三拍子ブログをご覧にみなさま、こんにちは。
メカニックの飯田です。
毎日暑いですね。
言っても仕方がないことなのですが、言わないとやってられません。
暑い・・・
“走行中に白煙を吐く”という症状で77yXLHが入庫しました。
白煙の原因はオイルの燃焼しかありません。
アイアンはバルブステムにオイルシールがありませんので、多少はオイルを燃やしながら走っているのですが、さすがに多すぎるので・・・
ピストンリングから燃焼室へ上がっているか、はたまたバルブステムから燃焼室へ下がっているか、どちらかでしょう。
オーナー様に了解をいただいて、上から順番にバラしていきます。
まずは“ショベルヘッド”の由来になっているロッカーから。
ロッカーアームは動きがスムーズでガタもありません。
続いてシリンダヘッドを降ろします。
ボルトが固着しているケースも多いのですが、難なく緩みました
ピストンヘッドはカーボンの堆積もなく、なかなか綺麗な状態です。
前バンク
後ろバンク
燃焼室は・・・
オイルが混入した形跡アリ。
こちらも同様。
シリンダも降りました。
クランクとタペットをチェックしておきます。
シリンダの内壁は思いの外きれい。
こちらも同じく。
段付き摩耗もほとんど無く、ピストンクリアランスも既定値内。
ただ、ピストンには抱きつきの形跡が見られます。
オーバーヒートが原因かもしれませんね。
バルブまわりも分解しました。
シリンダ側よりもバルブにオイルの焼積物が付いていることから、やはりバルブステムからオイルが下がるのでしょう。
バルブガイドが減ってクリアランスが広くなると、オイルが通過できるようになってしまうんです。
特にインテーク側はエンジンの吸気に合わせて吸われますから、想像以上の量のオイルが燃焼室に入ります。
この状態をオーナー様にご覧いただき、「せっかくバラしたのだから」ときっちり仕上げることになりました。
ピストンを新調して、そのピストンに合わせてシリンダをボーリング。
バルブ及びバルブガイドはともに新調。
ここに魔法をひとふりして、無いはずのステムシールを実現します。
もともとキャブレター交換も伺っていましたから、別物のエンジンに生まれ変わるハズです。
N様、しばらく乗れませんが、首を長くしてお待ち下さい。