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パワー読解新宿 大阪国語
今津です。
新宿で書いています。
大学の話になるんですが、昨今、理系の女子を増やそうという動きが社会全体に広まりつつあります。
昔だと「女は数学ができない」など、かなりひどい決めつけがありました。
今では、女性に寄り添った指導をきちんと行うと理系へ進む女性が増えてきつつある、という認識に取って代わってきています。
女子校で理系に強い学校は首都圏・関西だといくつもあるのですが、これは女性に寄り添った指導を行って結果を出し続けているという証拠でもあります。
ただ、社会全体でいえばまだまだ理系へ進む女性が少ないです。
ここからは日経新聞の５月２７日付記事を参考に書いてまいります。
経団連の２０２２年度調査では、大学・大学院卒の新卒採用人数全体に占める理工系女性の割合を「３割未満」と回答した企業は全治の８９％としています。
一方、今後５年間で理系女性の採用を拡大する方向と回答した企業は６割を超えていました。
圧倒的に理系の女性が足りていないということです。
文科省の調査によると、２０２３年５月時点の大学生に占める女子学生の割合は全学部で４６％だったのに対し、工学部で１６％、理学部で２８％にとどまっています。
経済協力開発機構（OECD）の２０２１年の統計によると、大学など高等教育機関の卒業・修了生に占める日本の女性比率は「自然科学・数学・統計学」分野で２７％、「工学・製造・建築」分野で１６％と、いずれも加盟３８か国の最下位でした。
これらの状況に対し、国もようやく重い腰を上げました。
文科省は２０２２年６月の通知「令和５年度大学入学者選抜実施要項」において「多様な背景を持った者を対象とする選抜」を奨励し、その対象として「理工系分野における女子」に言及しています。
その流れが大学入試において、理工系学部の女子枠設置へとつながっています。
国立の奈良女子大学やお茶の水女子大学など、女子大に理系学部が設置されたり、東京工業大学や東京理科大学、金沢大学、室蘭工業大学などにおいても大学入試において理工系学部に女子枠ができつつあります。
一方、企業側もじっとしているわけではありません。
ソニーグループが理系女子学生の育成に本腰を入れています。
同社は年最大１２０万円を支給する返済不要の奨学金を創設しました。
大学１年生や、高専から大学３年生に編入した女子学生に対し、給付をはじめています。
年１０人程度ということですが、これの目玉はソニーグループへの入社は前提としていない点です。
その代わり、奨学金の給付学生に対しては、同社が中高生向けに開くイベントで運営スタッフとして協力してもらうことになっています。
そのことにより、制度の効果を支給対象者だけにとどめず、イベントを通じて理系女性の成り手を増やす意図があります。
ソニーグループは今まで、奈良女子大と連携し、人工知能や仮想空間の技術を学ぶ授業を展開してきています。
給付学生には、同社の女性技術者と交流する場も設け、働き方やキャリアに関心を持ってもらうとしています。
同社に２０２４年春入社した理系人材は３割が女性だったということです。
優秀な理系学生の採用競争は激化しており、女性エンジニアらを育成する姿勢を鮮明にし、技術職の母数を増やしていきたいとのことです。
これらの流れは他社でもあります。
セイコーエプソンでは、プリンターを開発する広丘事業所（長野県塩尻市）で、８月に理系の女子学生を対象にした会社見学や座談会を実施します。
学生と年齢の近い複数の女性社員が参加したり、課長級の女性社員がキャリア経験や子育てとの両立に関する講話を行うとのことです。
女性は男性と違い、どうしても出産等に伴うキャリア中断を伴う可能性が高いですから、これらの取り組みはとても参考になるのではないかとワタクシは思っております。
また、キャノンでは、半導体製造装置や計測機器などを手掛ける宇都宮事業所（栃木県宇都宮市）で自治体を協力し、女子中高生向けに業務を説明するイベントを開催しました。
女性社員による業務説明のほか、計測機器を使った装置を操作してもらい、関心を高められるようにしているとのことです。
このほか、キオクシアやダイキン工業、ＮＥＣなども理系のキャリアパスなどを発信する取り組みに力を入れています。
企業にとって理系女性の育成は経営全体として考えるべき課題になりつつあるといえるでしょう。
もし、みなさまの女子のお子さまが算数は得意だということでしたら、ぜひ見守ってあげてください。
女子のお子さまの理系教科を育てるポイントは、とにかくていねいに寄り添ってあげることです。
同じような質問が続いたとしても、「それ、さっき答えたやんか」と突っぱねることなく、何回もていねいに対応してあげることです。
理系に強い女子校の先生が共通して言っていることです。
【お知らせ】
ワタクシ、新宿と大阪・十三を行ったり来たりしております。が、ときどき名古屋の教室にも顔を出して指導をすることにしました。
次回は2024年6月1日（土）午後6時～
お待ちしております。
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