Ψ(さい)のつづり -74ページ目
すぎな姫
わたしは
あなたのことを
誤解していました
つくしの
袴時代はかわいいけれど
清楚な袴を脱ぎ捨ててみれば
髪の毛ぼうぼうの
やまんばになり
ぬいても
ぬいても
どんどん
どんどん
はえてきて
大変なことになるって
でも
あなたと
たたかうなんて
意味のないこと
あなたは
それだけ
生命力に
あふれていて
地下から
豊かな
栄養を
吸い上げているっていうことだから
その栄養を
お裾分けしていただくことにしました
袴と裾って字が似ているもの
うふふ
あなたはいくらでも
生えてくるし
抜こうとしても
容易には抜けずに
必ず千切れます
だから抜かずに
ちょきちょきして
洗って乾かす
乾かしたのはそのままお茶になるし
ホワイトリカー漬けで
チンキにもなる
とりあえずは
どんどんお茶で飲んで
すぎな姫の生命力と
図太さを
わたしも
いただくわ
ありがとう

まだあじさいの季節には
ちょっと早いけれど
ちゃあんと準備しています
枯れ木のようだった真冬を経て
まだ寒い早春のころから
みどりのはっぱをそうっと用意して
桜の咲くころから
いきいきと
はっぱをしげらせ
湿度を増してきた最近では
つぼみをいっぱいつけて
さあ準備万端
嵐でも
雷でも
ウェルカムよ
しっとりも似合うし
吹き飛ばされはしないわ
あんなに大きなお花を
たくさん咲かせても
平気なんだから
実は逞しいのよ
今年の色を
いま
土の中で
ねっているところよ
グラデーションを
お楽しみにね

この國が好き
わたし
本当に
この日本にうまれてくることができて
よかった
こんなに
美しくて
こんなに
優しくて
こんなに
品があって
こんなに
人々が
一生懸命で
だれも
みていなくても
地域も
人々も
凛としている
みんなが話す
ことばだって
美しい
書いたことばも
きれいな文字
家々も
美しく整えられて
おうちの中も
きれい
そう言えるように
なっていく
予感が
いっぱい
いっぱい

満ち満ちている
ここのところ
お風呂に入ったり
なにげない時も
なんだか
ぴりぴり
かゆかゆ
そのうち
よくなるでしょう
の
そのうち
が意外とながいかも
ああ
だれかの助けが必要かも
そういえば
すぎなさんや
どぐだみさんは
皮膚によかったような
お庭に出て
相談してみよう
お二方とも
たくさんいらっしゃったはず
すぎなさんも
どぐだみさんも
チンキにすると良いらしい
摘みますね
すぎなさんは
いつも知らない間に
つくしが
すぎなになっていて
たくさんたくさんありますね
状態の良いものを厳選しましょ
どくだみさんは
あらら
かわいいお花が
咲いているわ
こちらも丁寧に
ハサミで切って集めれば
洗うのも簡単ね
すぎなさんは数日乾かしましょ
どくだみさんは
お花と葉っぱを分けて
ウォッカ風呂へ直行
あまった葉っぱは
数日乾かしてお茶ね
すぎなさんはお茶にもするし
ウォッカ風呂もまだあるから
チンキにもなりましょう
飲んだり塗ったり
身体の中のかまってちゃんを
しっかりかまって
かゆかゆよ
さようなら

ずっとずっと
当たり前に
続いていくと思っていたことが
おわって
毎日目にしていると思っていたものが
本当は
よくみえていなくて
好きだと思っていたものが
なんだか
いまの自分にはしっくりこなくて
捨てられずに
押入に入れたまま
存在すら
忘れていたものが
ほとんどは
いらないもので
たまに
ちょっと懐かしかったり
意外と使えるようなものを
発見したりもするけれど
結局は役に立たなくて
とにかく
とにかく
次から次へと
滓や澱みを
取り除いていくと
もう一度
生まれ変われる
そんな氣が
とてもする


