主張しないから。
「登録だけさせてもらえませんか?」
週イチ非常勤の私立高校。
放課後、N先生から、お声かけ。
えっ、何の登録ですか?
「クイズですよ、クイズ。」
クイズ?
「ほら、高校生クイズってあるでしょ。」
ええ、ありますね。
もう40年くらい続いてますよね。
「あれの進化版で。」
進化版で?
「『高校先生クイズ大会』があるんです。」
えっ、先生の?
初耳ですね。
「第一回ですから。」
へー、そうなんだ。
って、どこで知ったんですか?
「LINEニュースです。」
ちゃんと観るんですね。
「実は、私、高校生クイズに出たんですよ。」
あら、現役当時?
「ええ。けど、予選で。」
そりゃ、スゴい倍率でしょうね。
「けど、7問中6問正解で。」
おや。
「あと一歩で本選出場だったのに。」
それは、悔しいですね。
「私としては、ン十年ぶりのリベンジなんです。」
気合い、入りますね。
「ってことで、4名1組で申込みなんですが。」
ほー、チーム戦ですか。
「補欠ってことで、お名前だけ貸してもらえませんか。」
ああ、補欠だったら。
どうぞ、どうぞ。
正直、興味なし。
けど、補欠だったら、いいか。
2日後。
「谷田先生、本登録でお願いします。」
えっ。
「I先生の都合が悪くなって。」
ホントに?
あとで、訊いたらね。
他の先生も「補欠」で勧誘されたらしい。
見事な『ローボール・テクニック』。
勉強になりました。
まあ、そういう流れだし。
参加してみよう。
で、他のメンバーは?
「保健体育のY先生と美術のK先生です。」
勝つ気ないでしょ。
勝たなくていいけど。
当日。
・・・うわー、いかにも「先生」ばっかし。
ネクタイしてるし。
予選なのに。
お揃いのTシャツ着てるチームも。
気合い、入ってるなあ~。
予選は、筆記テスト。
4人で知恵を出し合う。
本戦の放送終了まで。
問題は、口外禁止。
難易度も分野も多様。
解いてて、楽しかったよ。
漢字と日本史は、少し貢献。
英語は、N先生がパーフェクト。
Y先生は、気合い担当。
K先生は、癒し系。
それぞれが力を。
けど、そこはクイズだから。
「世界史は、誰が?」
「音楽は?」
「芸能は?」
沈黙が続く。
工藤静香もびっくりのMUGO・ん・・・ムリっぽいね。
予選は、全国6カ所で。
めちゃ狭き門。
散ったね。
いやー、けど、楽しめたわ。
これも、N先生の「補欠」のおかげ。
乗ってみるもんだね。
もうひとつ、収穫が。
N先生のお人柄。
待ち時間とか、お話しできたから。
N先生、生徒から慕われるのよね~。
ファンが多い。
卒業生もしょっちゅう会いに来る。
先日の記事にもあるとおり。
生徒が何を相談しても、
「まあ、そういうこともあるよね。」
何にも「指導」しない。
全然、「先生」っぽくないの。
生徒は、話したいだけ話せる。
何も指導してないのに。
生徒の表情は、スッキリ。
何も指導してないからだね。
けど、N先生。
ただうなずいてるだけではない。
時に発される言葉は鋭い。
鋭いけど、重くない。
さらっと言っちゃう。
ゆるいのに、鋭い。
それが、人気の秘訣かも。
ピピッときたのが、こちら。
「バカボンのパパと読む『老子』 実践編」
ドリアン助川 KADOKAWA
> 自分のことを正しいなんて
> 言い張らないから、
> 逆に、何が良くて何が悪いのか
> はっきりわかるのだ。
指導しようとしてね。
「これが正しい」と言っちゃうと。
他の選択肢は、もう見えない。
いまの相手にとって、
タイムリーに受け取れる言葉。
正解は、ひとつ?
そんなこと、ないよね。
ゆるさは、ゆとり。
自信がないほどね。
「正しい」と主張したくなる。
けど、まだまだ主張したくなるなあ~。
あなたは、いかが?
・・・ああ。
間違って予選通過したら、応援してね。
今日は、ここまで。
また、明日。
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