シンイ年越しイベント | シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説を書いています


『テクニシャン』

「ふふんっ!」

ウンスはご機嫌斜めのようである。
事の発端はヨンの縁談話である
王妃様の診察帰りに、女官同士で
立ち話をしていたのが耳に
届いたのである。
ウンスが四年の月日を掛け
やっと戻り典医寺へ出仕した
当日の出来事であり
まだ婚儀もすませてない。

「俺はウンスを娶るつもり
なのだ。そう怒るでない」

「だってムカつくじゃない
あの女官の人達、私がヨンと
そう言う仲だって知ってて
べらべらと教えてくれたわ。
貴方を虎視眈々と狙う女官は
山程いるってね。
で、今回の縁談相手は
重臣のキムチさん?違う違う
キムさんの孫らしくて
容姿端麗でお金持ちで凄い
おしとやかで大護軍にぴったり
なんだって!でもその女官も
「私も側室で良いからって
貴方を狙うらしいわ!」

少し肌寒くなった晩秋に戻り
王様のお許しがでて、典医寺へ
医仙として出仕したのが
年末近くでありともにチュホンに
跨がり戻ってきたばかりで
ウンスは相当激昂していた。

「俺の預かり知らぬ事故
ウンスも落ち着かぬか
腹が減っておるのであろう…
すまぬが飯の支度を」

廊下隅に控える老婆にヨンは
声を掛ける。
屋敷の管理を頼んでいた
住み込みの使用人であり
若い頃からチェ家に奉公にあがり
ヨンの両親が頼りにしていた
人物なのだ。

「若…、湯をお使いくださいませ。
支度が整えてございます」

「そうかすまぬな」

使用人の問いにヨンは
ウンスをひょいと肩に担ぐと
湯殿へと闊歩する。

『今宵も長湯になりそうだね』

老婆がニヤリと笑みを浮かべると
そそくさと厨房へ消えて行く。

「俺がウンスにどれだけ
想いを馳せ待っていたか知って
頂かねばなりませぬ」

荷物担ぎしないでと暴れる
ウンスを大事におろすと
共に湯に浸かる。

「ちょ、ちょっと
悪戯するから嫌!離してよ!
怒ってるんだから!!」

湯殿でも暴れるウンスを
背後からぎゅっと抱きしめ
首筋から唇を這わせ始めるが
衣が邪魔をし、ヨンの行く手を
阻むと力ずくでビリビリと引き裂く。
白い陶器のような滑らかな肌が
露になり男の本能に火が付く。

すべてを知り尽くすには
まだまだ時は足りないヨン。
今宵こそはと、思いの丈を
その唇に込める!

這わせた唇が生き物の様に
動き、いつの間にか
器用にウンスと向かい合わせに
なっていた。

「もう!ヨンってば!♡」

語尾を強めてみても
そこには甘いあま~い吐息が混じり
始める。

「あ♡♡♡うふふっ」

ウンスはヨンの指に唇に翻弄され
天高く上りつめたのであった。

「ふぅ~♡♡♡ヨンは
世界一のテクニシャンなんだから」

『いやいやまだまだ足りぬが』


『俺の人』

「俺には恋慕うお方がおります故
このような事は望みませぬ」

ある勝ち戦で高麗軍は白粉の匂いも
きつい妓生がわんさかいる妓楼へと
繰り出していた。
美丈夫であり、高麗軍指揮官と
してチェ・ヨンは、妓生の中でも
手中に収めようと
躍起になっているのだ。

「でもですね… 妓楼にお越し
くださったんですよ。
やることは決まってますよね?
ご遠慮なさらず、へへっ」

 妓生のいやらしい笑みと手が
ヨンの股関辺りをまさぐり
その気にさせようと躍起になる

「・・・女人に興味はない」

「ですが、貴方様を落とせたなら
箔が付くんです。
奴碑の私達に希望をくださいな。
ねぇ~?ねぇ~…大護軍様・・・」

「失礼する」

しなだれ掛かる妓生を払いのけ
ヨンはすっと立ち上がり
部屋を出る。
そして、隣の部屋で宜しく
遊んでいるチュソクやトルベへと
金子の入った麻袋をポイっと
放り投げ立ち去る。
言っちゃ悪いが鼻に付く白粉の
匂いがまとわりつき直ぐに
湯殿へ向かいたい程だ。
夏場なら通りの河川にその身体を
沈めることも可能だが
初秋の今頃はやや危険である。

妓楼から追いかけてきた
チュンソクがいつの間にか
歩を合わせ横に並ぶ。

「チュンソク?ゆるりとして
おればよかろう」

「いえ、某は常に大護軍の横に
おりますれば・・・おっ!
河川が!大護軍参りましょう」

自ら率先し河川へ脚を踏み入れ
上半身裸になり手巾で身体を
洗いだした。

「・・・」

仕方ないと片頬をあげると
ヨンも河川へその身を投げ出す。
頭まですっぽり浸かり
きつい白粉の匂いをその大きな手で
ごしごしと乱暴に洗いだした。
ふと気配を感じ河川から眼を
出すとウダルチの仲間が皆
衣を纏った姿で河川へ飛び込み
その身体をごしごしと洗い出して
いた。

「お前たち」

「大護軍!水くさいです。
俺たちはみんな家族でしょう?
あの方が戻るまで常にお側に
おります」

チュソクがそう言うと
皆がウンウンと首を縦に振る。

いつ何時も生死を共にする
ウダルチ仲間、皆は知っている
王様から医仙と称された
ユ・ウンスが戻る日を
大護軍は待っているのだと。
いつの間にかその心に入り込み
消し去る事が出来なくなって
しまった事を。
ユ・ウンスが姿を消して
四年の月日が流れ再び国境へ
赴く時、感動の再会が
待っている事は
まだ誰も知らない。



『時の神』

「フォーホッホ」

「出た!!」

「何の様だ!」

奇声を発する笑い声と共に
現れるエロ仙人こと、時の神。
すでに慣れっこなヨンとウンス
今宵も今宵とて湯殿へ姿を見せて
いた。
ウンスを背に囲いヨンは鬼の形相
している。

下衣は濡れ身体のラインが
浮き出るウンスを例え神とて
拝ませる訳にはいかないのだ。

「何の様だと申しておる応えよ」

「少しくらい拝んでもよかろうに」

「一度死んでみるか!」

ヨンと時の神の攻防はいつもこうだ
時の神がウンスを覗き込もうと
身体を右に動かすと
ヨンは左に瞬時に動きそれを阻止
する。不毛の合戦が続くのである。

「ふぅ~・・・そなたの攻防には
降参じゃ、疲れたわい」

そんな事を口にしながらも
ヨンの気配が緩むのを感じ取ると
尽かさずまた頭を左右に動かす。

「その手にのるとお思いか!
甘いぞ、時の神!!」

巷では鬼剣と言われるまでに
知名度を上げた刀は湯殿の扉の向こう
に立て掛けある。
手元にあれば斬り捨てていたかも
知れないが…果たして神に致命的を
与える事ができるかは
定かではないが・・・いや、神は
死ぬ事があるのか?
それも定かではない。

「フォーホッホ。無作法を許せよ
儂の楽しみなんじゃ…
儂がここに参った訳をな知りたい
であろう・・・?フォーホッホ
嫁御にのぅ~・・・ややが
授かったぞ。
ある神から知らせを
受け、知らせてやろうと
思うてのぅ~そなたらは毎夜毎夜
致しておるのに、なかなか
授かる事ができぬゆえ
どうしたものかと、儂も悩んで
いたのじゃ…良かったのぅ
喜べよ」

「うっそ?」

ひっこり顔だしたウンスだったが
ふと思う。

「ちょ、ちょっと待って!
毎夜毎夜って・・・貴方!!
覗いてたの?神様ってそんな
・・・こと、出来る訳?
きゃ~~っ、ヨン?
斬って!こんなエロ仙人
世のためにならないわ」

「相分かった」

ウンスのかなきり声が合図となり
ヨンは鬼剣を手にしようと
湯殿から片足を出したとたん。

「フオーホッホッ。
待てまて、儂は戻るとしよう。
あまり嫁御に無体をするで
ないぞ。大事な身体じゃからのぅ
フォーホッホッ、フォーホッホッ」

奇声とともに時の神は
二人の前からすっと消えた。

「全く!エロ仙人め!
・・・でもヨン?赤ちゃんが
出来たんだって、嬉しい!」

「俺も嬉しく思う。
おなごから嫁にやらぬし
おのこなら剣術を教えようと
思っておる」

「うふふっ気が早いんだから
生まれる前から親ばかなんだから」

そう良いながらもウンスも
嬉しくて仕方がない様子で
あり、笑顔が輝いて見える。
きっと来年の秋には
親子三人、川の字で眠って
いる事になる筈だから。


・・・・・

シンイ年越しイベント
お付き合いありがとうございました。

そして参加下さった書き手の
皆様、本当にありがとうございました

そしてでんべは今後どうしましょう
新作も未定だし、とにかく暫く
お休みします。

何か決まればお知らせしますね。

ポチっとして下されば嬉しいです。




にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村