
トエナ君4歳
隣のロスリン宅の末っ子トエナ君。
かなりのアホ。
お姉ちゃんのリンパに「このバナナの皮捨ててきて」と頼んだくせに「ドアの鍵閉めちゃえ~~」と意地悪をする。
ズボンのゴムがユルユルで半分お尻が出ているのに「おまえなんか、ぶっ殺してやるんだから」と悪態をつく。
とにかくいつもわがままで、愛想笑いも安売りしない。なかなかダンディーな4歳児である。
が、いつものように朝7時からうちにやってくると、コアラのぬいぐるみを抱いている。
この島の言葉を勉強するために4歳児を相手にしている私が、習ったばかりのフレーズを練習する。
「それ、何?(サー ピア?)」
すると「ビーチ・ベアー」だと言う。海岸の熊。「???」
ぬいぐるみを見ると、鼻の形からしてコアラに間違いない。ちなみにメイドイン豪州。
トエナの脳みその中では、新たな生物が生み出されている。
こやつはあほの神様が降臨しているのである。
後日、ぬいぐるみを持っていなかったので「ビーチ・ベアーはどこに行った?」と聞いてみると
アホ神様のトエナ大明神は「森へ逃げた」と仰せられた。
さすが、神様である。
私は、このアホ神様のファンになってしまった。