「簪物語」6
チェヨンは王宮の外に出てスリバンという情報屋へ向かう。「マンボ・・調べてほしいことがある」「なんだい」いきなりやってきて。ごあいさつだねと言われた。いそがなくてはならない。イセンが勝手に動き出す前に。今はチャン侍医のもと脈のとりかたを習っている。ホン家という家について知っていることはないか?マンボの姐や私淑なら知っていることがあるだろうと読んだ。「いろいろ・・噂はあるけど」クッパは食べないのか?とりあえず腹におさめることにした。角の席に腰をおろす。「それで?」今は客はいない。そうだね。まず・・情報料は?払う。交渉はこうしてはじまる。どんと金の袋をそこに置いてやる。「いいことはきかない。父親は娘を甘やかし好き勝手させている。ほれ・・あのお嬢ちゃんはたしか・・おまえのとこにもきたよ」「なんのために?」意味不明だという顔をする。縁談という。ごふっと吹きだす。「ごほ・ごほん・ああ・・へんなとこ入った」そんな話はしらんぞと睨む。「チェ尚宮なら知っているはずさ」まぁ・・話はにぎりつぶしたんだろうね。ウダルチ隊長は忙しいからとからから笑う。「そんなことはいい」額に片手を当ててうなる。その娘は花の簪をしていたか?「まぁ・・簪にかぎらず・・じゃらじゃらといろいろつけていたけど」そうか・・それだけでは証拠にならないか。さてどうするかな?ヨンは考え始める。腕を組み目を閉じる。