* ハンプティ・ダンプティ
ハンプティ・ダンプティ塀の上
下で働くものをニヤニヤと笑いながら視ている
ハンプティ・ダンプティ呟いた
「飢えた愚かな者たち」と……
ハンプティ・ダンプティ空中に
もがく手足虚しくも 嗚呼落ちてゆく
脳漿と血が雨となって降り注ぐ
ハンプティ・ダンプティお腹の中
さて今度は誰がハンプティ・ダンプティ?
* 真っ黒人魚姫
小さく見つめた青い瞳
君に僕は溺れていく
白い肌に飛び散った、
真っ赤な血が痛々しくて
君のすべてが欲しい…
君の何もかもが欲しい…
眠る君の横
ぺたりと座り込んだ僕が見える
泣きそうになる目をこらえて…
抱いた君の手は冷たくて、
僕はただ立ちつくして呟くのだ
「ありがとう」と、この黒い人魚姫に
* 荊姫
私は薔薇に埋もれた荊姫
小さく埋もれた荊姫
私を救い出してくれたのは、
遠い町に住む貴方
恍惚の私の、汚れた心の、
奥底の小さな窓の中
そこから見つめる汚れた妖精が、
幼い貴方だと気付くことはまさに今で
私は荊姫
貴方を見つめる汚れた荊姫