烏は
なぜか
人に
嫌われている
ゴミを荒らすからかな
ゴミは
厳重に
ネットやカゴで
おおわれることになる
声が大きいからかな
たしかに
ウグイスよりも
大音量
声もしわがれていて
良く響く
でも
よく聞いてみれば
烏の鳴き方は
千差万別
よくあるカーカーや
あほーあほーもあるけれど
きみは一番平和で控えめ
きみは
あわあわあわ
と鳴く
それは
ゆっくり
はっきりの
あわ
あわで
決して
泡食ったあわでもなければ
慌てているあわでもない
きみ以外のだれも
きみのようには
話さない
だから
烏の見分けがつかない
わたしにも
きみが来たことが
すぐにわかるんだ
きみは
はっきり
あわあわと
きちんと鳴いて
今日も
居場所を
教えてくれる
今日も
明日も
あさっても
いついつまでも
きみの世界は
平和で
あるように
断崖絶壁の
上を渡る
縦横斜めが
交錯していて
感覚がおかしくなりそうだ
普通に
迷い込んだら
遭難しそうで
それでいて
家もあり
街も遠くない
不思議な場所だ
わたしたちは
この
崖で
守られている
何百年間も
大切に
管理されてきた森が
わたしたちを守っている
鳥たちも
守られている
強風の
ただ中に
立つ
ただひとりで
この風が
いろんなノイズも
自分が放つ雑念も
飛ばして
くれる
野蒜の皮を
剥いていくように
一枚
一枚
自分の
不要な
皮を脱いで
わたしの中に
降りていく
わたしはどこにいる
わたしはどこへ行く
何をして
何を糧にするのか
わたしと
わたしだけの
約束
わたしはちゃんと
果たせているのかな
わたしは
この道で
いいのかな
誰かに
合っているよ
と言ってもらわないと
心配なのは
甘ったれて
いるってこと
わたしのことを
だれかに
委ねることはできない
ことなんて
知っているくせに
わたしは
もっと
みえる
メガネがほしい
近いものから
遠くのものまで
世界の果てまでも
見渡せる
そんな
メガネを
つくりにいこう
そして
メガネ越しに
たくさんのものを
みたい
知りたい
学びたい
そして
新たな何かを
うみだしたい




