サザエさんの面白い落ち(125)

 

ハリウッド女優マリリンモンロが大好きなお爺さんがいました。

 

朝日文庫版45巻〔7頁〕・昭和48年

『モナリザの頬笑みの絵の中のモナリザのように、髪を長くした娘さんが、頬笑みとはまるで違う、真っ赤に口紅を塗った口を開けて笑いながら、パーマをした若い青年と肩を組み、お母さんに話しかけています。「ママ!あたしたち二人きりで式をあげるの」と話しかけています。青年はバカ顔をして「ねー」と相槌をしました。結婚式の準備のため、紋付の着物を取り出して、手入れをしていた、太ったお母さんは、娘さんの突然の言い分に唖然としています』

『娘さんと青年は、ニヤニヤしながら、頬をくっつけて、「どっかとおい国のいなかの教会で」と、小さな教会で、鼻の高い牧師さんと3人だけで結婚式を挙げているのを想像して言うと、青年は、相変わらずバカ顔で「ね、」と言いました。お母さんは呆れて口をあんぐりしています』

『肩を組み合った二人に、お母さんは、頭から湯気を立ちあがらせて怒っています。「あんたたちがそんなこというからおじいちゃんまでが」と言っています』

『○○○○』

 

おじいちゃんは、何と言ったのでしょう?

蒲団に寝たきりになっても、可笑しなことを言う爺さんだと笑ってしまいました。

 

1昨日、サザエさんのお父さんは、マリリンモンロのような仕草をした、とんでもないお婆さんを見て、ギックリ腰になりました。

お父さんは、映画で見た、美しい色っぽいマリリンモンロと余りにも違う、お婆さんが、地下鉄の通風口の上で、スカートをまくり上げて立っているのを見てショックだったのです。

 

サザエさんのお父さんは、映画の中で見た、「地下鉄の通風口の上に立つ、美しい色っぽいマリリンモンロ」に見せられてしまっていたのでしょう。

 

通風口の上に立っていなくても、ハリウッド女優「マリリンモンロ」に見せられていた人達は沢山いたでしょう。

寝たきりになり、そして間もなく、天国に旅立つお爺さんも、多分、色っぽいマリリンモンロさんの虜になっていたようです。

だから、お爺さんは、孫娘達が、

「どっかとおい国のいなかの教会で、あたしたち二人きりで式をあげるの」

と言っているのを耳にして、とんでもないことを言いだしました。

 

『○○○○』は次のようでした。

『お母さんは、訪れたサザエさんに、娘さんのことを話した後、皺だらけで、寝たきりのお爺さんを見せました。寝ているお爺さんは「わしが死んだらハリウッドに埋葬して、マリリンモンロ―のとなりだゾ」と言っているのです。お爺さんの枕元には、体温計、クスリ、便器までおいてあり、すぐにでも、マリリンモンロの傍に行きたい様子です』

 

それほどまでに、ハリウッド女優マリリンモンロに惚れてしまった人達が沢山いた懐かしい昭和の一時期です。

<サザエさんの面白い落ち(123)

お父さん、そんなに怖いものを見たんですか?

朝日文庫版43巻〔47頁〕・昭和47年
『もう相当の齢のお婆さんです。頬には深い2本のシワ、目の横にもシワがあります、その上、口は、梅干しのように小じわが一杯です。しかし、お婆さんは、お金持なのでしょう。洒落た羽根飾りのついた帽子を被り、首には、鳥の羽毛で作られたフカフカの襟巻をし、腕にはハンドバックを掛け、ヒラヒラの全開スカートを着て、更にその上、おばあさんなのに踵の高いハイヒールを履いて、颯爽と街路を歩いています』
『お婆さんは、街路をスタスタと歩いて、地下鉄通風口の上に来ました。丁度、その時サザエさんのお父さんが前方から、何か考えごとをしながら、うつむき加減で歩いてきます』
『お父さんが、地下鉄通風口の直前まで来た時、突然、お婆さんの、ヒラヒラの全開のスカートが、下を通った地下鉄から吹き上られた風に煽られて、お婆さんの下着が丸見えになりました。サザエさんのお父さんは、それを見てしまいました。お父さんは、帽子も飛び上がり、後ろにのけ反ってしまうほど驚きました』
『お父さんは家に帰ってきました、お父さんは、玄関の上がり口に腰を抑えて倒れ込みました。それを見たお母さんとお姉さんが、慌てて駆け寄り、サザエさんが「どうして急にギックリ腰になったのヨ」と体を支え、お母さんは心配そうにお父さんを介抱しています』

お婆さんが地下鉄の通風口の上で、スカートが、上に吹き上がったのを見たサザエさんのお父さんの驚きようは、大変なものです。
上体を大きくのけ反っています。余り大きくのけ反ったためか、帽子も飛びあがって、頭の天辺に髪の毛が一本しかない禿げ頭が露わになっています。
お父さんは、何を見てそんなに驚いたのでしょう。

昔、ご存じのように、アメリカ映画に、マリリンモンロという、色っぽい女優さんがいました。
彼女の主演映画「7年目の浮気」が話題になりました。
その映画の中で、地下鉄通風口の上にいたマリリンモンロのスカートが、下から吹き上がる風に煽られて、パンティも露わになるシーンがありました。
当時評判になり、この映画は見に行きました。
その時の映画のシーンが下の画のようです。
これを見ても、素晴らしい美脚のシーンですね。
良いなと思いますが、驚くことはありません。

ところが、サザエさんのお父さんが見たものは何だったのでしょう。
お父さんも、マリリンモンロの例のシーンは見ていたと思います。
お婆さんのシーンは、これと驚くような違いがあったのでしょう。
何がどう違っていたのか判りませんが、大きく違っていたに相違ありません。
何しろ、ギックリゴシになるほどの違いがあったようです。
想像したくはありません。

このシーンは、サザエさんに,
「どうして急にギックリ腰になったのヨ」
と聞かれても、説明しようもなく、説明もしたくないショッキングなシーンだったでしょう。

マリリンモンロは、綺麗で、魅力的で、美脚で、○○が豊かな美人でした。
サザエさんのお父さんが、目撃したお婆さんとは、ギックリ腰が出てしまうほど、まるで違います。
だから、お父さんは、地下鉄通風口が吹き上げて、女の人のスカートが全開になっても、見なければよかったのです。
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サザエさん―判らない落ち(33)

 

愛は「真剣」にするものです。『深刻』でも『申告』でもありません。決して『申告』ではないでしょう。

 

朝日文庫版43巻〔121頁〕・昭和47年

『父と娘』と題された作品です。

『お下げの娘さんが、机に向かいレターペ-パーに何かを書いています。窓の外の遠くにワカメちゃんが歩いているのが見えます』

『娘さんは、レターペーパ-を手に持ち、机を離れました。そして、お父さんに「お父さんシンコクってどう書くの?」と聞いています』

『娘さんの机の後ろの方にある平机で、所得税の申告書を書いていたお父さんは、娘の方を振り向いて、指で空中に、懸命に申告と書いているようです。娘さんは、お父さんが、空中に書く字を読み取っています』

『娘さんは、自分の机に戻り、レターペーパーに「ハルオ大好きあたし申告に愛してる・・・・・・・・」と書いています』

 

「大好きだから申告に愛してる」

とは何だか妙です。

しかし、娘さんは、確かに

「シンコクってどうかくの?」

と尋ねていますから

丁度、所得税の申告書を書いていたお父さんは、シンコクなら申告だよと空中に指で書いて見せたのですね。

 

娘さんは、レターペーパーに「申告」と書きましたから、お父さんが教えたは正しく伝わっています。

 

でも、申告に愛することはないでしょう。

シンコクは、

申告、深刻、親告、清国、新穀、神国などありますが、この中、「深刻に愛する」と言うのはあるでしょう。

しかし、『深刻』とは、事態が切実で重大であること言いますから、娘さんが、深刻に愛するのは妙です。

 

お父さんは。申告書をかくのに忙しく一生懸命です。

「娘が言ってることが妙だぞ」

と気づかなかったのでしょうか?

娘さんの言う『シンコク』『申告』の教えてしまいました。

 

娘さんも、頭がよくないようです。

ボーイフレンドを、申告に愛しているのですから。

 

私の解釈では、娘さんは、ボーイフレンドを「真剣]に愛しているのでしょう。

だから正しくは、

「お父さんシンケンってどう書くの?」

と、娘さんがお父さんに聞くべきで、そうしたら、お父さんは、暫く申告書のことは脇に置いて、空中に「真剣」と書いて示したでしょう。

 

その字を読み取った娘さんは、レターペーパーに

「大好きだから真剣に愛してる」

と書くでしょう。

 

受取ったボーイフレンドも「深刻」に愛して貰うより、「真剣」に愛して貰った方がハッピーです。

サザエさんの面白い落ち(122)

 

マスオさんは、誇大妄想です。そんなことは考えないことにしましょう。

 

朝日文庫版42巻〔99頁〕・昭和44年

『マスオさんが勤務している会社の事務室です。マスオさんが、机に向かって仕事をしていると、事務室のお姉さんが、書類を持ち、机の前から立ち上がりました。ミニスカートの彼女は、書類を持ち机から離れました。すると、彼女の直ぐ後から、何やら、パンティの様に見える布切れが落ちました。それを見ていたマスオさんは、ギョッとして、ハッとしています』

『それを目撃したマスオさんは、「しらせていいものか・・・・・」と、その布切れが落ちたことを、お姉さんに知らせるべきか否か悩んでいます』

『その時、同じ部屋で仕事をしている同僚が、その布切れを拾い上げ、持ち上げて「キミキミオ、おとしものだぜ」と言っています。マスオさんは、冷や汗を流し、恥ずかしそうに机に向かって仕事をしています』

『お姉さんは、同僚から布切れを受取ると、「アラありがとう」と言いながら、その布切れを椅子の背もたれに取り付けています。その様子をマスオさんがホッと安堵したような表情で見ています』

 

マスオさんは、想像力逞しい、ノーマルな男性の一人でした。

ただ思い違いしただけのようです

 

私も、仕事場の椅子が並んだ職場にいたことがあります。

確かに、各椅子の背もたれにカバーが掛けられ、女の子が時折、クリーニングしたカバーと取り替えていました。

そのカバーの一片が、マスオさんには何に見えていたのでしょう。

 

察するに、マスオさんには、ミニスカートのお姉さんが立ちあがり、パラリと落とした背もたれカバーの一片は、ご婦人のパンティに見えたのでしょう。

 

そんな筈はないのに、マスオさんは、お姉さんが、パンティを落としたのを目撃したと、一人で恥ずかしがっている、妙な男性でした。

 

その証拠に、同僚は、その布切れを「落ちたよ」とお姉さんに知らせ、お姉さんは「ありがとう」と受取り、その布入れのカバーを椅子の背もたれの取り付ける正常な行動をしています。

マスオさんのように、顔を赤らめる行動は何もありません。

 

マスオさんが、顔を赤らめるような、何事でもなかったのです。

 

想像力の豊かさも、ここまでくれば、異常な助平と言うのでしょうか?

しかし、マスオさんを責められません。

お姉さんが落とした布切れ、同僚が摘まみあげた布切れは、どう見ても、ご婦人のパンティに見えるように描いてあります。

サザエさん―判らない落ち(32)


赤ちゃんのオムツは、ママのパンティより小さいはず。

 

朝日文庫版39巻〔4頁〕・昭和44年

『うだる』と題された作品っです。

『ワカメちゃんの近所の家です。部屋の中で、枕元に、哺乳瓶とガラガラを置いて、肌着にオシメをした、生まれて数カ月の赤ちゃんと。ワンピースを着た、たっぷりの脂肪のついた太ったママとが汗を流して寝ています』

赤ちゃんが、大きな声で泣きだしました。ママが、目を覚まし、上体を起こし、赤ちゃんを見ています。赤ちゃんの枕元には、哺乳瓶、ガラガラ、クリアバーなしハンガーが置いてあります』

『上体を起こしたママが、赤ちゃんの方を見て「あ、オシメ・・・・・」と言っています。赤ちゃんは、大きな口を開けたまま、ねむっています』

『その家にやってきたワカメちゃんが、開いたままの窓から部屋の中を見ると、脂肪太りのママは、横向きに横たわり眠っています。赤ちゃんの枕元には、哺乳瓶、ガラガラが置いてあり、そのほかに、オシメをかけた、クリアバーなしハンガーが置いてあります』

 

落ちの可笑しさが、判りません。

ママの動きを想像してみます。

 

大変、蒸し暑い夏の日でした。

太っているためか、夏の暑い日には、直ぐにうだるのです。、赤ちゃんに,哺乳瓶でミルクを飲ませ、ガラガラであやして、やっと寝かせました。

その後、自分も眠くなり、横になると直ぐに眠ってしまいました。

 

どれくらい寝ていたのでしょう。

突然、赤ちゃんが大きな声で泣きだし、起こされました。

赤ちゃんの方を見ると、オシメが置いてありません。

オシッコはしていない。

今度泣いたら、取り替えなくちゃあ、取り替えのオシメを準備しておかなくちゃ。

オシメあったかなァー。

 

オシメのスペアがないんです。

仕方ない!私のパンティをオムツ代わりにしようと、クリアバーなしハンガーにかけて準備していただけです。

別に可笑しいことをしたわけではありません。

 

ということでしょうか?

どうしても、この作品では、落ちの可笑しさが理解できません。

 

ハンガーにかけられたオムツを、赤ちゃんが履いているオムツと比べると、どうしても大きく見えるのです。

ママは、自分のパンティを間違えて、あるいは、オムツのスペアが無かったので止むをえず自分のパンティをオムツ代わりに準備していたのかもしれません。

 

それにしても落ちが可笑しくありません

 

それとも単に、ハンガ-にかけてあるオシメと、赤ちゃんがオシメをして寝ている姿が似ていると言うのが、可笑しいと言うのでしょうか?

どうしても落ちが判りません。

 

興味ある方は、朝日文庫版39巻〔4頁〕・昭和44年をご覧ください。

 

サザエさんの悲しい落ち(1)

 

面白いと言うより、悲しい落ちでした。

 

朝日文庫版39巻〔81頁〕・昭和44年

『女どうしと題が付いています。

サザエさんが、豊満な奥さまと痩せっポッチの奥さまと、立ち話しをしています。サザエさんが、「このごろのニュースこわいですわネ」と言うと、二人の奥さまは、同時に「そうね」と返事をしました』

『その後、豊満な奥さまが、痩せっポッチの奥さまの方に手を差し出して、「おくさまくるまのウンテンとお子さんのゆうかいにはお気をつけあそばせ」と言いました。サザエさんはただ聞いています』

『豊満な奥さまは、そういうと、澄まして、立ち去りました。すると、痩せっポッチの奥さまは、身を震わし、涙を流してカンカンに怒っています。サザエさんは、ビックリしています』

『痩せっポッチの奥さまは、サザエさんと近くのベンチに座り、サザエさんの膝の上に泣き伏しています。「キ~~~」とヒステリックに泣き叫びながら、「ウチはクルマがなくって、コドモができないのを知ってて」と悔しそうに泣き続けています。サザエさんは、ただ。肩をさすってあげるだけでした』

 

ただ、女同志の仲で、あることかもしれないと思いますが、悲しくなるだけでした。

意地悪なのでしょうか、こんな事例は具体的に聞いたことはありません。

単なる、作り話として看過致しましょう。

サザエさんの面白い落ち(120)

 

面白いと言うより、他愛ない大人のいたずら。

 

朝日文庫版39巻〔80頁〕・昭和43年

『マスオさんとノリスケさんが、スーパーのアイスクリーム売り場にいます。店員の女の子に、ノリスケさんが、指を2本立てて、アイスクリームを買っています』

『マスオさんとノリスケさんは、受取ったアイスクリームをお店の中で立ち食いしています。2人が食べているのは、カップアイスです。二人は、カップは食べず、アイスクリームだけ食べています』

『2人とも、食べなかったカップを手にしています。マスオさんが、これどこに捨てようかとノリスケさんに言ったのでしょうか、ノリスケさんが店内のある一角を指さしています』

『ヘアピース売り場の商品に、レイディようヘアピースに鬼の角のように2個のアイスクリームのカップが置いてあります。店員さんが気付いた時は二人の大人が、子供のように逃げ去って行きました』

 

カップ入りのアイスクリーム!貴方はどのように食べますか?

カップを残しますか、それとも食べてしまいますか?

 

子供の頃、カップ入りアイスクリームを食べていましたが、カップも残さず食べました。

コーンのカップが、カリカリとの感触も好きでした。

 

マスオさん達二人は、カップを食べないで残す人達だったようです。

二人は、食べ残したカップを、ゴミ箱に入れて捨てればよいのに、

ノリスケさんのイタズラは、

「マスオさん、あのヘアピース売り場を見て御覧、丁度いいものが置いてあるよ。あのヘアピースは茶バツで鬼の頭のようだ、茶色のこのカップはあの鬼の角にしようよ」

 

マスオさんも、直ぐに同意し、ソーツとヘアピース売り場に行きました。

それぞれ、持っていたアイスクリームのカップをヘアピースに、まるで鬼の角のように置きました。

これは、自他とも認める完全なイタズラです。

二人は、店人さんが気が付かないうちに、逃げ去りました。

 

既に子供もいる完全なる大人が、ふと、やってみたい完全な他愛ないイタズラと思います。

サザエさん―判らない落ち(31)

 

「赤ちゃんの置き忘れは」は許せても、「赤ちゃんのおきざり」は許せません。

 

朝日文庫版39巻〔4頁〕・昭和44年

『マスオさんが映画館の中にいます。開演時間は、まだです。既に椅子に腰かけて待っています。まだ、始らない。退屈になったマスオさんは、タバコに火を付けました。映画館の椅子に座ってタバコをのんでいます』

『すると館内放送が聞こえてきました。「お客様に申し上げます」。タバコをのみ始めていたマスオさんは、ハッときづき、タバコを捨てました』

『館内放送は、「場内での」と続きました。マスオさんは、捨てたタバコを足で踏みつぶしています』

『場内放送は、「赤ちゃんのおきざりはかたくおことわりいたします」と言いました。マスオさんはホッとしています』

 

まだ、昭和の時代です。映画館の中でタバコをのむのが許されていたのでしょう。

しかし、タバコをのむのは、まわりの他人に迷惑をかけますから、「館内でのおタバコはご遠慮ください」くらいは映画館でも館内放送をしていたと思うのですが。

 

今では許されない喫煙は至る所でやられていました。

タバコの煙がくすぶって流れてくる、それを吸わされるタバコの嫌いな人には、苦痛だったに違いありません。

確かに経験があります。

広い野球場でも、タバコを吸っていました。一緒に野球を見ていた家内は、煙が流れてくると逃げ出していました。

バスでの団体旅行も嫌な思い出があります。前の席のオジサンが、繰り返しよくタバコを吸うのです。嫌な排ガスが流れてきます、この時も家内は耐えきれず、ほかの席に逃げてゆきました。

 

今はそういうことはないでしょう。

野球場でも、映画館でも厳しく喫煙を禁じています。

 

しかし、今ほど厳しく喫煙を禁じられていなくても、常識的には映画館でタバコを飲むのはモラルに反する事であるくらい、通常の人は認識していたのです。だから、常識人のマスオさんは、映画館でタバコを飲むのはよくないことだと判っていた筈です。

でも、なかなか映画が始まりません。退屈です。

悪いと思いながらタバコをのみ始めた時、

館内放送で

「お客様に申し上げます」

「場内での」

とくれば、

マスオさんは、

「タバコをおのみになるのはご遠慮ください」

と来るものと思ったのでしょう。

まずいと思い、タバコを捨て、足で踏み消しています。

 

ところがそうではなかった、場内放送は何ということを言うのでしょう

「赤ちゃんのおきざりはかたくおことわりいたします」

と言っています。

 

場内で迷惑なことはいろいろあるでしょう。

例えば、

「大声を出して騒がないでください」

「お子さんを叩いて泣かさないでください」

「臭いオナラをしないでください」

・・・・・・

などなど、

しかし、場内放送は

「赤ちゃんのおきざり

「かたくおことわり」

しているのです。

こんなことが、行われていたのでしょうか?

 

映画が終わったあと

『赤ちゃんの置き忘れには十分ご注意ください』

ならば、判ります。

サザエさん:カツオ君の怒り(7)

 

カツオ節削りの中に、鉛筆削りの屑を入れてはいけません。

 

朝日文庫版37巻〔2頁〕・昭和43年

『カツオ君が机の上に教科書とノートと鉛筆削り機を置いて勉強中です。そこへ、サザエさんが「いそがしい!おカカかいて」と言いながら、かつお節削り器と鰹節を、持ってきました。カツオ君は、鉛筆でノートに何かを書き込みながら、嫌そうな厳しい顔をしてサザエさんを睨みつけています』

『サザエさんは、鰹節削り器の上に鰹節を乗せて置いて行きました。カツオ君は腕組みをして「あした三つもテストがあるのに」ともの凄い剣幕で怒っています』

『カツオ君は、カンカンに怒りながら、かつおをかつお節削り器で削ると、削った鰹節が入った箱の中に、机に乗っていた鉛筆削り機から鉛筆の削りくずを入れました』

『サザエさんが、台所で料理をしています。サザエさんが、湯気が立ち上っている鍋の中に、カツオ君が持って来た、鉛筆の削りくずが入ったおカカの削り節を入れています。カツオ君は、サザエさんの後をウロウロし、「いま自首すべきか・・・・」と悩んでいます』

 

カツオ君、昨日(サザエさんの面白い落ち(119))、お祭りに連れて行ってもらえず、怒り狂ったのはわかるけど、その仕返しなのかどうか判らないけど、酷いことやってるね。

 

異物混入食品だと大騒ぎしているけど、カツオ君がやったことは酷過ぎるぞ。

異物が入りすぎるよ。鉛筆削りくずの入った鍋ものは食べっれないとおもうよ。

 

お姉さんは、カツオ君が作った鉛筆の削りくずの入った削りを節を鍋に入れてしまったぞ!

そんな鍋ものを食べさせたら大変なことになるぞ!

カツオ君が昨日の怒りに続き、今日も、明日の三つのテストのため勉強しているのに、「おカカを削れとは何だ」と怒るのはわかるけど、行き過ぎだ。

お姉さんの後ろをウロウロ歩き回らず、男らしく

『お姉さんごめん!ボク悪いことをしてしまった。それも、昨日、お姉さんが、僕だけ置いてきぼりにして、お祭りに行った仕返しだったったんだ。でもどうしても、鉛筆の削り屑の入ったものを食べさせるのは、我ながら、酷過ぎると思う。お姉ちゃん御免なさい、せっかく作った鍋ものは、おいしくないから、皆に食べさせないで!御免なさい』

と反省し、素直に謝った方がいいぞ。

サザエさんの面白い落ち(119)

 

カツオ君は、サザエお姉さんの優しさに、大泣きしてしまいました。

 

朝日文庫版37巻〔80頁〕・昭和43年

『マスオさんとサザエさんとタラちゃんが、居間で寛いでいます。マスオさんが、頭の中に、のしいか、焼き鳥、やきそば、デンガクなどの夜店の食べ物を思い浮かべながら、「おマツリいこか?」とタバコをふかしながら問いかけました。すると、タラちゃんを抱っこしているサザエさんが焼きスルメを思い浮かべながら、「いこいこ!」と賛同しています』

『外出着に着替えた、タラちゃんを抱っこしたマスオさんとワカメちゃん、とサザエさんが、カツオ君がマツリに行こうとしています。カツオくんも連れて行こうと隣の部屋のフスマをガラッと開いて、サザエさんが見たものは、その部屋の真ん中に、カツオ君が大の字になって寝込んいる姿でした』

『カツオ君は、イビキをかいて熟睡中です。それを見たサザエさんは「あらユメみてわらってる」とマスオさんに言うと、マスオさんは「せっかくたのしいユメみてんだから、おこさないでやろうヨ」と言いました。ワカメちゃんも何も言いません』

『その後、眠りから覚めたカツオ君が、大きく口を開けて、「そんな思いやりひどいや~~~」と大粒の涙を流して泣き叫んでいます。傍で、お母さんが困ったような顔をして、どうすることもできず、見ているだけです』

 

カツオ君のサザエお姉さんは、大変優しいお姉さんです。

カツオ君もお祭りに連れて行こうとしたら、カツオ君は熟睡していました。

 

サザエさんは、ユメを見て幸せそうなカツオ君の顔を見て、ここで起こすのが忍びなかつたのでしょう。

優しい気持ちになり、起こして連れていかないことにしたようです。

 

サザエさんも、マスオさんも、その上、ワカメちゃんも、優しい人達でした。

カツオ君は、この優しさを、思いやりと間違えました。

思いやりだったら、そっと起こして

「カツオ!折角、楽しい夢を見ているようだけど。みんな祭にゆくけど、貴方は行かない」

と聞くでしょう。

しかし、サザエさんは、優しいのです。そんな面倒な思いやりはしなかった。

折角寝ているからそのままにしといてあげましょうと言う、大変な優しさでした。

カツオ君にとって、矢張り、楽しいユメの世界より、現実のマツリのほうが遥かに良かったのではないでしょうか。

 

かって、夜店で、食べたい食べ物を食い、あげくの果てに、翌日は学校に行けなかった。

カツオ君思い出すだろう。ある晩、友達と夜店に行って、カツオ君が、次から次と色んなものを食べるもんだから、友達に「もうよせよ!」と注意され、案の定、カツオ君がお腹を壊し、翌日学校を休んでしまい、笑われたことがあっただろう。

 

しかし、今日のサザエさん達の優しさに泣かされた、カツオ君の泣きっ面は、相当なものです。

口を顔半分になるほど開き、両目から溢れる涙は顔面から50センチほど離れたところまで飛んでいます。

 

カツオ君は、サザエさん達の優しさに、相当、泣かされてしまったようです。