撮影日   2022.1.25

撮影場所  JR東日本東海道本線 熱海駅(13・14枚目は伊東駅)

 

以前までの記事で、昨年1月に小田急50000形「VSE」お別れ乗車を

行った記事を掲載しました。今回からはその続きで、翌日まず未乗

だった伊豆急行を往復、次に伊豆箱根鉄道も乗車し夜に名古屋まで

向かいました。

まずは伊豆急行の記事からです。初の伊豆半島訪問ですが、観光する

暇も無くトンボ帰りでした。

 

(一枚目)

・伊豆急行、と思いきや実はまだJR東日本の熱海駅です。

6両の普通列車は伊東線内完結の普通 伊東駅行きで、伊豆急車が使われて

いますがどちらかと言えば東横線の電車に見えます。

先頭は8000系TA-4編成クハ8014で、以下6両です。

 

伊豆急8000系は2004年から2008年にかけ東急8000系(1両だけ8500系)を

45両譲受して登場した系列で、現在の線内普通列車の主役です。

種車となった東急8000系は1969年から製造された、同社初の20m級4ドア車で

7000系や7200系と同じくオールステンレス車体を採用しました。

足回りについては世界初の界磁チョッパ制御を採用し、回生ブレーキを使用

(既に同社で採用済み)しブレーキも同社初の電気指令式を採用しました。

又、量産車では初採用となるワンハンドルマスコンを採用しています。

製造期間が長く、又長大編成化により中間に増結して行った事も有って大変

バラエティ豊富で、1971年から冷房車が登場(その後も一部は準備工事)し

後に全車冷房化された他、1978年に軽量ステンレス試作車が登場し後に

8090系に技術が受け継がれました(8000系の増備車も軽量になったが、

外見は殆ど変わらず)。補助電源のSIVも途中から大容量になっています。

グループには他に新玉川・田園都市線向け8500系、軽量車8090系・8590系も

存在し、それらを含め8000系と称する事も有ります。

 

1992年からは更新も行われ、車内更新やLED表示器化、「歌舞伎塗装」と呼ばれる

独特な塗装への変更(7600系や7700系にも存在)も行われました。

当初投入の東横線の他、一時期は新玉川線・田園都市線にも所属し8500系に組み

込まれた車両も存在し、大井町線でも活躍しました。

しかし2001年から廃車が発生し、2008年に引退しています。廃車後は伊豆急の他

インドネシアにも譲渡されています。

尚、仲間の8090・8590系も既に引退し、最後に残った8500系8637編成も先立って

2月に引退し、東急線上からは消滅しましたが、一部は秩父・長野・富山にて再度の

活躍を行っています。

(二枚目)

クハ8014側面です。元はクハ8037で、伊豆急に渡った車両の中では

少数派の未更新車で前面裾部の後付けステップが有りません。

1973年製で当初冷房準備車で、1979年に冷房改造されました。

このクハ8000形10番台は伊東向きで、補助電源でSIVを搭載します。

クハ8010番台は8両導入されました。

 

伊豆急では開業時導入の100系が老朽化しており、ショートリリーフとして

JR東日本から国鉄近郊形113・115系を200系として導入し、100系を置換え

ました。しかし本命は東急8000系で、上述の様に2004年から導入を行い

200系のみならず「リゾート21」2100系も一部が置き換えられました。

当初4両又は2両編成で使用された為、一部が制御電動車に改造されて先頭

改造車が登場しました。又座席は一部が西武10000系の座席交換で発生した

リクライニングシートを使用してクロスシート化され、トイレや車椅子スペース、

車内案内装置も設置されました。行先表示器はLED改造されています。

又ワンマン運転対応工事や伊東線直通対応にATS-Pも設置されています。

塗色は水色の2色の帯が入ったものになりました。

尚種車の都合で、更新車・未更新車が混在し軽量車も入っています。

入線開始以後20年近く主役として活躍していますが、経年の為2022年に元

JR東日本209系の3000系が導入され、6両廃車が発生しています。

今後も置き換えが進むと思われますが、先に209系の方がくたばりそうな気が。

(三枚目)

中間電動車モハ8204です。元は東急デハ8153で、1980年製です。

東急時代も結構編成組み換えが有った上に、伊豆急でも編成組み換えが

行われているので製造時の組成からかなり変わっている様ですが、

余り東急に詳しくないので良く分かりません。未更新車です。

モハ8200形はパンタグラフを搭載し、種車のまま菱枠式です。

CPとSIVも備え、機器類は東急デハ8200形の物を移設しています。

モハ8200形は8両導入されました。

 

入線時は4両編成はT1から始まる編成番号で伊東向きからクハ8000形0代

(元クハ8000形)+モハ8200形(元デハ8100形)+モハ8100形(元デハ8100形)+

クハ8000形10代(元クハ8000形)、2両編成はT11から始まる編成番号で伊東

向きからクハ8050形(元クハ8000形)+クモハ8150形(元デハ8100・8700形)

でしたが、空転が多く2本目からクハの代わりにクモハ8250形に改造されて

入線する様になり、クハ8050形もクモハ8250形に改造されました。

(四枚目)

モハ8200形にはトイレが入線時に増設され、窓は埋められています。

転落防止幌も設置されています。

 

当初は4連+2連又は単独での運用でしたが、後に見直され2008年の

導入分を加えて組み替えられ、3連15本体制となりました。

それにより現在は伊東方にクハが連結されたTA編成8本、下田方にクハが

連結されたTB編成7本体制となっています。

TA8編成は当初から3両での導入です。

(五枚目)

下田方の先頭車クモハ8154です。東急時代はデハ8122で1971年製造の

新製冷房車です。更新工事施工済みです。

クモハ8150形は菱枠式パンタと主制御器を備え、入線時に電動車改造されて

います。当初は2両編成に組み込まれていましたが、相方のクモハ8250形と

分かれ4両編成のクハ8000+デハ8100と連結した3両編成に変更されました。

クモハ8150形は8両が導入されました。

(六枚目)

後方は何と東急での導入当初の姿を復元した、無塗装の姿のTB-7編成

でした。

2019年にまずTA-7編成が復元、2021年にこのTB-7編成が復元ました。

 

元々車体は東急時代のまま殆ど変わっておらず、ギラギラ輝くコルゲート付き

車体に角ばった1段下降窓、Hゴムを使用しない側扉窓の両開きドアで分散冷房

の車体を維持していた為、かなり東急ぽく見えます。伊豆急での車番フォントも

東急風に見えます。

東急8000・8500系は最後まで側面は帯が入っていなかった為(一部除く)、

シングルアームパンタが無ければ殆ど東急時代のままです。

(七枚目)

このクモハ8252は元クハ8049で、1974年製で未更新車です。

屋根上の配管がカッコいいです。

クモハ8250形はクハ8000形の上り向き(奇数向き)車を入線時に電装し、

シングルアームパンタが改造時に設置されています。

8251はクハ8051の再改造で、7両が導入されました。

元はクモハ8150形と組んだ2両で、後に4両のモハ8100形とクハ8000形

組んだ3両に再編されました。

(八枚目)

中間車モハ8107で、元デハ8115です。1970年製の冷房準備車で、

更新工事済みです。

モハ8100形はデハ8100形改造で、主制御器と種車の菱枠式パンタを

備え7両が導入されました。

元々東急8000系はデハ8100+デハ8200形のユニットを組むのが基本で、

別に単独M車のデハ8400形も存在しました。伊豆急にはデハ8200形は

入線せず電動車はデハ8100形由来(1両は8500系デハ8700形)です。

(九枚目)

下田方先頭車クハ8007で、元東急クハ8016です。1971年製の

更新車です。

クハ8000形0番台車は7両が導入され、CPを備えます。

無塗装編成2本の内、この編成のクハ8007とモハ8107、もう一本の

TA-7編成クハ8017とモハ8207は東急時代同じ編成を組んでいた事が

有ります。

(十枚目)

当車両もトイレが設置されています。

TB編成のクハ8000形のトイレは入線時は設置されておらず、3両化に

際し追設されています。

車椅子マーク横の号車札は未使用です。

(十一枚目)

まさか最初からこの姿が見られるとは思わず、大変感動しました。

無塗装姿のクハ8007です。車番もオリジナル風ですが改番されてます。

無塗装編成はスカートがグレーから黒に変更されて目立たなくなり、

設置されていなかった当初の姿に近く見えます。

前面には伊豆急60周年記念ヘッドマークが貼られています。

 

製造時は白かったHゴムは黒くなり、LED化された行先表示器と伊豆急設置の

LED式の運行番号表示器、又更新工事の際設置の後付けステップ等様々な点で

オリジナルとは違いますが、雰囲気はかなり近く感じます。

幕式方向幕で「渋谷」「桜木町」とか表示されたら最高です。

 

尚、8000系は熱海駅~伊東駅~伊豆急下田駅間での運用でこの様に伊東線内

折返し運用も存在します。この様に6両での運行も多い他、伊豆高原駅などで

切り離して3両での運用も有ります。

乗車列車は6両で伊東線内運用だった事も有り、非ワンマン運用でした。

伊東線の普通列車はE231・233系の他伊豆急2100・3000・8000系も使われ

かなり車種が豊かです。3ドアの200系から4ドアの8000系に取り替えられて

E231・233系とドア数が同じになって好都合だったかも知れません。

(十二枚目)

クハ8007の台車です。

軸バネ式のダイレクトマウント式空気バネ台車のTS-815Fで、

動台車はTS-807です。当初制御車はパイオニア台車のPⅢ-708

でしたが、後年本形式に取り替えられました。

モーター出力は130kw、駆動装置は中空軸平行カルダン駆動です。

(十三枚目)

編成間の連結面です。

クモハ8150形は入線時に運転台を設置しており、その部分の側面は

コルゲートが有りません。

ATSの種類(ATS-SiとATS-P)の表記が有るのがJR線を走る車両らしいです。

(十四枚目)

クモハ8150形の前面は8000系オリジナルにかなり似せていますが、

窓上部の通過標識灯は有りません。車体裾の後付けステップも無い為

未更新車に近い前面です。

尚連結時も貫通幌は使用されない為編成間の移動は出来ません。

(十五枚目)

・この電車に乗ってまずは伊東駅まで移動しました。

この写真の撮影地点を全く覚えていませんが、沿線は海が見えて

所々に旅館・ホテルが有って如何にも観光地らしかったと思います。

確か伊東で「三段逆スライド方式」で有名なホテル「ハトヤ」も見えたと

思いますが、撮り忘れました。

 

次回は車内編です。

 

 

参考文献   鉄道ピクトリアル No.1002 2022.9

 

参考HP    東急編成写真・資料館

 

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