同じキャンプサイトに泊まっている人たちと、レンタカーに乗って島めぐりへ出かける。

チリ本土から3700キロ。タヒチから4000キロ。
さびしい島、絶海の孤島。そんなイメージを抱く数字だけど、気候も人もあったかい。
島巡りのはじめは、小高い丘の上にある火口湖オロンゴへ。
土手を隔てて、すぐ海。

湖面に反射する朝日で、虹が浮かび上がる。
この火口湖には葦がしげり、他地域と隔離されているため植生も独自だという。
火口湖周辺は国立公園になっていて、公園の中には儀式が行われた跡をしのばせる鳥人のレリーフが岩に刻まれている。

このぽつんと浮かぶ小島は、かつて宗教・政治儀式で大切なポイントであったとのこと。
島の断崖から海に飛び込み、この島めがけて泳ぐ。そして、島にあるグンカン鳥の卵を最初に持ち帰った若者が「鳥人」と呼ばれ、1年間島を治めることができるという、言ってみればレースのようなものか。
このレースに敗れた若者は、島で飢え死にする運命だったというから、過酷このうえない。
一回くらい負けたって・・・・・。と思うけれど、昔は名誉も命も同じ重さだったのだろう。

鮮やかな花の色は、暖かい気候のせいだろうか。

どんよりと曇ってきた。霧が目の前を白く霞め、あっという間に霧雨が。早足で出口に向かううちに、本降りに。
びしょぬれモアイに会いに行くまえに、予習を兼ねて博物館で天気待ちといこう。