我が名はチュホン。
漢と言われる主と共に
幾つもの戦を地獄をみて参った。
が、、、某も歳を取り
主の戦、否、この世を護る為に
お供をすることは叶わぬように
なってしまったのだ。
悔しいが若い雄をお供に主は
戦へとで向いて行ってしまった。
まだまだ負ける気がしないがな。。。
されど、奥方や童を護るも一挙
主！屋敷は任せろ。
自由自在に屋敷内を闊歩し
不審者がないか目を光らせる
日々が続いたある日
一頭の雌にチュホンの心が
動いた。
どこから舞い込んだのか
はたまた客人のお供か
チュホンは遠巻きに眺めていた。
ですから私はチェ護軍と添い遂げ
すでに十年が過ぎます。
お話は理解できますが
養子はもらうつもりはございません
長男、次男と跡取りは二人も
おりますから、私達が歳を重ね
チェ家を守る事が出来なくなったとして
も、二人力を合わせチェ家を
維持して行くと信じております
落ち着きはらってはいたが
内心は怒りと一抹の不安が混じる
そんなウンスであった。
ですが奥方殿、まだまだ
嫡男も次男も幼子故
儂の末っ子ならば文武両道
いざと言う折りには
瞬時にお役にたつと思いますがな
悪い話ではあるまい？
故にチェ家と我がキ家が手を組めば
何人も手出しは出来まい？？
なるほど、そのような事を
企んでいるのですね・・・
失礼ながら浅はかなお考えと
私は思いますが・・・旦那様にも
相談してみますので
今日の所はお引き取り下さいませ。
人の言葉が理解出来るなら
な、なんとあさましやと
チュホンは思ったに
違いない。何を思ったのか
チュホンは前肢を高く上げ
威嚇をし、ヒヒ～ンと
嘶き今にも客間に乗り込み
そうな勢いであった。
あら、失礼しますよ
我が家の大事な家族が怒っている
ようですから。
ウンスはそう呟くと客間の障子戸を
開け、チュホンの様子を覗くと
驚く事に客人のお供かはたまた
迷い牝馬か・・・互いに威嚇しあって
いたのだ。
高く上がる互いの前肢
怒りか、はたまた違う意味合いか
止めようとはしない。
あちらは貴方の相棒かしら？
旦那様の愛馬に殺られますわ
早くお帰りにならなきゃ
いけませんわよ、うふふ。
ウンスはチュホンの様子を伺うと
勝ち誇ったように嫌みたっぷりで
客人に帰宅を促すのである。が、
ふと外に目をやると・・・。
いつの間に心が通じあったのか
互いに鼻を擦り合わせ
離れ難い雰囲気を醸し出している。
あら？いつの間に？
うふふ、チュホンが恋に
落ちたのかしら？
キ様、ご覧になられて下さいませ
なんだかとってもいい雰囲気
なんですけど。
あん？失礼しますよ・・・
ガハハハッ・・・
真にそのようですな
これでは養子縁組みはシオンと
こちらの愛馬でございますな
ガハハハッ、愉快、愉快。
何やら勢いを削がれましたゆえ
儂はお暇いたしましょう
そう呟くとキ家主は
そそくさとウンスに背を向け
帰って行った。
なんだか拍子抜けって感じかな
あれ？・・・。
ウンスが
三たび外に瞳を向けると
ヨンの愛馬と残された牝馬
仲睦まじく散策する様子が
伺える。
うふふっ、微笑ましいわね
ヨンが戻ったら腰抜かさないかしら
まだ月日はかかる筈だから
急いで厩舎を新築してあげないと
さぁ、ウンス！ファイティング！
持ち前の行動力でウンスは
叔母を訪ね、事の仔細を
報告し、腕のよい大工を紹介して
もらい、急ピッチで作業が進められ
いよいよ御披露目の日に
倭寇討伐に赴いた愛しい人が
無事に帰還し、肩を並べて
厩舎を眺める事ができたのである。
ヨン？お帰りなさい。
勝手にこんな事してごめんなさい。
いや、奥向きの事はウンスの一存で
決めてよいのだ。気にするでない。
ありがとう、そう言って貰えると
ほっとしたわ。
みんな無事の帰還になったのよね？
あたりまえであろう…俺を誰と思うて
おる？ｸｯｸｯ。
うふふっはい、はい。
大護軍様でした、年越しに
間に合って良かったわ。
新しい年を迎えるんだから
今日はみんなハッピーでいなきゃ
さぁ忙しくなるわよ。
ヨンもお手伝いしてね。
大晦日に帰還した愛しい人
その愛馬もこれまた愛しい馬と
出会い、チェ家は笑いに包まれた
新年を迎えたに違いない。
皆様新年明けまして
おめでとうございます。
今年もシンイで年越しを
開催することが出来ました。
ひとえに読者様、書き手様が
婆さんの拙いブログに、出向いて
下さったおかげと日々感謝して
おります。
今年も宜しくお願い申し上げます。
イベントに参加下さる書き手様です
どなた様もトップページに
飛べるようにしてありますので
宜しくお願い申し上げます。
Pandoria3様
titose-16様
りま様
霞様
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ビビ様
くぅ様
15後にもう一話あがります。
でんべ。