Ψ(さい)のつづり -77ページ目
ブロッケン山に
今夜
集う者
めいめいの
目的のため
めいめいの
正義のため
めいめいの
自己実現のため
いつもはばらばらに
跋扈しているように見えて
一年に一度
集う
ヴァルプルギスの夜の
乱痴気騒ぎ
ファウストも
新米も
たどり着くことすら
かなわない
山頂までの
険しいみちのり
世迷いごとが
あふれかえり
常識が
非常識
最凶が
最強
されど
とどのつまり
すべてが劇中劇
あべこべ
油断大敵
最後には
ひっくり返る
運命だから
ブロッケンの
光の輪には
敵わない
すべてが
光を
美しく魅せるための
仕掛けなのだから

大仰に語ることばに
真実はない
後ろ向きな仲間意識
下向きの安心感
逃げ腰の助言
その場限りの口約束は
すべてほろびゆく
さだめ
されど
その傷は
だれかを
癒すため
その涙は
あなたの
傷をふさぎ
地に眠る
ものたちへ
届き
光の結晶となる
やがて
慈雨となり
海に注ぐ
その唇から
自ずと
溢れだすことばは
世界を
浄化し
目にみえない
ものたちへの
ギフトとなる
大いなる存在に
全面的な
信頼を寄せ
歩む
その姿は
希望そのもの
ひかりを放つ
その者へ
仕える喜びを
人々に
思い出させる
愛と
情熱をもって
生きる
歓びを

花咲く丘に
ある家に
新しく
住まいを
定めよう
昨年までの
学校は
取り壊されて
しまったみたい
でも新しい場所は
ずっと前から
夢にみてきた
花咲く丘の
一軒家
異国から
はるばる戻ってきて
よかったわ
大切に
大切に
使い続けてね
これからは
毎年
あたたかくなるころ
ここへ戻ってくるから
長旅を
ものともせず
一直線に

ホトトギスは
鳴くまで
待ったり
鳴かせてみようとしたり
鳴かなければ
斬ってしまったり
されるものらしい
いったいどんなに
魅力的な声なのかしら
スターって
大変よね
時の
お殿さまたちのことなんて
当のホトトギスには
どうでもよかったんでしょうけれど
おかげで
いついつまでも
名を知られるようになったのは
役得
さらに
カッコウは
托卵することで有名で
悪者
ずるがしこい
イメージがついているけれど
ホトトギスは
托卵することが
あまり知られていなくて
ちょっと良い
ポジションを
維持している
でもカッコウのあの
はじめてきいても
わかりやすく
カッコウって
本当にカッコウって
歌うんだね
と
ききとりやすい
その歌声は
高原の
朝もやに
さわやかに
すがすがしく
梅雨時にも
じめじめを
吹き飛ばす
その清涼感
何物にも
代えがたい
オンリーワンな歌声

あなたが
小さかったころは
送って
託して
お迎えにいって
それが
毎日だった
ぎっちり
大人と過ごすより
子どもたちの
世界で
過ごす方が
ずっとずっと
楽しそうだったから
安心して
わたしは
大人の世界で
過ごすことができた
だんだん
大きくなると
自分で
あなたの社会へ
出ていき
お迎えだけでよくなった
そして
とうとう
お迎えもいらなくなった
だから
ごくたまにある
お迎えが
なんだか
たまらなく
特別だよ
うふふ
うれしくて
思わず笑顔になってしまう
ツバメは
今年も帰ってきたかしら
スズランも
咲いたかな


