撮影日   2022.5.28

撮影場所  長野電鉄長野線 長野駅

   

前回の飯山線の観光列車「おいこっと」の記事に続き、今回から

二日目に最後に訪れた長野電鉄の記事の紹介です。

長野電鉄に乗るのはこれが初めてで、目的は線内特急の2形式に

乗車する事でした。

今回は時間の都合上、須坂駅までの往復だったので簡単な紹介に

留めます。いずれ全線制覇したいです。

 

(一枚目)

・電鉄の長野駅は地方私鉄では珍しい地下駅です。

有人改札且つ列車別改札を行っており、前日に訪れた北鉄

金沢駅と同様で列車別改札の駅が殆どない(そもそも改札に

人がいない)駅ばかりの九州人には珍しく感じました。

北鉄金沢駅は構内に改札待ちの人がずらっと並んでいましたが、

ここは椅子が有ってくつろげるようになっており、有料特急の

始発駅らしさを感じました。

 

今回は特急の乗車がメインでしたが、まずは信州中野行き普通列車

に使われていた8500系の紹介です。

これは8500系T1編成で、湯田中方先頭車でデハ8501+サハ

8551+デハ8511形の3連です。

この8500系は2005件から2009年にかけ3連6本が導入され、

元東急8500系です。

移籍の際は長電の塗色が赤系の為、東急時代のステンレス無塗装+

前面のみ赤帯のスタイルで譲渡されました。よって東急時代と

かなり近い仕様です。

 

この車は東急時代も車番は変わらずデハ8501で、1975年導入の

記念すべきトップナンバーです。

LED改造されていますが、更にこの編成は行先表示器や種別表示器

も白Hゴムのままで登場時の姿にかなり近いです。

列車番号表示器は未使用です。

(二枚目)

側面です。東急時代未更新車の為、座席は非バケットタイプで

袖仕切り未設置です。基本的に東急時代に近い車内で、ドア間の

座席はマルーンとオレンジの2色ですが、車両によって違いが

有ります(次回以降紹介です)。

 

東急8500系については秩父鉄道に譲渡され7000系となった同型車

(2018.6.11)2018 秩父鉄道旅行(2) | 303-101のブログ (ameblo.jp)

及び元となる東急8000系譲渡の伊豆急行8000系(2023.3.2)

2022.1 関東・中部旅行(伊豆急行8000系編1) | 303-101のブログ

 (ameblo.jp)でも紹介しています。

長電では1966年に地方私鉄の電車としては初の20m級4ドア通勤電車、

0系OSカーを導入し1997年まで使用していました。

本形式はそれに続いて久々に導入された20m級4ドア車で、長電初の

オールステンレス車体・界磁チョッパ制御・回生ブレーキ併用電気

指令式ブレーキ・・ワンハンドルマスコン等の機構が採用されました。

入線に際し3両編成に改造され、LED行先表示器・車椅子スペース

設置・車内案内表示器設置が行われこれらも長電初採用です。

ワンマン改造が行われましたが車内収受式では有りません。

 

尚抑速ブレーキ非設置の為勾配区間の信州中野駅から湯田中間には

入線できず、この区間で使用されていた3500系(元営団3000系)の

置換えは3000系(元東京メトロ03系)の導入での置換となりました。

(三枚目)

車端部です。

優先席部のモケットは青系にシルバーシートのイラストが描かれて

おり、シルバーシートのステッカーが窓に貼られています。

8500系は3500系に続くステンレス車ですが、セミステンレスの

3500系と違いオールステンレスです。

コルゲートが並ぶ車体は変わりませんが。

(四枚目)

中間車サハ8551です。サハ8500形は補助電源を装備し、

ラスト2本に組み込まれる8555と8556だけはSIV、それ以外の

車両はMGです。

この姿だと東急時代とほぼ変わりません。

(五枚目)

8550形は東急時代サハ8900形で、この車は元サハ8903

でした。同じく1975年製の第一陣ですが、元は8603編成に

組み込まれていた物をトップナンバーの8601編成の両端先頭

車に組み入れ、長電で3連化したものです。

こちらは車体更新を受けており、バケットシートで袖仕切りが

付き、ドア間にスタンションポールが有ります。

東急8000・8500系譲渡車全般に言えますが、製造時期が

長く中間へ増結が進み、更に後年の更新の有無や編成組み換えで

移籍先でも車両間で形態が微妙に異なります。

(六枚目)

3号車デハ8511寄りの車端部です。

転落防止幌付きですが左右で形態が異なります。

尚下写真にも写っていますが、ここは広幅貫通路だったものを

狭幅に改造しており、妻窓が有りません。

(七枚目)

・中間車の長野方に車椅子スペースが設置されており、片側の

座席を撤去しており壁にヒーターも有ります。

対面は優先席です。

尚上述の様に貫通路幅を縮小し貫通扉を設置した為、片面に

窓が有りません。3枚目と形態が違うのが分かります。

(八枚目)

長野方先頭車デハ8511の側面です。

東急時代デハ8600形だった車両で、当車は元デハ8601で

相方デハ8501と同じくトップナンバー編成でした。

長電では基本的にデハ8500形にパンタグラフを設置して

いますが、中間車の補助電源がSIVのデハ8515・8516は

パンタグラフ付きです。

 

長電では初の高性能特急車2000系で編成別にA~Dという編成

番号を設定しており、以後高性能の固定編成車には編成番号を

設定していて8500系はT×編成となっています。

この編成はT1編成となります。

(九枚目)

この車も東急時代未更新車だった為非バケットタイプの座席

です。ドアの間には黄色のテープが貼られています。

長電8500系は更新車が多く、未更新車は少数派です。

(十枚目)

デハ8511の前面です。3色LEDタイプで行先部分の英字部は

黄緑色ですが、中央林間や渋谷と言った表示が今にも出てきそうな

外観です。

この編成はスカート未設置ですが、T5・6編成はスカート付きで

登場しています。但し後年一部車は取り外した様です。

 

尚長電初の省エネ車体の大型車・8500系も気が付けば導入から

20年近く経ち、製造から間もなく50年です。

一部報道で近い時期の置換が示唆されており、18m車体の

中古車(恐らくVVVF)の導入が予定されています。条件に合う

車両が枯渇している気がしますが、何れ置換になるのは間違い

無さそうです。

東急時代の姿にかなり近い当編成の活躍が見られる時間はもう

余り無いのかも知れませんが、最後まで頑張って欲しいです。

そしてデハ8501は東急での保存を期待したい所です。

 

 

次回に続きます。

 

参考文献   鉄道ピクトリアル No.1002 2022.9

 

参考HP  ウイキペディア 関連ページ