中学受験国語を爆上げする教室「パワー読解」Ⓡ東京/大阪

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今津です。東京・新宿(代々木)教室で書いています。

 

「東京23区の私立中学進学率ランキング」という記事が話題になりました。

 

文京区が約48%(めっちゃ高い!!)、江戸川区が約10%という数字が並び、「受験熱がついに減少へ転じた」という見出しがついていました。

 

この記事を読んだ保護者の方から、こんなご相談を立て続けにいただいています。

 

「うちの区は進学率が低いのですが、中学受験は不利なのでしょうか」
「東京では受験熱が下がったそうですが、関西や神奈川はどうなのでしょうか」
「まわりがみんな受験するので、うちも受けないといけない気がしています」

 

結論から申し上げます。私立中学進学率のランキングは、「地域の空気の濃さ」を測る温度計であって、「わが子が受験すべきかどうか」を決める数字ではありません。

 

そして、もうひとつ大切なことがあります。世間で「中学受験率」と呼ばれている数字の多くは、実は「私立中学進学率」であり、まったく別物です。 ここを取り違えたまま志望校選びを始めてしまうご家庭が、毎年たくさんいらっしゃいます。

 

この記事では、東京23区の最新データを起点に、横浜市・川崎市・千葉県、そして関西(北摂・阪神間・京都・奈良)まで、首都圏と関西の両方で指導している立場から、地域ごとの中学受験の「顔の違い」を整理します。

 

そのうえで、地域の受験熱に流されずに、ご家庭の受験戦略を決めるための具体的な判断軸と、今日から使えるチェックワークまでお伝えします。

この記事でわかること

  1. 東京23区の進学率データが「示していること」と「示していないこと」

  2. 横浜・川崎・千葉、そして関西が「府県別」では読めない理由

  3. 地域の数字に振り回されず、わが家の受験戦略を決める4つの条件

小4・小5のお子さまをお持ちの保護者の方に、とくに読んでいただきたい内容です。

 

第1章 東京23区の数字は、何を示していて、何を示していないのか

まず、話題になった数字を確認します。

 

令和6年度の東京都の公立小学校卒業者は9万8,264人でした。そのうち都内の私立中学へ進学したのは1万9,572人で、進学率は19.92%です。前年度は1万9,655人・20.14%でしたので、人数では83人、率では0.22ポイントの低下ということになります。

 

男女別では、女子の私立中進学率が21.02%、男子が18.88%で、女子が上回る傾向が続いています。

 

 

そして、23区内の差です。1位の文京区は約48.46%(卒業者1,752人のうち849人)、23位の江戸川区は10.59%(卒業者5,580人のうち591人)でした。差は37.87ポイント、率にして約4.5倍です。

 

「減少へ転じた」という見出しをどう読むか

ここで冷静になっていただきたいのは、この0.22ポイントという数字の中身です。

 

卒業者数(分母)が前年より692人増えている一方で、私立中進学者数(分子)が83人減りました。その結果として率が下がった、という1年分の変化です。これだけで「中学受験ブームが終わった」と結論づけるのは、統計の使い方としては乱暴です。

 

継続的なトレンドかどうかは、複数年のデータを並べて初めて判断できます。むしろ今回の数字は、受験人口が一斉に崩れたという話ではなく、教育投資の判断が以前より選別的になりつつある兆候として読むほうが妥当だと私は考えています。

 

見出しの数字と、実際の意味のズレ

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。

 

「私立中進学率」という言葉が意味しているのは、公立小学校の卒業者のうち、一定範囲の私立中学へ進んだ人の比率です。「その地域の子どもの何割が中学受験をしたか」ではありません。

 

具体的には、この指標には次のものが含まれていません。

 

・都外(神奈川・千葉・埼玉など)の私立中学へ進学した子
・国立大学附属中学へ進学した子
・都立中高一貫校へ進学した子
・受験したけれど残念な結果になり、公立中学へ進んだ子

 

つまり、受験をしたお子さんの一部しかカウントされていないわけです。都立中高一貫校の人気が高い地域では、実際の受験率と私立中進学率のズレはさらに大きくなります。

 

また、「区別の差」を年収差だけで説明するのも不十分です。学校への通学利便性、地元の公立中学への評価、都立中高一貫校という選択肢の有無、住宅事情、ご家庭の教育観、きょうだいの人数と教育費の配分。こうした要素が重なって、地域ごとの進路選択の傾向が形づくられます。

 

数字は世間の傾向を示します。しかし、わが子の合格可能性も、その学校との相性も示しません。

 

ここから先は、「自分の住む地域では何を見ればよいのか」という、いちばん知りたい部分に入ります。横浜川崎千葉、そして関西の受験地図を、通学圏と学校群という視点で読み解き、最後にご家庭の判断軸とワークまでお渡しします。

 

第2章 首都圏は「23区」だけではない――横浜・川崎・千葉の受験地図

東京23区の記事が話題になると、必ず「では神奈川や千葉はどうなのか」という質問が出ます。実は、この3つのエリアは、それぞれまったく違う構造を持っています。

 

横浜市――高受験率エリアは「2か所」ある

横浜市は、区による差が非常に大きい都市です。

 

やや古い公表データでは、全市の私立中進学率は15.6%でした。区ごとに見ると、青葉区が27.2%前後、西区・中区が20%台、瀬谷区・旭区・磯子区などは1桁から10%前後という開きがありました。

 

より新しい集計では、国立・私立中学への在籍率として、青葉区33.1%、中区29.7%、西区28.8%、港北区27.1%という数字が挙げられています。ただしこれは「公立小卒業者の進学先」ではなく、中学生の在籍状況をもとにした指標ですので、東京の記事の進学率と完全に同じ物差しではありません。

 

ここで注意していただきたいのは、「横浜は青葉区だけが高い」という理解は正確ではない、ということです。

 

横浜には、性格の異なる高受験率エリアが2か所あります。

 

ひとつは、青葉区・都筑区・港北区を中心とする北部の通学圏です。田園都市線・東横線を使って、都内の私学にも横浜市内の私学にも通いやすく、通塾環境も厚い地域です。

 

もうひとつは、西区・中区といった都心部です。こちらは横浜市内の私学への近接性が効いています。

一方、瀬谷区・旭区・泉区などは相対的に低い数字になりますが、これは地域全体の教育意欲の優劣を意味するものではまったくありません。単に、通学可能な学校群と交通条件が違うだけです。

 

川崎市――「市外の私学へ通う街」という特徴

(川崎のあとに、千葉や大阪をはじめとする京阪神・奈良地区の内容にも触れています)

 

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