ゆるむまで待てるから。
『ボーッと観る会』、夜の部。
今宵は、親を観じるワーク。
詳細は、また今度。
やってみて、いかが。
理学療法士のYさんは?
「このあたりが重いかんじがするんですが。」
左わき腹あたり?
「ただ、言葉として出てきません。」
なるほど。
感覚を言語化。
最初は、難しいかもしれませんね。
「何かコツは、ありますか?」
唇を閉じないことですね。
「唇?」
Yさん、ワークを真面目にやり過ぎてね。
唇、閉じてたでしょ?
「えっ・・・そうかもしれません。」
意識的に閉じてないと思いますよ。
ただ、頑張って言われたとおりにやろうとするとね。
つい力んでしまって。
唇がぴったり閉じてしまうんです。
「ああ、閉じてたかも。」
でしょ~。
閉じるとね。
気の流れも止まるんです。
「気の流れが?」
もちろん、全く動かないわけではありません。
生きてるわけですから。
ただ、ワークによって反応した感覚がね。
そのまま、変化しにくくなるんですよ。
緊張が解けにくい。
「けど、それが言語化と?」
あくまでの私の体験によるものですが。
「はい。」
ワークでお母さんをイメージされた時、
左わき腹に重い感覚が生じましたね?
「ええ。」
感情エネルギーってね。
抑圧すると、カラダのどこかに蓄えられるんです。
「母に対する感情が左わき腹に?」
ええ。
筋肉が緊張することでね。
エネルギーを閉じ込めるんです。
「不思議ですね。」
怪しいでしょ。
で、その緊張を俯瞰して観ているとね。
ほどけてくるんですよ。
「筋肉の緊張が?」
そうそう、左わき腹がゆるんできますから。
「けど、ゆるむまで観られませんでした。」
唇を閉じてましたからね。
我慢して息を止めてるのと同じ。
気が動きにくいんです。
けど、唇を意識的に開けるのとも違います。
自分でコントールする時点で、緊張しますから。
「では、どうすれば?」
ゆだねるんです。
「ゆだねる?」
左わき腹の重い感覚に意識を向けると決めてね。
あとは、ゆだねます。
カラダに。
「カラダに?」
ええ、あとはカラダが勝手にやってくれると。
Yさんがやるのは、「決める」だけ。
あとは、どうなろうと知ったこっちゃありません。
「できるでしょうか?」
感覚に意識を向け続けていれば。
そこに集中し続ければね。
雑念が入る余地がありません。
集中と拡散。
ちょうど陰陽釣り合ってね。
最も気がめぐります。
「すると、緊張が?」
ゆるむんです。
「なるほど~。」
緊張がゆるまないとね。
言語化できないんです。
封印してたエネルギーを言語化するわけです。
解放されないと、観じようがないでしょ。
「そういうことですか。」
唇を閉じてるかぎりね。
言語化できないんですよ。
無理にひねり出したところで。
それ、アタマで考えた言葉ですから。
自分でもしっくりきません。
感覚とリンクしてませんから。
「私が鈍いからだと。」
いえいえ。
そうじゃありませんよ。
真面目に感じようとし過ぎてね。
緊張が解けなかっただけです。
その状態では、誰も言語化できませんから。
「ちょっと安心しました。」
Yさん、納得。
次のワークでは、しっかり言語化。
ほら、できたでしょ。
「ホントですね。」
「ちょっと嬉しいです。」
これ、ワークだけではないですよね。
普段から、感覚を言語化するうえで使えます。
「やってみます。」
はーい、ぜひ。
えっ、あなたも。
言語化するのが苦手?
それ、眉間にシワを寄せながら。
感覚に意識を向けず。
アタマだけで考えてるからでは?
できなくて当然です。
感覚に意識を向け続けると決めてね。
あとは、カラダにゆだねて放置プレー。
待ってくださいね。
緊張がゆるむまで。
その時、言葉が。
みぞおちから胸あたりに湧いてきます。
お試しあれ。