
ここの商店街にある「しっぽや」というドーナツ屋さんに行きたくて。
ねこのしっぽを模した、棒状のドーナツが売っています。
とらねこのようにチョコレートとプレーンがしましまになっているものとか
みけねこのように三色まじっているものとか、色々な味があり
ひとつひとつにねこっぽい名前がついているんです。
ドーナツ自体は油っぽくなく素朴でやさしい甘さ。
とてもおいしかった。
谷中銀座にもねこがいますよ。
夕飯だにゃ。
お好み焼屋さんの前で、もらったえさを食べてました。
食べ終わると、人混みをすり抜けて隣のお店に移動。素早い。
するとお店のお母さんが、ねこをお店の中に入れてあげていました。
この町の人たちはみんなねこが好きみたいです。
商店街を通り抜けて、夕やけだんだんから見下ろした風景。
暮れる。
谷中銀座とそこに暮らす人々。
いつもの日常。それがとてもいとおしい。
温かみのある町の暮らし。
西日暮里駅まで戻るとき、天気がよく空気が澄んだ日には
富士山が望めるという、富士見坂を振り返る。
点々。
灯りがひとつひとつ灯って、
夜が次第に訪れることを告げていきます。
静かでどこか侘しく、どこかやさしい夕暮れの最後。
谷根千は心温まる風景がいっぱいです。
そこに暮らすねこたち。愛されている彼ら。
この日一日で出会ったのは19匹の子。
せわしない東京で見つける、一息つける景色。
ねこたちに会えるかどうかは運次第ですが、
きっと訪れる人を温かく迎えてくれるはずです。