今週は、牝馬クラシック第三冠目、現京都競馬場では最後となる

第25回秋華賞が行われます。

元々は昭和期にはビクトリアカップという名称で行われていて

その後、エリザベス女王の来日を記念してエリザベス女王杯に

名称を変更し、内容はビクトリアカップからそのまま継続となって

いたものの、エリザベス女王に敬意を払うためか第1回からとし、

第20回まで牝馬クラシック第三冠目として行われていました。

その後、エリザベス女王杯は古馬も含めた牝馬GⅠレースと

なったことにより、牝馬クラシックとして新たな名称を秋華賞として

第1回から開催し、今日まで行われています。

秋華賞は、実際にはビクトリアカップからの継続とすれば今年で

第51回目を迎えており、牝馬クラシックの三冠目として歴史ある

レースです。

 

秋華賞の思い出の馬は、映画の名称と同じようにライアンの娘と

言われ、2011年に閉場した名門メジロ牧場に最後のクラシックを

プレゼントした第2回優勝馬メジロドーベルです。

父親は、ファンも多く私も大好きだったアンバーシャダイの代表

産駒、メジロライアンです。

メジロドーベルは、牝馬三冠を制したメジロラモーヌと同様に

デビューから勝ち星を重ね、当時の馬齢での3歳女王決定戦、

阪神3歳牝馬ステークスに優勝し、最優秀3歳牝馬に選出

される等、内国産種牡馬の新星として注目を集めました。

ところが牝馬クラシック3冠を狙って挑んだ桜花賞では、追い

込んだもののキョウエイマーチの2着に敗れてしまいました。

しかし牝馬クラシック二冠目の優駿牝馬(オークス)ではライバル

キョウエイマーチを圧倒して雪辱を果たしました。

夏を超して更に充実したメジロドーベルは、秋華賞でライバル、

キョウエイマーチに再び圧勝し、名実ともに牝馬№1に輝き

ました。

牡馬との戦いでは苦戦したものの、5歳時においては、古馬牝馬

のGⅠレースとなったエリザベス女王杯等に優勝。

更に6歳になって引退レースとなったエリザベス女王杯に勝って

連覇を果たすと共に有終の美を飾り、牝馬では敵なしのまま

引退しました。

4年連続でのGⅠレース優勝は、本当に素晴らしい記録であり、

競馬史上に残る名牝だったと思います。

また、父メジロライアンと同じように、とても人気があってファンが

多い馬でしたし、この時代が名門メジロ牧場が最後に輝いた

華やかな歴史の瞬間だったかも知れません。

引退後はメジロ牧場で繁殖に入りましたが、10番仔の現4歳馬

ピンシェルを最後に繁殖から引退し、現在26歳になった

メジロドーベルの近況は、時々配信される動画を見ているの

ですが、メジロ牧場の閉場後に引き継いだレイクヴィラファームで

功労馬として元気に余生を送っており、親離れさせられた

仔馬たちの面倒を見る等、優しいおばあちゃん馬になっています。

仲間内POGで獲得し、ずっと応援してきた馬だけに、いつまでも

元気で長生きして欲しいと願っています。

 

今週の注目は、何と言っても日本の競馬史上初となる無敗の

牝馬3冠を目指すデアリングタクトです。

北海道日高町の小さな牧場で生まれ、当初は購入してもらえず

1200万円台でやっと買い手がついた馬でしたが、何億もして

取引された馬達を尻目に、日本の競馬史上初の無敗の牝馬

三冠馬に輝こうとしているのですから、競馬は本当に判りません。

これぞ競馬のロマンであり、ドラマがあって面白いところです。

私はこういったドラマがある馬が大好きです。

心情的にもデアリングタクトを応援します。

お膳立ては整いました。

現京都競馬場での最後の秋華賞で、令和初の無敗の牝馬

三冠馬に輝いて欲しいと思っています。

そして三冠阻止に挑むライバルは、やはりトライアルレースに

優勝したリアアメリアとマルターズディオサでしょうか。

素質がありながら何故か不気味な沈黙をしていたリアアメリア

でしたが、前走で復活し、今回も実力通りに走れば逆転も

あり得ます。

いずれにしても令和の大一番になることは間違いありません。

今月で最後となる現京都競馬場に思いを馳せながら、

全馬の無事を祈って、令和の大一番を見ます。

今週は、秋のGⅠ路線を占う上で重要な歴史ある重賞レース

第71回毎日王冠が東京競馬場で行われます。

昭和期は、古馬陣が秋の重賞レース天皇賞や有馬記念に

向けての初戦レースとして出走していました。

現在では、マイルや中距離路線における古馬や3歳の実績馬が

秋の初戦レースとして出走しています。

 

思い出の馬は、音速の貴公子と言われた第49回優勝馬

サイレンススズカです。

1998年に入って古馬になって本格化し、宝塚記念優勝を

含めた5連勝を飾ってついに頂点に立ったサイレンススズカは、

最大の目標である天皇賞を目指し、秋初戦として毎日王冠に

出走しました。

このレースには、前年の3歳チャンピオンのグラスワンダー(後に

有馬記念2連覇)やエルコンドルパサー(後にジャパンCや海外

GⅠレースを制覇)が出走することを表明、両馬ともここまで

無配の4歳外国産馬であり、毎日王冠はGⅡレースではあった

ものの、実質上の日本一決定戦となりました。

このレースは別定戦のため、小柄なサイレンススズカの負担

重量は過去最高の59キロとなり、一方、エルコンドルパサーは

57キロ、グラスワンダーは55キロで、4キロもの差がついて

いました。

歴代最強馬とも言われているこの名馬3頭の超豪華メンバーが

揃うレースを観るため、当日は朝早くから13万数千人のもの

観客が東京競馬場に詰めかけ、GⅡ戦としては異例なことでした。

サイレンススズカはスタートから軽快に走り、大逃亡劇を開始。

,000メートルを何と57.7秒という常識破りの超ハイラップを

刻むサイレンススズカの走りに13万超える観衆からは大歓声が

あがりました。

最後の直線に入ってからも彼のスピードは全く衰えず、食い

下がるエルコンドルパサーやグラスワンダーを子供扱いにし、

圧倒的な強さで快勝しました。

「早すぎる、強すぎる」13万を超える大観衆は、彼の芸術的な

美しい走りとスピードに酔いしれ、驚嘆しました。

鞍上の武豊騎手は、その勇姿がよくファンに見えるように配慮して

わざとサイレンススズカを外ラチ沿いに寄せ、天高く突上げ

ガッツポーズを繰り返しました。

第49回毎日王冠は、日本競馬史上に残る名勝負として

競馬ファンの脳裏に深く刻み込まれることになりました。

無敗の最強4歳馬と言われた2頭が敗れたことで、もう誰も

サイレンススズカを止めることはできません。

しかしこの時、この毎日王冠がサイレンスズカの最後の優勝に

なるとは誰が想像したでしょうか。

あまりにも規格外のターボエンジンによるスピードがあった故に

最後は脚が悲鳴をあげてしまったサイレンススズカ。

スピードの向こう側を知っているのは、サイレンススズカだけ

だったと私は今でも思っています。

 

今週の毎日王冠の注目は、何と言ってもサリオスでしょう。

春のクラシックは、コントレイルに後塵を拝しましたが、

コントレイルがいなければ、サリオスが無敗の2冠馬になって

いたと思います。

夏を乗り切り、どこまで本格化したかが注目です。

毎年やっている仲間内POGで雑誌の紹介が長距離系ハーツ

クライ産駒の牝馬として誤った表記となっていたため、獲得を

ためらったことを強く後悔しています。

サリオスが関東の総大将としてストップ・ザ・コントレイルに向けて

どのようなレースを見せてくれるのか、またサトノインプレッサ

と共に古馬陣とは初対戦となり、GⅠ級の古馬の出走は

ないものの、他の同世代の3歳馬との実力の差が明らかで

あったため、世代としてどの程度の強さがあるのかも、ある程度

判ると思います。

全馬の無事を祈りながら、今週もレースを観ます。

 

9月24日に宝塚記念に優勝したダンツシアトルが老衰のため、

死亡したとの訃報が報じられました。30歳でした。

ダンツシアトルは米国3冠馬シアトルスルーの仔として活躍し、

種牡馬引退後は九州種場所で余生を過ごして、天命を全う

しました。

天国でゆっくり休んで下さい。本当にお疲れさまでした。

ダンツシアトルのような天寿を全う出来る馬は、本当にごく

わずかしかいません。

 

そして、この度、流星の貴公子テンポイントをはじめワカクモや

リュウズキ等、数多くの名馬を生産した名門吉田牧場が

今年の5月をもって競走馬の生産を終了しましたが、その吉田

牧場の現社長であった吉田晴雄氏が9月22日に亡くなったと

あるスポーツ紙が小さく報じました。

先々代と先代の社長の時に毎年、プライベートやシンザンフェス

ティバル牧場めぐりツアー等でお邪魔させて頂き、テンポイントの

お墓参りや牧場見学、そしてまだ健在でしたフジヤマケンザンや

ライデンリーダーに会わせて頂きました。

今年の4月に火事で繁殖牝馬5頭を失い、更に吉田社長の

体調も悪いとのことから閉場を決断したとのこと。

しかし、吉田社長は残った馬の面倒を最後までやり遂げると共に

来年デビュー馬の活躍を楽しみにしていただけに、どんなに

心残りだったでしょうか。

心より吉田社長のご冥福をお祈りいたします。

 

そして気がかりなのは残された馬や牧場は今後どうなる

のでしょうか。

1898(明治31)年に創業した名門中の名門吉田牧場は、昭和、

平成、令和の時代を生き抜き、そして古き良き昭和の情景を残す

本当に美しい牧場です。

ぜひ日本中央競馬会に重い腰を上げて頂き、この牧場を買

い上げ、空港からも近いことから、メモリアルパークとして私が

小学校の時に夢として競馬雑誌に投稿した功労馬達が余生を

過ごす名馬牧場や競馬博物館等を造って頂きたいと思いまし、

そして古き良き情景を残す吉田牧場を競馬遺産として

ぜひ残して頂きたいと思います。

運営費や維持費はかかりますが、競走馬や競馬ファンへの

恩返しとして、ぜひ実現して頂きたいと思います。

そして、功労馬達の面倒見ている牧場には、今まで以上に

手厚い支援をお願いしたいです。

競走馬あっての競馬ということを決して忘れてはいけません。

日本中央競馬会の勇気ある決断と行動を期待しています。