家政婦ウンス | シンイ二次小説でんべのブログ

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家政婦ウンス


私は貧しい家庭に育ち
夢も希望も持ち合わせては
いない。
ただただ生きる為に
街一番の権力者の豪邸に家政婦と
して生活している。
旦那様はとっても優しい方
いつも厨房の陰でご飯を食べる私に
「もっと栄養を取らないと」っと
あまり物の惣菜を持ってきて
下さる・・・。とっても
とってもすてきなおじい様。
でも奥様はいつも私に意地悪を
してくる…。今日も今日と
丹精込めて作った夕食を
味が薄いだの、髪の毛が入って
いるだの意地悪を繰り返す。
私は肩までのセミロングヘアーだけど
椀ものに入っていた毛は白髪混じり
の短い毛…
なんだかな~って思いながら
謝り、心で泣いている。
明日で二十歳になるが
祝ってくれる両親や兄弟もいない
そ、私は幼い頃両親に捨てられ
施設で十五まで育ち生きる為に
「住み込み家政婦募集」の
張り紙をたまたま見つけ
飛び込み早五年になる。

あっ、お二人には私より
四つ年下の息子さんがいらっしゃる
今は高校生なんだ…凄いイケメン
なんだけど、両親にも心を閉ざし
その瞳に輝きは見られないの。
頭脳明晰容姿端麗文句の付けようが
男だけど、私には何が不満なのか
全く分からないんだ。

私の部屋として与えられた部屋は
階段下の物置・・・でも
野宿することを考えたら
ずっといい環境なんだ。
雨、風は防げるし、冬は暖かいし
夏は涼しいもの。うふふ。

たくさんお金を、貯めて
自立するのが今の所の目標かな。

「だからね!あなた!
わたくしには、この薄い味は
合わないのよ!何度言ったら
わかるのかしら!全く!
これだから学のない子を雇いたく
なかったのに、主人が勝手に
決めたんだからもう!!」

「お言葉ですが奥様?
旦那様が塩分や糖分を控えて
いらっしゃいますから
これがベストの味付けになるのでは
ないでしょうか?」

「なによ!口応えするの!
それなら、分けて作れば済む話
なんじゃないの?
今から作り直して頂戴!」

「・・・」

「おい?やめないか。
ウンスちゃんはいつも暗いうちから
起き出して俺たちのご飯支度と
掃除、洗濯をしてくれているんだ。
一日中動きづめなんだぞ。
お前はそれを知ってるのか」

「あら、あなたまでわたくしには
歯向かうつもり?養子の分際で」

「またそれを言う」

「だって事実でしょうが。
今のあなたがあるのは
わたくしのお父様
会社を一代で築き上げた努力のお陰
でしょうが、壻に入り跡を継いだ
だけじゃない?違う?
反論ある?」

「・・・母さん・・・
止めて下さい。その話は
聴きたくありません」

「あらら、ヨンまでわたくしに
反抗するの?どうせ貴方も
わたくしには他人。
貴方のお父さんがよそに
生ませた子よ。ご不満なら
いつでも二人で出て言って
構わないのよ。ふんっ!」

えっ?他所に生ませた子?
それは初耳なんだけど・・・
そっか…だからイケメンは
暗いのか?、同じ境遇だったんだ
いや、いや、御曹司には変わり
ないし…私には無縁な事・・・。
あぁ~しょんぼり肩を落として
立ち上がったじゃない。
今日は学校も行かないんだろうな
お気の毒に…でも奥様の意地悪は
家族に対してもあるんだ・・・
いつもキャパがいっぱいで
耳に入らなかっただけなんだ
どうするんだろう?この親子は。

「父さん?…家をでませんか?
ぼくが高校を辞め働きますから
生活が楽になれば定時制でも
通信教育でも受けて高校と
大学は必ず卒業しますから
お願いです!父さん…
ぼく・・・こんな生活耐えれ
そうにありません」

ぼろぼろと涙を流し
懸命に父親に向かい訴える息子の
姿に、父親の出した答えは・・・。

「ヨン?一文無しになるんだぞ。
狭い部屋で暮らす事に
なるんだぞ、それでも構わない
のか?」

「はい!実の母さんを呼び
親子とこの姉さんと
四人で暮らしたいんです」

ヨンの実母はウンスの前任者
であり通いの家政婦さんだったが
旦那様と契りを交わし
お腹にヨンを宿した事により
気位の高い奥様の激に触れた。
離婚をと申し出た二人の要求には
応じず、「跡継ぎを生んだなら
貴女の事は一生面倒みるが
もし、女の子なら連れて出て
行ってもらう」と・・・。
無事にヨンを生みはしたが
「ご苦労様、はいこれ」と
目を見張る札束を渡され
産後間もない母親はお役後免と
ばかりに家を叩きだされていたのだ。

「えっ?私?
いや、私は無理ですよ。
彼女でもないですし・・・」

「いや、ウンスさんが
住み込んでから僕はずっと見て
来ましたから貴女の頑張りを
母から嫌がらせにも耐えて
いつも美味しいご飯をありがとう。
戻る家もないんでしょう?
一から始めて見ませんか?。
ウンスさんの人生を」

「私の人生?・・・」

低い声が心に染み入るウンスで
あった。

人生か・・・。
生き延びる為に
心を無にし、感情を
表に出さず必死で働いてきた私
友達も身内も居ない人生
一人ぼっちの人生…。
悲しすぎる・・・。

ふとそんな事を思うと
泣けてくる。
頬を伝う涙を両手で隠し
ウンスは肩を揺らす。

ヨンは食卓の端で立つウンスの元へ
歩み寄ると皆に見えない様に
その懐深く抱きしめ背中を擦る。

「年下ですが、俺とも
一から始めて頂きたい。
きっと、明るい未来が見えて
くると信じています。
親子四人、ウンスさんは
未来のお嫁さんですから…
貧しくても
痛みをわけあい、生きて
いきませんか??」

その問いに応える様にウンスは
頷く。

翌日父親とヨンとウンスは
行動を起こす。
住宅探しから始めた。
運よく家賃が手頃で広めのアパートが
直ぐに見つかり、父親は退職届けを
会長に提出し、無事に離婚が
成立する。
夕方から引っ越し作業が始まるが
もちろん、無一文からの再出発
持ち出す家具などもなに一つない。

がらんとした空間に各々が
着替えだけを持ち、いちから
始まる生活。

「ヨン、私の大事な息子。
大きくなって・・・。
貴方もお元気そうで・・・」

ヨンの実母も連絡を受けて
地方から駆けつけてくれた。

「荷物も直に到着しますから。
あっ、貴女がウンスさん??
ヨンから聴いていますよ。
これからは私が貴女の親になる
から、一人で悩まず何でも
言ってくださいね」

「よ、よろしくお願いします」

「母さん、会いたかった」

ウンスの上ずる声とは
裏腹に、ヨンは満面の笑みを浮かべ
母親とハグをする。
 
これから辛いことも悲しいことも
たくさんあるのかも知れないが
親子で力を合わせ乗り越えるに
違いないとウンスは思うので
あった。

「あっ…私の誕生日過ぎちゃった」

ふと時計を見ると深夜24時を
回っている。

「そうなのか、知らない事とは
いえ、祝ってやれずごめん。
来年は盛大にやりましょう」

「はい!そう言って頂いて
これからの励みになります。
ありがとうございます」

ペコリと頭を下げる愛らしい姿に
みなが笑みを浮かべ笑っている。
何もないこの部屋に
ひとつまたひとつと家財道具を
揃え、すべてが揃う頃には
貧しいながらもイキイキと
笑顔の絶えない家族となって
いることと誰もが思うのであった。
すでに、年は明けてしまったが
明るい日差しが差し込む
新年に相応しい明日が見える
ようであった。


・・・・・

皆様新年明けまして
おめでとうございます。
今年も宜しくお願い申し上げます。

この後7時にもう一話あがります
のでそちらもお付き合いくださいませ


シンイ年越しイベントの開幕です。

ご参加頂きました皆様の
トップページのURLを貼らせて
頂きます。

順不動

pandoria3様
ここから 


ともち様
titose-16様
 


どちら様もトップページに
飛びますのできっとイベントお話が
上がってると思います。
うまく飛びますように。ニコニコ








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