サンティアゴから夜行バスで、パタゴニアの玄関口・プエルトモンへと南下する。

レロンカビ湾に面した港町・プエルトモン。湾を挟んで万年雪をいただくアンデスの山々が見える。
チリは南北に長い国だ。その長さは4329km。移動するにも時間がかかる。
夕方、サンティアゴをバスで出発。
バスターミナルにはクリスマスを家族と過ごすために帰省するのか、大きなプレゼントを抱えた人が行き交っている。今年はもれなくロンリークリスマスとなる。そしてクリスマスで全国浮かれポンチ列島となる日本と違うのが、町は静かにひっそりとしなってしまうところ。
教会でミサに出て、家で家族と過ごすというのが定番のようだ。
ということは頭では分かっているけれど、寝るにも食べるにもサービス産業に頼らねばならない旅人にとってはちょっとツライ。
とりあえず、イブの夜はバスで移動。
夕焼け空もオレンジ、ぶどう色、赤と目が離せない美しさ。
おまけに広がるブドウ畑に木立からこもれ出る夕日と、えらくキレイな車窓の風景。
翌朝6時過ぎに到着。
すっかり気候が変わっている。
サンティアゴでは「夏!!」という感じで汗をかいていたのに、ココに来ると上着が必要だ。
あまりに早朝すぎて、かつ、クリスマスってことで、どっこも開いてない。
バスターミナルで2時間ほど時間をつぶし、宿へ。
8時過ぎの宿はまだ部屋の用意ができてない。寒いし行くところもないし眠い。とりあえず宿のキッチンで机に顔を突っ伏して寝る。見かねたご主人が急いで部屋を掃除してくれた。
午前中はぐっすり眠り、午後、町を散策。
ここプエルトモンの近くには、独自の文化で多くの教会などが世界遺産になっているチロエ島がある。
このチロエ島へのツアーがあればと思い、旅行会社を回ってみるが予想以上に高額。
金額ほど興味が湧かなかったので、行かないことに。
旅行会社は開いてるけど、多くのレストランは閉まっている。ま、クリスマスなんで仕方がない。
選択肢のなさで地元客が集まるのは、そう、マクドナルド。
私も、仕方がないのでマックへ。
公園のベンチで海を眺めながら食べると、味も少しは違う・・・・気がするけど、やっぱり、それは気のせい。
朝の寒さとは打って変わり、昼間の日差しは強い。
夕食の選択肢のなさにガッカリしながら、ホットドックを食べる。
何でもおいしく食べる私でも、ひさびさに出合った「不味い」ホットドックだった。
パンはバサバサ、ソーセージもパサパサ。マヨネーズとケチャップの味さえボケボケ。
ま、従業員もクリスマスでも働いているんだから、手も抜きたくなるのだろう。
26日は通常営業!プエルトモン名物のシーフードを食べにアンヘルモと呼ばれる市場へ。
日本人旅行者が教えたのか、ウニを頼むと醤油もついてきた。
ここでの名物は「クラント」と呼ばれるムール貝やハマグリ、ソーセージにジャガイモなどを煮込んだ料理。すんごい量で出てきた。
1人大食い選手権 in プエルトモン だ。
とりあえず「1人なので、半分にして欲しい」と言っても「それは無理」と困った顔をされただけ。
仕方がないので、ウニもクラントも半分以上残してしまう。
もったいないけど・・・・・・・。
腹ごなしに、午後の予定を考えつつ散歩。
そうそう。ここから2時間ほどバスで北へ行ったところプエルト・オクタイから富士山が見えると聞いていたので行くことに。

チリ富士ならぬオソルノ山(2661m)。周囲の雪山もきれいに見える。

結局、プエルトオクタイに行くバスは本数が少ないので、手前の町・フルティージャまで行くことにする。フルティージャにはドイツ系の移民が多かったらしく、街並みや家並もそれらしい、ということだが、ドイツに行った事がないので「ふーん」とイメージを膨らませてみる。

高原の避暑地・別荘地という感じだ。
湖畔にはコンサートホールもありハイソな雰囲気。

雪山をみながら泳ぐ人々。たしかに日差しは暖かいけど、日本人の体感温度としては、泳げません。

さて、これから移動移動です。