Ψ(さい)のつづり -49ページ目
世界の
はざまで
祈りを
ささげる
陰と陽
陽と陰
おもてとうら
うらとおもてを
くりかえし
かのこ編みの目ように
ぽこぽことした
模様が
浮かび上がる
まだ寝静まっている
早朝に
金星が
まばゆいばかりの
輝きをみせている間
いびつになった
編み目がないか
チェックする
編み間違えはほどいて
作り直す
明るくなってきて
もう間もなく
日が昇る
日が昇れば
すべての
ごまかしは
灰燼に帰するだろう
編み直しなんて
生ぬるいことは
期間限定の
特典だったことに
あとから
気付くのだろうか
誰も見ていないなんて
単なる思い込みだったことにも

あなたは
生きる奇跡
奇跡が歩き
弾き
そして
微笑む
奇跡を目の当たりにして
わたしたちは
驚き
賛美し
そして
希望をもつ
わたしたちの
DNAには
無限の
可能性があるということを
目の前にいる
あなたが
教えてくれるから
視覚でとらえられる
二次元の
音符の世界を
読み解いて
ピアノという
三次元の空間に
落とし込む
そして
四次元以上の世界の
ギフトにする
それが
プロの音楽家なら
あなたは
直接
五次元以上の宇宙と
繋がって
四次元を癒し
三次元の指から
ふたたび
四次元以上の世界へ
音霊を
広げることができる
演奏家
作曲家はきっとそうやって
曲をつくっていて
後の世に伝えるために
ノートを残しているに過ぎない
ということに氣付かされる
だから
あなたのことを
すべての音楽家は
うらやむけれど
ねたみはしない
誰にも
なしえなかったことを
いつでも
よろこびをもって
やってのける
姿を前にして
ただ
ただ
一緒に演奏できることに
感謝するだけ
努力を重ねて
前進し続ける
あなたと
同時代に
同じ国にいる
奇跡に
そして
あなたの演奏会にいけなくても
いつでも
あなたの音に
触れられる
この時代に
ありがとう

五月晴れ
色とりどりの
つつじも
咲き乱れ
野生の藤が
木々に絡まり
気付いたら
一体化していて驚くけれど
代わりに
お化粧をほどこしてくれる
ああ
ほんの
些細な事でもいいから
あたりまえや
いつものことを
ひとつずつ
少しずつ
変えていこう
丁寧な言葉遣いをする
ありがとうをきちんと言う
ごみ捨てに行く途中で
道端のごみを拾って一緒に捨てる
ミュージックアプリを
別のものに変えてみる
慌てず
すばやく
油断せず
どっしりと構える
おせっかいはせず
ジャッジも
コントロールもいらない
自分に
一点集中

時間というギフトをいただいた
庭の草を
サマーカットにして
ざくざくざく
本当は五分刈りにしたいけれど
でもすぐまた
伸びてくるから
根詰めない程度にね
ライオンじゃなければいいでしょう
人間や犬の毛なんて
月一カットでいいんだから
かわいいものだわ
カチカチの土が
ふわふわに
なるように
カットした草たちは
土の上にかけて
日よけをしてあげましょう
草も栄養になるから
敵みたいに引っこ抜かなくていい
くすりなんて
もってのほか
それから
おいしいクロワッサンを買いに行って
ランチにいただき
いい気分
そのまま
のりのりんどう
お片づけも
はじめたけれど
大量の写真や
お手紙を前に
途方に暮れて
日も暮れる
出直します
カラヤン聴いて
詩集を読んで
今日は少しはやく寝ましょう

百合を三本植えました
昨年の秋
百日紅の
苗木と一緒に
さるすべりは
そのときは
もうすっかり枯れ木のよう
つい最近まで
桜が咲いても
紫陽花や
無花果の若葉が
ちょっと顔をのぞかせても
まわりの草は
勢いよく
にょきにょきしても
枯れ木も枯れ木
かさかさのお肌
本当に根付かずに
枯れてしまったのかと
百合の球根も
一緒にしんみり
してしまったのかと
思ったけれど
春は
われわれを
見捨ててはいなかった
ひゃくひゃくつながりの
百合シスターズにも
百日紅にも
ぴちぴちの
若葉が
出てきました
その後の成長は
目を見張るものがあり
もうすっかりしっかり
一安心
たえなばたえねじゃなくってよ
だって
あなたたちは
みちびき犬の
いのちを
つないだ
存在なのだから
いつまでも
ながらへて
ああ
ながらへて
ながらへて
フォゲットミーノット
じゃないんだね
そうよ
直球じゃなくて
変化球なの


