Ψ(さい)のつづり -29ページ目
ねえ
あなたは
どうして
そんなに
人氣者なのでしょう
歴史は
誰かを
悪者にしたり
聖者にまつりあげたり
それほどでなくても
善人にしてみたり
するけれど
あなたは
どちらかというと
悪者寄りの評価を得ていて
日本人で
あなたの名を知らぬ人は
いないでしょう
あなたが
そばにいたら
きっとこわいし
あなたが
上司だったら
いいえ
家族だったとしても
安心して
生きられないかもしれない
あなた自身は
多分
善でもなければ
悪でもない
ただ
自分の
軸が
揺るがない人
当時の善悪にも
何にも
とらわれることがない
自由な人
そして否応なしに
まわりを
巻き込む人
自分のやったことと
その結果を
恥じることも
悔いることもない代わり
ことさら
自慢におもうことも
なかったのでしょう
そんな
あなたに
人は
たまらなく
惹きつけられる
みんな
まよいにまよって
ぶれぶれで
大きなことも
まだ
為していないから
いまだに
あなたは
映画にも
漫画にも
もちろん
ゲームにも
普通に登場する
何の
説明もいらない
誰が
描いても
誰が
演じていても
一目で
あなただとわかる
会ったこともないのに
あなたの
オーラが
セットされたかのように
異彩を放ち
目が離せなくなるから
あなたのような
個性のひかりを
みんなが放つ
時代になってきたけれど
まだまだ
みんなのひかりは
弱いから
お手本のような
あなたに
あやかりたい
新時代なら
おわりは
謀反とか
ではなく
新時代
仕様の
美しさになるでしょう

さつま揚げ
ホンモノは
てまひまかかるし
さかなも大量に
いるけれど
ふわふわで
魚臭くない
そこら辺のは
結着剤で
くっついていて
魚じゃないよ
と胸をはる
干物だって
工場で乾かすのと
天日干しじゃあ
味が違う
ホンモノが
生き残って
ニセモノは
駆逐される
そんな
世界に
なればいい

シリウスと
太陽が
手を
取り合って
地平線から
姿を
あらわす瞬間を
見逃してしまった
ヴァンパイアじゃないのに
夢の中
久しぶりに
よく眠れた日が
よりによって
今日だなんて
洗濯物を
干したまま出かけたら
急にかみなりさまが
いらっしゃり
叱られ
叱られ
叱られた
寝過ごして
ごめんなさい
ドゥ
明日
ベスト

キッチンは
きちんと
おそうじ
自分の中の
チキンも
きちんと
おそうじ
正解を
ついつい
求めるクセも
さようならして
何かをやろうとすると
いつも
不安になって
眠れなくなることも
ほの暗い想像でしかないと
わかっているのだから
やっぱり今のままが
一番いいんじゃないの
十分でしょ
という囁きとともに
全部全部
もえるごみと一緒に
燃やしてしまおう
分かれ道を右か左かっていう
もともとある道じゃ
だれかがたどった道
新しい道は
勇氣をもって
一歩踏み出したときに
わたしにぴったりの
色やかたち
景色とともに
用意されているのだから
わたしが
パイオニア

庭に出て
かなへびが
逃げていったと
思ったら
目が合う
つぶらな瞳で
塀の向こうから
目だけを出して
そっと
のぞいていた
まるで
いたずらっ子みたいに
つぶらな瞳とは
あなたのような眼のことを
言うんだろう
あまりに
ほほえましくて
いい子だねと
言ったら
結局は
かくれてしまったけれど
しばらくしたら
また戻ってきて
くれるでしょう
だって
うちに
住んでくれているんでしょ
ありがとう
好きよ


