それは偶然の出来事だった。彼から今夜は帰れないと連絡が届くので一人で買い物でもして帰ろうと思った。
雨が降り出すので傘をさして横断歩道にさしかかる。
そこにいるはずのない人が私の目の前を走り抜けていった。闇が支配する時間となっている。
あの人はいま仕事中のはず・・それがどうしてここにいるのか。
「まて・・とまりなさい」
二人組の警察官だった。警察とはつねに二人で行動をとると聞いたことがあった。
でも・・彼は公安のはず・・なぜ・・警察に追われているのか。
「まさか」
彼を知らない?だとしたら・・。
すれ違いになったあの瞬間彼は・・冷徹な公安の顔をしていた。
関わるなと。他人のふりをしろということ。
チェヨンの視点より。
俺は民家の軒下に身を潜めて一軒のビルを眺めていた。とある事件の捜査中。ウンスには何も伝えてはいない。連絡だけはしておいたが大人しくしているだろうか?ふと心配になり空を見上げてみる。