大宮はボールを保持して押し込む。
インサイドハーフ（IH）に入ったｱﾙﾄｩｰﾙｼﾙﾊﾞがACの位置に下りてきてビルドアップを助け、さらに2トップの一角（特に杉本健勇）も中盤に下りて縦パスを受けに行く。
アーリークロスを多用して仕留めようと狙ってくる。
左WBの泉柊椰のドリブルで斬り込んでくるパターンもある。
讃岐は５－４－１の守備ブロックから川西翔太めがけてのカウンターで応戦する。
基本的な試合の構図はこのような感じだった。
先にチャンスを創ったのは讃岐。
蹴り合いから吉田源太郎が川西翔太にうまく浮き球のパスを合わせ、翔太はドリブルでキープしながら吉田源太郎の上がりを待ちスルーパス。ここから一気にげんたろーがシュートにいってもいい状況だったが、選択したのはクロス。
しかしそのクロスは精度を欠いていた。
ここはいっちょ狙ってみても面白かったようには見えたが…。
大宮は7分、AC小島幹敏がミドルシュートを放ったがサイドネット。
11分は讃岐がクリアボールを回収した前川大河が吉田源太郎に縦パスを通し、げんたろーは一気にミドルルシュート。
しかし大きくバーを越えていった。
試合も10分を経過したあたりから力の差を感じるようになってくる。
大宮は全体的にパスの精度が高く、流れるように攻撃に転じていく。あまり長めのパスは多用しなかったが、それでもサイドチェンジやいくつか放っていったロングパスは、レシーバーの足下だったり、前のスペースだったりに正確につけていた。
また、観ていて感じたのはセカンドボールの回収。大宮は讃岐の選手たちのトラップ際を狙っていたように思う。
空中戦を競り合い、讃岐の選手が競り勝っても周囲にいる大宮の選手が讃岐の選手がトラップしたボールの回収を狙っていた。
讃岐の守備陣も対人守備で大宮の攻撃を水際で食い止めていたが、セカンドボールを拾えないとなると苦しい。
讃岐は少ないチャンスをモノにしようと左サイド深い位置でスローインを得て臼井貫太から岩岸宗志にボールを預けると宗志は強引にドリブル突破を図る。
しかし下口稚葉のスライディングに潰されてしまう。
また、クリアボールを回収した前川大河がボールをキープして右サイドに展開。
内田瑞己が思い切ってミドルシュートをぶっ放つ！
無回転気味に大宮ゴールを襲ったが、惜しくも枠を外れた。
しかし讃岐は徐々に大宮の左WB・泉柊椰の背後のスペースを狙っているように見えた。
泉は攻撃時の軸の一角。どうしても前がかりになりがちだった。
そんな讃岐は31分に市原吏音から川西翔太がボールをカット。こぼれ球を長谷川隼が回収し、川西→長谷川→川西と細かく繋いで前を向く。
カウンターだ！
川西翔太はドリブルで運びつつ右サイドへ展開。
吉田源太郎が受けてタメを作り、上がってきた内田瑞己に繋いでいく。
ウッチーがアーリークロスを上げる！
これを前川大河が落とす。
そのボールに飛びかかるは讃岐の10番っ！！
川西翔太だぁぁぁーーーっ！！
いい攻撃を見せたがこれは惜しくもサイドネットだった。
今度は大宮が反撃。ボールを保持して波状攻撃。
讃岐は反撃の一太刀を浴びせるためにチャンスを窺う。
うまくボールを奪ってまたも右サイドからカウンターを狙う讃岐！
しかし内田瑞己のパスが吉田源太郎の意図とずれてしまい、完全にパスミス。
易々とCBの浦上仁騎がボールを回収。
小島幹敏から石川俊輝、ｱﾙﾄｩｰﾙｼﾙﾊﾞに繋いでアルから上がってきた村上陽介へパス。
村上は縦パスを杉本健勇に通す。
杉本→下口→杉本→下口→浦上とPAのライン際でパスを淡々と繋いでいく大宮。
何とか讃岐も奪おうとするがうまくいかない。
PAの外にいた浦上から大澤朋也にパスが出ると大澤がターンしてPAに侵入、傍にいた杉本健勇にパスを出し、杉本は後方の下口にダイレクトパス。この繋ぎで讃岐守備陣を引きつけてうまくフリーでポジションを取っていたｱﾙﾄｩｰﾙｼﾙﾊﾞにパスが通る！
ｱﾙﾄｩｰﾙｼﾙﾊﾞはやや窮屈な体勢からだったが強烈なシュートをゴール隅に鮮やかにコントロール。
見事に先制点の奪取に成功する。
ここまでよく耐えていた讃岐だったが、大宮の思惑通りの1点が大宮に入ってまう。
＜つづく＞
※読みやすさを考慮して、選手名は敬称略としました。ご了承ください。
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