気づけば節分。
来年のことを言うと鬼が笑うとかいいつつ、もう、鬼も逃げてゆきました。
豆好きとしては、節分シーズンに売っている「福豆」のあのソフトさが好き。
小さい頃、実家の母が作ってくれた豆まき用の「豆」は、大豆をフライパンで炒っただけで、固くて美味しくないし・・・・。
「福豆」、きっと、大量に破棄されているんだろうなぁ。
さて、旅の続き。
11月23日
ブダペストから郊外列車でセンテンドレへ。
一日でぐるりと回れる小さな街。でも、美術館やギャラリー、アーティストが集まりおもしろい街だそうだ。それに、センテンドレの駅からは野外民家園(古民家や教会を移築した野外博物館)へも近いという。
まずは、野外民家園にいって、その後、ギャラリーを覗こうか・・・・・
バッチャニ駅から郊外列車に乗ると、10分ほどでのどかな風景。これが首都?というくらい。おまけに、昨日からの雪で、景色は白銀!とまではいかないものの、白く彩られている。

毎年観光客が100万人とはいえ、冬場はさすがに駅もさびしい・・・・・。
バス停のおばちゃんに「野外民家園」をハンガリー語で書いた紙を見せて切符を買い、時間とバス停の場所を教えてもらう。
雪がちらつく中30分ほど待ち、それらしきバスに乗り込み、運転手に同様に紙を見せると何やら言っている。
どうも今はやっていない、ということのようで、言葉が通じないので運転手たちがあつまる事務所へ連れて行かれることに。
小さな事務所に入ると、でっかいおじさんが5人ほど。
そのうちの一人が少し英語が話せるようで、私に説明してくれる。
「冬の間は閉まってるから、むりだよ」
と。
雪の中バスを待った私の時間を返して・・・と冷え切った体で訴えることもできず、
「え~、そうなのぉ!!!!!!!」
と少しオーバーアクションして同情レベルを上げ、再び切符売り場のおばちゃんの所へ。
指でバッテンを出しただけで事情がわかったらしく、何も言わずに払い戻してくれました。
しょうがないので、ひとりブツブツ言いながら、教会やギャラリーが立ち並ぶという中央広場を目指して雪の中をトボトボと歩くことに。
100万人の観光客・・・・・・・
中央広場にたどり着くまでに出会った観光客は、ゼロ。
さすが、冬のヨーロッパです。

路地に迷い込むと、川が。土手に植わった植物は雪まみれ。


丘のてっぺんにあるプレーバーニア教会は雪の静けさに凛と建っています。
こちらはこの街唯一のカトリック教会。中では日曜ミサの真っ最中。
受付のおばちゃんが満面の笑顔で扉を開けてくれたので
「自分、観光客ではないっす」みたいな感じで膝をついて十字を切り、神妙にミサに参加してしまいました。
参加者は地元の人15名ほどで、人の熱気もないせいでさらに冷えてしまいました。

中央広場の近くには、セルビア正教のブラゴヴェシュテンスカ教会が。
中には聖画が描かれているものの、痛みが激しく「100万人も観光客がくるなら、なんとかならんのかぁ」とよけいな心配をしてしまう。

横殴りの吹雪になってきたので、寒さと空腹を満たすべく、目に付いたレストランへ。
値段やメニューを気にしていては、冬のヨーロッパは厳しい。冬季休業中ばかりだと、空腹で歩き続けるしかないのだから。
中央広場に面したレストランはランチセットもあり一安心。
スープ、メインは鶏肉のプロバンス風グリル、デザートはクレープ。
スープで体が温まったころに、帽子もメガネも真っ白にしたおじさんが入ってきた。
「何か食べるものあるか?」
と。
(っていうか、レストランって看板出てるし、営業時間内だし)
席へ着くなり
「ここの街は、なんていうんだ?・」
と。
(っていうか、おじさん、何しにきてるん)
そして「冬はいつもこんなに寒いのか?」と言いつつ最初にオーダーしたのは
「とりあえず、コカ・コーラ」
ぜったい、アメリカ人でしょ?!
寒さにまけじと、町の中を歩き回ったけど、ギャラリーも美術館も見ず、教会めぐりとなったセンテンドレでした。