サザエさんの面白い落ち(122)

 

マスオさんは、誇大妄想です。そんなことは考えないことにしましょう。

 

朝日文庫版42巻〔99頁〕・昭和44年

『マスオさんが勤務している会社の事務室です。マスオさんが、机に向かって仕事をしていると、事務室のお姉さんが、書類を持ち、机の前から立ち上がりました。ミニスカートの彼女は、書類を持ち机から離れました。すると、彼女の直ぐ後から、何やら、パンティの様に見える布切れが落ちました。それを見ていたマスオさんは、ギョッとして、ハッとしています』

『それを目撃したマスオさんは、「しらせていいものか・・・・・」と、その布切れが落ちたことを、お姉さんに知らせるべきか否か悩んでいます』

『その時、同じ部屋で仕事をしている同僚が、その布切れを拾い上げ、持ち上げて「キミキミオ、おとしものだぜ」と言っています。マスオさんは、冷や汗を流し、恥ずかしそうに机に向かって仕事をしています』

『お姉さんは、同僚から布切れを受取ると、「アラありがとう」と言いながら、その布切れを椅子の背もたれに取り付けています。その様子をマスオさんがホッと安堵したような表情で見ています』

 

マスオさんは、想像力逞しい、ノーマルな男性の一人でした。

ただ思い違いしただけのようです

 

私も、仕事場の椅子が並んだ職場にいたことがあります。

確かに、各椅子の背もたれにカバーが掛けられ、女の子が時折、クリーニングしたカバーと取り替えていました。

そのカバーの一片が、マスオさんには何に見えていたのでしょう。

 

察するに、マスオさんには、ミニスカートのお姉さんが立ちあがり、パラリと落とした背もたれカバーの一片は、ご婦人のパンティに見えたのでしょう。

 

そんな筈はないのに、マスオさんは、お姉さんが、パンティを落としたのを目撃したと、一人で恥ずかしがっている、妙な男性でした。

 

その証拠に、同僚は、その布切れを「落ちたよ」とお姉さんに知らせ、お姉さんは「ありがとう」と受取り、その布入れのカバーを椅子の背もたれの取り付ける正常な行動をしています。

マスオさんのように、顔を赤らめる行動は何もありません。

 

マスオさんが、顔を赤らめるような、何事でもなかったのです。

 

想像力の豊かさも、ここまでくれば、異常な助平と言うのでしょうか?

しかし、マスオさんを責められません。

お姉さんが落とした布切れ、同僚が摘まみあげた布切れは、どう見ても、ご婦人のパンティに見えるように描いてあります。