ある動物学者が、21個のホロホロチョウ

の卵をニワトリの雌鶏に与え
何が起こるかを実験した。
小さく殻のかたいホロホロチョウの卵は
ニワトリの卵と似ても似つかぬものである。
だが雌鶏はこの仕事をしっかり引き受け
愚痴一つ零さず21個の卵全部をなんとか温めた。
やがて、ニワトリの子とは
似ても似つかないヒナがかえった。
が、雌鶏はあわてるようすをまるで見せない。
ヒヨコとはちがった振る舞いにも驚かないようだった。
ここまで読むと、雌鶏は自分の卵も他の鳥の卵も
見分けがつかないほど愚かなのだろう。
ニワトリは頭が悪くてヒヨコとの見分けも
つかないのだろうと考えるだろう。
その雌鶏は私たちが想像するよりもずっと
正確に真実をつかんでいた。
2、3日ヒナをだいて温めたのち
雌鶏はホロホロチョウのヒナたちを
草むらへ連れて行った。
ニワトリの餌として与えられている
飼料を食べるようには仕向けず
白いアリのさなぎをとるために
アリの巣をひっかきまわした。
ニワトリはアリのさなぎなど食べないが
ホロホロチョウは食べるのだ!!!
ヒナたちは本能的に餌である事を知り
さなぎをついばみ始めた。
雌鶏はどうしてホロホロチョウが
シロアリを食べることを知っていたのか。
これはいったいどのような知能なのか?
ヒナたちの<集団的無意識>が発する
メッセージを受けることができた、と
いうことなのかもしれない。
だとしたら、人間にはとてもできない芸当である!!