"救いの声"はあったものの、しばらくその場に座り込んで立ち上がらなくなっていた。
メディアは「今季、Jリーグ全60クラブのなかで唯一勝ち星のないクラブ」として、好奇の目を向けて讃岐のことを紹介するだろう。
でも、そっちよりもシーズンまたぎで10試合勝ちがないことの方が重い。キツい。受け入れ難い…
気づいたら撤収ボラの姿が見えたので、邪魔者は去ろうと立ち上がった。
なんと駐車場までの距離の長いことか…
車に乗り込んでからも運転できない。
目の前には崩落した丸亀城の石垣の積み石が並べられていた。
讃岐がJ2に降格した頃に崩落した石垣…
しばらく無の状態で眺めていた。
車がまばらになっていることに気がつき、ようやく出庫した。
帰ってからも ただただうずくまっていた。
期待が大きかった分、落胆、ダメージが深い…
そんな時だった。
"とある方"からLINEをいただいた。
「お疲れ様です。残念な結果でしたね」
…えっ!?
とてもサッカーに詳しい人からだった(笑)。
その方と少しやりとりさせていただくと、ビルドアップの話になった。
「GAMEさん、ビルドアップの原則ってわかる?」
原則?
目的はボールを敵陣に向かって前進させること。
相手のラインを突破すること。
原則は…
あたしは、相手を動かすことだと思った。
相手を動かし、前進できるスペースを創り出す。
ボールホルダーに守備者を近づかせて、空けたスペースにレシーバーを入り込ませ、そこにパスを出す。
こんなイメージ。
すると…
口を押さえて笑う絵文字が返ってきた(笑)。
ここで一つヒントをくれた。
「相手を動かさないで止めればいいんです」
動かさない?
………!
守備を無効化することか!
「守備者の背後や間にレシーバーが入り込んでパスを受ける…ってことですか?」
「そういうことです。どこに誰を立たせるか、です」
相手の最初のライン(YSの場合は2トップ)は中央にパスを通されるのが一番嫌なので味方の選手を中央に配置すると、その選手をマークしなければならない。そうなると持ち場から離れられなくなる。いわゆる「ピン留め」状態。
つまりこの守備者のサイドにはスペースができるのでそのまま持ち運んでも良し、SBがスペースに入り込んでパスを受けても良し、となる。
仮にSBがパスを受けたとしたら、恐らく2列目のサイドの選手がボールを奪いにいく。
するとスペースができパスを受ける選手が出てこれるという流れになる。
讃岐のビルドアップはどうなのか。
全部見返してはいないが、讃岐の場合は殆どの選手がこの動きはできていなかった。
…ということは、もしこのビルドアップの原則ができるようになったなら、より一層讃岐は確実に前進して相手コートに押し込んで試合ができるかもしれない。
このビルドアップの原則を意識して次節以降見守るのも面白いかも…。
ビルドアップとは違うが、YS横浜の先制シーン。
レシーバーのオニエ オゴチュクウは斜めに走り込んで最終ラインの背後を取り、それを感じ取った奥村晃司は縦にスルーパスを発射。
まんまと讃岐のディフェンダーの守備を無効化することに成功し、GKとの1vs1という状況を創っている。
なるほどなぁ…
"とある方"は、堅守速攻のイメージが強い方。
でも一方で「戦術家」としても知られている方なので説得力がある。
ここまで言えば誰かはおわかりだろう(笑)。
敢えて名前は伏せるが、とても古巣を気にしてくれていた。
こんな一兵卒の精神状態まで気遣いいただけるなんて大変恐縮です…。
☆三---………
その夜、あたしは夢を見た。
誰かと車に乗っている。
どうやら仕事で遅くなった帰りのよう。
山を下っている。
夜が更けてきて、急いで下りていく。
「あっ!!」
車はガードレールを突き破り、崖を落ちていった。
(うわっ、アカン………)
はぁ…死ん…で…ない?
どうやらうまい具合に木の茂みにうまく引っかかってクッション代わりになったらしい。
誰か助けを呼ばなきゃ…とそこらじゅうを走り回ってる最中に目が覚めた。
あたしは夢を見たら「夢占い」をする。
自分の心理状態が大きく影響しているからだ。
崖を落ちる夢はどんな状態か。
・強いストレスを感じている
・不安感を抱えている
・モチベーションの低下
だそうだ。
うん、身に覚えがある(笑)。
崖は切羽詰まった危険や障害を表していて、助手席にいた場合は対人関係のトラブルを暗示しているそう。
この場合は運転手はカマタマーレ讃岐でしょうか…(笑)。
ただ、最後に…
車に乗って崖を落ちて助かる夢は吉夢だそう。
現在、うまくいかないことにストレスを感じているが、問題を解決して臨んだ結果を手に入れることができる
ということらしい。
まだダメージを引きずってはいますが、顔上げていこう。
次の9節と10節はアウェイ戦。
6戦全敗、1得点15失点という鬼門中の鬼門であるアウェイ北九州戦。
Jリーグでは未だ勝ったことのない難敵・松本とこれまたアウェイ戦。
厳しいアウェイ連戦。
今度スタジアムで会えるとするならゴールデンウイークのホーム八戸戦。
どなたさまも笑顔でお会いできますように…
<つづく>
※読みやすさを考慮して、選手名は敬称略としました。ご了承ください。
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