【お祭りレポート】200周年記念の三条祭りに生きている実感をかみしめる | 「その女、善良につき」

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三線愛好家 & 三条市ボランティア連絡協議会会長 きよ里が書いております。どうぞよしなに。

今年200周年を迎えた三条祭り(三条八幡宮春季大祭)に、撮影隊として参加させていただきました!
相棒は今日もランナーえりりん(写真右)。
終わってみてわかったことですが、人選が絶妙。

一眼レフのガチカメラマンの他に、我々のような身軽なスマホ撮影隊を配する布陣は、速報性と記録性の両方を求められて良いです。

さらに、えりりんと私は、土地勘があり、走ることに抵抗がなく、「裏道を抜け、並行する別の道を走って行列の先頭に先回り」というような動きが容易でありました。
ところどころで生配信しながら楽しく撮影したよ!

 

 

 

 

 


↑こちらは私たちを200周年の記録係に任命してくれた、若衆会OBであり、八幡様世話方の相場浩さん(通称 殿)です。

大名行列の目玉の天狗さん(道祖神)は、高く上げた足をカツン!と下ろすその音で邪気を払っている、という説明をしてくれています。

 

地面に着いた両足と、右手に持った矛の接地面が正三角形に安定していないと、天狗さんはうまく歩けないのだそうです。

この行列の本旨は実は神輿渡御なので、主役はお神輿であるべきなのですが、実質天狗さんが主役みたいなものです。

「大名行列」って言ってるけどまず大名いなくない?w

 


さて、神輿渡御とは、もそも何なのかというと、普段は八幡様の中にいらっしゃる鎮守様(土地の守り神)が、たまに出張して、街の様子を直接見に来てくれるっていうことと私は解釈しています。

普段お参りに行くことが難しい、足の不自由なお年寄りや赤ちゃんのいるご家庭にも、守り神様と近しくまみえる機会が持てるっていうチャンスですよね。

もしかしたら鎮守様にとっても、春と秋の2回だけ、神殿を離れて小旅行気分で出かけられるチャンスなのかもしれないです。実際そういう意味合いが強いお祭りもあるみたい。

何にしろ、神様の実体が見えるわけでもないし、明らかに神輿を手入れし、担ぎ、きれいだなあって眺める人間たちの都合で、お神輿が街に出ていってまた八幡様へ戻るわけですが、これが何百年も続いてきたとなれば、もうそれ自体が意義のあること。

昔ほど鎮守様の存在感がなくなってしまった今日この頃でも、途切れずに(ここ2年ヤバかったけど)祭があるのは、日々の仕事があったり、働ける健康があったり、子宝に恵まれたりという一つ一つに感謝し喜ぶ場が、生活者には必要だということではないでしょうか。神様の渡御をダシにしても何でもいいんだと思います。感謝と喜びをいろいろな普段しないこと(ハレ)で表現してお祝いする。その近くには神様が(カタチ上でも)いてくれて見守っててくれる。イッツア祭。でしょ。

 

そういう、神様が身近におわして見守ってくれてるよ、というアイコンの神輿です。今年は、密の防止のためか、わっしょいわっしょいしないで、台車に乗せてひっぱる形式でした。

(そういえば、神様が入ってるのに、わっしょいわっしょい揉むの、すごい乱暴だよねw乗り心地悪いw)

これが、今年初めてやるもんで、危なっかしい。

今までなら狭いところは人力で少し傾ければ通れたものを、台車に載っている以上まっすぐ通過するしかないわけで、屋台や見物客に引っかかりそうになりながらギリギリで通過していくのでした。燕市の戸隠神社春季例大祭では、大きな萬燈(山車)が商店街を通過するために、すべての屋台の屋根がはねあげられるように作られているのですが、それを思い出しました。三条はそうなってないから…。

 

そして、台車の実践もはじめてなので、なんかマズイことが起こったりします。素人目にもマズそうな車輪。

 

近づいて聞いてみると、「スタートの時点から抜け落ち始めた車輪のネジがだいぶ取れてしまった」という話でした。だいぶマズイですね💦

ああしてみようこうしてみようって現場での試行錯誤を経て、なんとか進んで行ったみたいでほっとしました…。

 

これは行列が参道を出切った最後尾の様子。三条市のメインストリート、本町通りにこんなに人が詰めかけているの、夢みたいです。まっすぐ歩けないくらいの人出なんていつぶりだろ!

ここから、裏道に回り込んで、1㎞くらい走って先頭に追い付いて撮影する作戦です。

 

行列の目玉が天狗さんなら、花形は奴(やっこ)さんです。

ベテランの奴さんたちは屈強であぶなげなくてカッコイイ。若い人(中高生)の参加が複数あったそうで、次世代への引継ぎも順調そうでとても心強いです。
最年少、中学生の奴さんにインタビューできました。

「先輩の奴さんたちによくしていただいています。」
「三条まつりがもっと有名な祭になってほしい。」

「でも、たくさん人が見に来るのは、それはそれで緊張する…。」

すごくしっかりした少年でした。緊張するのかわいい。

 

奴さんもトラブルかな。台傘というお道具のヒモを結びなおしているようです。

 

行列の中盤にはこういう四神鉾(しじんぼこ)、四神大鉾(しじんおおぼこ)等の背の高いものがあって、電線をひっかけないよう、こんな感じで持ち上げてくぐります。四神は玄武、白虎、朱雀、青龍で、お神輿のまわりを守っています。

 

白い木馬の御神馬(ごじんめ)を曳いてるのはミュージシャンSBYと渡辺竜ちゃん。

 

今年は祭装束や和装のコドモたちが沿道にたくさんいました。

 

おばあさんたちもオシャレしているんだよね。お祭りだから。

 

お友だちとおしゃべりしながら行列を見守っている人々がたくさんいて、とってもほほえましかったです。

面白い会話いろいろ聞いたんだけど忘れちゃってもったいなかったな~💦

覚えてるのは、天狗様が休憩(交代待ち?)しているのを見た小さなお子さんが、

「ねー天狗さんどうしたの?疲れてもう立てないの…?」
って心配してたことです。かわいい。やさしい。

 

沿道の地元の方からお賽銭を受け取る係の今井ちゃん。だんだん重くなるので後半が大変そうです。

 

ところどころに行列の皆さんの給水所が設置してあって、トイレと熱中症対策ができるようになっています。

 

私たちもスタッフの特権を行使して、給水所でレモンサワーをもらいました!!ごはん抜きだったし、カロリー補給ありがたい!

飲んでももうあんまりお酒の味とかわからなくて、誰かが「それノンアルです」って言ったもんだから、通りかかった相場先輩(アルコールを一切受け付けない体質)に「これノンアルですってよ」といって渡してしまい…。

相場パイセンはちょっと舐めてすぐ「これは酒入ってる」と気づいてくれてやめたから事なきを得たけど、下手すれば命にかかわるミスで、反省しました…。殿ごめんなさい。ご無事でよかったです~。

 

あっ!國定前市長!!

「市長の間は、出れなかったのよ。政教分離の問題とかあって。」

「今日は楽しんでる。3杯飲んで出てきた。ねーそれお酒?酒なの?」(ノンアルコールですって言ったけど酒でした)

國定さんにだって三条市民としてお祭りを楽しむ権利はあります!いっぱいエンジョイしててほしいなあと願いました。

 

 

行列の後半は、囃子方(はやしかた)の出番です。太鼓と笛。我らが三条民謡研究会の高山勲先生が太鼓を叩いていました。

 

こっちは同じく民謡研究会メンバーで、本成寺の鬼踊り保存会の会長でもある、通称「鬼の小林」さん。笛方(ふえかた)で毎年参加されています。

 

この老婦人は近所の方で、椅子を出して座って見物されていたのですが、神輿や御神馬が通るたびに立ち上がってお辞儀をされていたのがとても印象的でした。

で、これが行列の最後尾。押槍(おしやり)です。1本1万石を表し、10本あるんだってリーフレットには書いてありますが、ある…?えーと…あるね!!

 

本来は、田島橋のたもとあたりまで行くんですが、今回は一ノ木戸商店街の端っこ、一新橋を下った交差点で行列は終了し、みんなで八幡宮へ引き返します。

 

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例年だと、奴さんが走って戻って、神輿が本殿に戻ろうとするのを押し戻すもみあいがあって、3才以下の子どもを肩車した人々が本殿のまわりを数百人でワーっと走る舞い込みがあって、クライマックスを迎えるんだけど、今年はもみあわないし、走らないということに決まってました。なので奴さんたちはここでお仕事がおしまいです。


 

 

走らないけど、舞い込み(って呼んでいいのかな)自体はあるので、子どもたちに息災の願いをかけるため、天狗さんが八幡様本殿にスタンバイします。

子どもたちの頭上に鈴をかかげてシャンシャンシャンと鳴らしてくれます。

 

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カメラマンのみなさんがいい場所を取って撮影に備えます。

 

天狗が怖くてギャン泣きしている子が1割くらいいましたが、だいたいの子はキョトンとしています。

こんなにたくさんの子どもや赤ちゃんを一度に見る機会ってないので、圧巻でした!幼児って、幼児って…、モチモチしてるね!!!丸くて小さくてムッチリしてた!!

 

グッドルッキングな巫女さんと記念撮影°˖✧◝(⁰▿⁰)vv(⁰▿⁰)◜✧˖°

 

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全部終わって、なんか食べよ…お腹ぺこぺこらよ…と言いながら歩いてると、八幡様の近所の武石さんが紅白幕を外しているところに行き合いました。

八幡町のみなさんは祭の前に草取りや泥揚げを終わらせて、それぞれのお宅で紅白幕を張ったり、提灯をつるしたりして、お祭りのムードを作ってくれています。ありがたや。


そして仮の直会(なおらい)www
これがなくちゃーね!!!

 

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同じ減量チームメンバー(左の2名は若干リバウンド中ですが…)のヤス君を囲んで慰労会もつつがなく終了!

家に帰るまでが三条祭り!と宣言し無事に帰りました。

 

3年ぶりのお祭りは、生きている高揚感がすごかったです。4万人くらいは出てたのかなあ。

「人がたくさんいることの熱気」っていうか…、人がたくさん集まっているだけで、パワーが渦巻く感じがするな…と思いました。コイルを巻くだけで磁力が発生するみたいな?

たくさん人がいればその中には自然と知ってる顔がいるわけで、そういう再会と新たな出会いの場であったなと感じています。ずっとなかったからね。3年越しで会う人もたくさんいたでしょうね。そういうとこの様子がなんか、すごい、生きてる感あった。

 

私たちがお祭り女だからなんだろうけど、やっぱり、人には、祭が必要です。どうしてもまつりたい…!
2年休んでもちゃんと行列を実行できたの、すごいです。殿(相場パイセン)はじめスタッフの皆さま、神社関係者の皆さま、ご近所と商店街の皆さまに頭が下がるばかりです。実施してくれて、伝統を守りつないでくれてありがとう!!