そもそも探していない。
『プロフェッショナル ~仕事の流儀~』
授業のネタ探し。
さて、生徒に観せたくなる動画は?
おっ、これ・・・私に必要。
『家電の命、最後まで ~電器店主・今井和美』
三重県の山奥でひとり電器店を営む今井さん。
新製品は、1台も売らない。
修理専門店。
三重県の山奥なのに、全国から依頼が殺到。
多い日は、一日200件の電話が鳴る。
通常、修理成功率が60%を超えれば、一流。
今井さんは、なんと95%。
メーカーに部品がなくても、自作する。
効率や稼働見合いの請求はしない。
どこにも行き場のない家電の最後の砦。
60歳の今井さん。
子どもの頃から、機械をバラしては組み立て。
近所のテレビやラジオを修理しては、喜ばれてた。
修理好きが高じて、
そのまま、大阪日本橋の電器店に就職。
これで思う存分、修理ができると思いきや、
社長からは、「直すな」と厳命。
メーカーから課された販売ノルマを達成するため。
直せるのに、直せない。
一年で退職し、地元に戻る。
ひとりで電器店を開業。
以来、メーカーににらまれながらも、
修理一筋40年。
いまでは、番組で取り上げられる有名人に。
「なぜ、そこまで修理だけを続けられたのか?」
スタッフの問いかけに、
「呼吸をするのと同じ。」
いちいち考えたことがないと。
「聞かれても困る。」
今井さんは、いまの立場になることを
昔から目指していたわけではない。
ただ、呼吸をするように修理してた。
目の前の修理にしか意識がない。
気がつけば、いまの立場になっていた。
「修理するために生まれてきた。」
この時、震えた。
アタマは冷静。
職人さんでこういうこと、言う人いるだろうなって。
けど、カラダは武者震いが止まらない。
魂が打ち震えてる。
「普通にしてたら修理してる。」
「意気込みとか、原動力とか、そういう問題ではない。」
「普通にしてるだけ。」
思い出したのが、こちらの本。
『ひらめき教室 「弱者」のための仕事論』 集英社
お気に入りのデザイナー佐藤オオキさん。
『暗殺教室』の人気漫画家松井優征(ゆうせい)さんとの対談。
> 松井 「佐藤さんのデザインを見たとき、
> エゴがあんまり見えてこないな、と感じたんです。」
> 佐藤 「自分は空気というか水というか、
> 限りなく透明であるのが理想なんですよ。」
この「透明である」が、
今井さんの「普通にしてるだけ」に通じる。
さらに、松井さんが、
> やりたいことがあるかないかでいうと、
> 僕はない方で、
> お客さんが求めるもの=自分のやりたいもの
> という考え方なんですよ。
> やりたいことがしっかりある人って、
> 自分にはわりともろいように思えて。
> そのやりたいことがなくなってしまったら、
> そこから何も生み出せなくなってしまう気がするんですよ。
> この業界で息長く頑張るには、
> やりたいことがない方が絶対やりやすいし、
> 長持ちする。
佐藤さんが、
> 「やりたいことがある」は、やりつくしてしまって、
> 完結してしまう恐れはありますよね。
> その点、「やりたいことがない」は、
> かなり持続性のあるモチベーションになります。
> 何が来ても楽しめちゃいますし。
これだけ、売れっ子の二人。
口を揃えて、「やりたいことがない」と言う。
けど、そのまま受け取ると、誤解を招く。
今井さんと同じく、圧倒的な時間、
意識を向け続けている。
「やりたいことがない」とは、
「意識的にやりたいことをみつけていない」
ということ。
無意識でそれをやってる。
思考が主役になると、
「意気込み」「原動力」を必要とする。
「思考=エゴ」だから、
どうしても「自分」が前に出る。
「意識的にする」と、そうなる。
「天職」とは、時間を忘れる無我の状態で
取り組んでいる行為。
「自分」じゃないから、「天」なのだ。
松井さんは、思考が止まったその状態を「無」と。
> 人は無を楽しめなくなった瞬間、
> 業に飲まれるものだと思うんです。
> 何かないと我慢できなくなって。
思考は、「何かないと」落ち着かない。
「何かしてる」のが仕事。
「何かし続けてこそ」存在価値を見出す。
天職を「探す」時点で、思考が主役。
そりゃ、見つからない。
やってた、やってた(笑)
天職とは、「普通にしてる」こと。
ただ、思考が働くほど、「普通」から離れる。
人目が気になり、将来が不安になる。
ああ、だから、瞑想やってるんだ。
納得。
天職は、すでにある。
「いまの自分」にあるってことだね。
今日は、ここまで。
また、明日。
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