■「海の救助隊」イルカ① | ♡スキなことをスキなだけ♡

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<ピロラス・ジャック>

$健康美人研究家 MIYUKIのBLOG ☆*゚.:。


このイルカは長いあいだ、ニュージーランドの
ドービル諸島の海峡
フレンチ・パスを通る船を先導した。

ここはきわめて海流が速く
岩礁が多い危険な海峡で
何百艘もの船が難破している。

だが、ピロラス・ジャックがいるときには
決して事故は起こらなかった。
ジャックが救った人命は数知れない。

始めてジャックが目撃されたのは
ボストンから来たスターナー船ブリンドル号が
フレンチ・パスに接近しようとしたときだった。

船の前方に飛び跳ねるように泳ぐイルカが見えた時
船員達はそれを殺そうとした。
が、幸い船長の妻が説得してやめさせた。

すると驚いたことに、イルカは船を先導して
狭い海峡を泳ぎ始めた。
それから何年もの間、イルカは海峡を通る多くの船を
安全に誘導した。

人々は決まって姿を見せるイルカを頼るようになり
フレンチ・パスにかかると
必ずジャックが現れるのを待って
危険な岩と海流のなかを安全に案内してもらうのだった。

ところがある日、悲しい事が起こった。

ペンギン号という船にのっていた客の1人が酔っぱらい
銃でピロラス・ジャックを撃ったのだった。
船員たちは激怒した。

ジャックが血を流しながら泳ぎ去って行くのを見た時
その男をもう少しでリンチにかけそうになった。

ペンギン号はピロラス・ジャックの助けを借りずに
海峡を通過しなければならなかった。
それからの数週間、どの船もがそうしたように。

だがイルカは再び現れた。
傷は癒えたようだった。

ジャックは人間を許したのだ。
ジャックはもとのように海峡を通る船を船頭しはじめた。
しかしペンギン号が現れると、一瞬にして姿を消した。

その後、ピロラス・ジャックは
長い年月にわたってフレンチ・パスで船を案内しつづけたが
ペンギン号には決して近づかず
その船員は二度とジャックを見る事はなかった。

皮肉にもペンギン号はフレンチ・パス航海中に難破し
多くの乗客と船員が溺死した。



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