撮影日   2023.10.23(8・9枚目は2021.4.6)

撮影場所  各写真に記載

 

先日、阿蘇の旅行した記事の続きです。

翌朝熊本市内で市電とバスの写真を行いました。

今回からその時に撮影した市電の紹介を行います。

まずは旧型ボギー車から。

 

(一枚目)

河原町電停で撮影した1090形1092号です。

A系統 健軍町行きで不動産会社のラッピングです。

熊本市電には1950年代から60年代にかけて製造された半鋼製

2軸ボギー車が22両(1060・1080・1090・1200・1350形)

現存しており、今でもワンマン化・冷房化を受け活躍しています。

この内、製造年度が古くスタイルも古めかしい1060・1080形は

活躍の頻度が少ないので、ラッシュ時に動くかと思いましたが

今回は空振りでした。

 

この記事では1090・1200・1350形を紹介します。

本形式は以下の記事で紹介しています(2021.6.9)。

熊本市交通局 1090形 | 303-101のブログ (ameblo.jp)

(二・三枚目)

・続いて慶徳校前電停で撮影した同僚、1093号です。

A系統 田崎橋行きで1092と別の不動産会社のラッピングでした。

 

1090形は当初、1955年に188形として製造されたグループと

1957年に190形として製造されたグループに分かれます。

仕様は同一で、後にワンマン化され1090形として纏められ、

1091~1097の7両(末尾2両が元188形)となりました。

全車東洋工機製です。

現在も全車が残存しています。

(四・五枚目)

通町筋電停で撮影した1095号です。A系統 田崎橋行きです。

医療関係のラッピング車です。旧型車でも稼働率の高い1090形

以降の形式はラッピング車が多いです。

 

この1090形は1080形までと異なり、バス窓で台車はコイルバネと

なり近代的なスタイルとなりました。

但し窓についてはウインドヘッダーは無くなりましたが、ウインド

シルは残っています。

各車屋根上にクーラーユニットを1基搭載し、Zパンタグラフを装備

するのが旧型車各形式共通仕様です。

(六・七枚目)

こちらも通町筋で撮影した、元188形189号を改番した1097号です。

B系統 健軍町行きで不動産会社ラッピングです。

188形は180形が7両いた為、続きの番号でしたが上記に記した様に

大きく形態が異なり、ワンマン化時に1090形に編入されました。

これらバス窓車はアルミサッシが標準で、前面窓は中央窓が固定・

両脇がバス窓タイプが標準ですが車両によって異なります。

(八枚目)

続いて1200形です。

2年前撮影のトップナンバー1201号の綺麗な写真が有ったので

こちらも紹介します(熊本駅前電停・A系統 健軍町行き)。

 

1200形は元は200形として1958年に10両が東洋工機で製造

されました。190形の増備車で基本的に同一構造で、12m級

半鋼製低床式2軸ボギー車で前中引戸です。

バス窓の構造は同じですがウインドシルは廃され、スッキリと

したデザインになりました。

照明は熊本市電で初めて蛍光灯となりました。

 

200~209までの10両でしたが、1966年のワンマン化で1200形と

なった際には200号は1210号と改番されました。元は190形と

続きの形式でしたが、改番で分かりにくくなりました。

本形式の特徴として、1978年に1202と1208が日本初の冷房付き

路面電車となった事です。架線からの電留で直接駆動する新タイプの

冷房装置で、以後1980年までに1200形は全車改造され、他形式

でも採用されました。1979年から暖房も設置されました。

 

その後、1985年には1202・1206・1208・1209の4両が8200形

風の軽快電車スタイルの機器流用車・8500形に機器を流用し廃車

されました。全車冷房改造は済んでおり、日本初の冷房付き路面

電車は2両とも改造されてしまいました。

しかし機器流用改造はこの4両だけで終了し、以後は6両全車が

活躍しています。

近年では2021年からリフレッシュ工事が行われています。

(九枚目)

この車はボギー車の標準塗色ですが、窓枠は車体に合わせ

塗装されています。ステップは黄色く塗られています。

 

台車はスイングハンガータイプのコイルバネ台車KD-201で、

近畿車輛製で銘板も見えます。昭和30年代に各地の路面電車で

採用されたタイプで、1090形と1350形で採用されています。

1200形の内、1205~1209は同仕様ですが住友製のFS-74で、

1350形でも採用されています。

旧型車各形式共通で吊り掛け駆動に直接制御、モーターは

38kw×2基で直通ブレーキと路面電車では標準的な仕様です。

乗車すると「ぶおーん」という心地良い響きが聞けます。

(十枚目)

西辛島町電停付近を走る1203号です。

この車は「臨」と表示されており、上熊本駅前発の辛島町止まりです。

熊本市電では途中折り返しの系統では「臨時」系統を名乗る場合が

有り、写真の車両は上熊本車庫から出庫し辛島町で折り返して

熊本駅前へ送り込み運用を客扱いしたものです。

(十一・十二枚目)

辛島町電停で折り返す1203号です。

電停の先、健軍町方面に行った場所にわたり線が有り、ここを

使い折り返します。既にA系統 熊本駅前行きになっています。

このわたり線を使うのはこの様なラッシュ時運行の一部便のみで、

使用する機会は初めて見ました。

系統番号はサボ式となっています。

(十三・十四枚目)

陽射しが強くなってきた通町筋電停撮影の、A系統 田崎橋行き

1204号です。こちらはラッピングされています。

熊本市電の旧型車は前面窓が何度か改造されており、その為

車両によって微妙に違い1200形や1350形の中央窓は1090形より

少し大きめです。

 

尚、今回は旧塗色に復刻(&室内LED照明化)された1205号を

目的としていましたが、走っている姿だけで撮影出来ず。

次回に持ち越しです。

(十五・十六枚目)

・続いて1350形1351号です。

通町筋撮影のA系統 健軍町行きです。

この形式は以下の記事で撮影しています(2021.9.14)。

熊本市交通局 1350形 | 303-101のブログ (ameblo.jp)

 

元は1960年に東洋工機で6両が製造されたもので、元350形

でした。形式名は製造年に因んだもので、以後熊本市電の

形式は導入年に合わせる様になります。

ワンマン化・冷房化は他形式と変わりません。

1200形と基本的に同一ですが、中ドア脇車掌台部の窓が

上下段共にHゴム支持の固定窓になっています。

(十七・十八枚目)

A系統運用の1353号です。

上は河原町電停撮影の田崎橋行き、下は折返しで通町筋撮影の

健軍町行きです。

こちらは前面窓が正面から見て左の窓がアルミサッシの2段窓に

なっています。元々350形の前面窓の両脇は2段窓でした。

尾灯が少し前のバスの様な米粒型のブレーキランプの様な形状に

なっているのが熊本市電の旧型車の特徴ですが、今ではバスでも

中々見かけなくなりました。

(十九枚目・二十枚目)

通町筋撮影の、B系統 健軍町行き1355です。

こちらも標準色です。

熊本市電の鋼製ボギー車各系列は緩やかな3枚折妻の前面に、

浅い屋根が特徴的です。

 

熊本市電では今後、超低床式新車の導入を予定しているとの

事で、旧型車も廃車のおそれが有りますが、まだまだ両数が

多いので暫く活躍が見られそうです。

 

次回に続きます。

 

参考HP   ウイキペディア 関連ページ