クローン説
〇クローン説とは （→黒の組織『ルパンVS複製人間』ＥＮＤ説）
クローン説は黒の組織がクローン研究に関わっているのではないかという説である。この説は2008年頃から提唱されていたようだが、ネットユーザーの蒼い狼氏がこの説を体系化した。黒の組織の目的の最有力候補とあの方スレなどでいわれている。つまり、この説は黒の組織の目的クローン開発説と密接に関係している。
〇烏丸or宮野夫妻クローン化説
烏丸の年齢面での謎からして烏丸は今、クローンになっているのではないか。また、宮野夫妻も今、クローンになっているのではないか、という説である。
〇作中でのクローンの扱い
ジョディがＦＢＩに入っていることが42巻で明かされたが、実はジョディ初登場時にジョディは「ＦＢＩ」というワードを口にしている。世良の出身についてもズボンのポケットの柄がユニオンジャック（英国旗）だった。このように青山は、現実空間にも実在するものを作中で後々出す前に、何らかの具体的なワードor固有名詞を描写する傾向にある。
2018年94巻現在、作中で「クローン」という具体的ワードは出ていない。ただ「ＦＢＩ設定、英国系設定などと違ってあまりにも組織の本質にかかわるのであえて『クローン』という具体的ワードを出していないのではないか」という声がある。また、明らかにクローンを暗示させる描写が作中の随所に見られる。
〇クローンを暗示していると見られる箇所
・File：384で、灰原は「まあ安心しなさい…私の研究の目的はそんな夢のような薬じゃないわ…この地球の殆どの人間にはその価値を見いだせない愚かしい…そう…この小さな国の女の子にしか必要とされない雛人形のような物だもの…。」 と言っている。
→雛人形はある人物（烏丸など？）と同じＤＮＡを持つクローン人間の暗示か。常識的に考えて、大半の一般人にとって、「同じ意識・記憶を持つもう一人の自分」なんて必要ではない。「この小さな国の女の子にしか必要…」は技術の利用者が限定的なことを示しているのでは。
・28巻でコナンたちが不老不死の人魚伝説の伝わる美國島を訪れた際、観光者リストの中に、日本政府高官と一緒に、ジンとウォッカのコードネームである「黒澤陣」「魚塚三郎」と灰原の本名である「宮野志保」が記載されている。青山はこのシーンを伏線と明示している。
→不老不死関係の技術開発について黒の組織は日本政府と接触・協力しているのではないか。ただ、作者は黒の組織の目的不老不死説を否定している。
・37巻で高飛車な女が、システムソフトの開発者だった板倉卓に電話越しに「We can be both of God and the Devil. Since we're trying to raise the dead against the stream of time.（我々は神でもあり悪魔でもある。なぜなら時の流れに逆らって、死者を蘇らそうとしているのだから…。）」と述べた
→クローン開発は生命倫理の観点から「人が神の役割の領域に踏み込もうとしている」と指摘され、危険視されている。「死者を蘇らす」はクローン人間を作ることか。
また、板倉のこの場面は、小説『フランケンシュタイン』で物質に生命を吹き込むことに成功し、墓場から持ち出した死体を使って、『怪物』を造り出したフランケンシュタイン博士の境遇と酷似する。
・75巻のウェディング・イブ事件
→異性一卵性双生児という深い医学的知識に基づいた事件。しかも安室がメインの回だった。「DNA鑑定なら姿を変えてみんなを騙してる人もすぐにわかっちゃうね！」と蘭が発言。
赤ん坊の時に巻き込まれた火災で両親が死亡したことで、身元不明のまま赤の他人同士として教会で育てられた婚約カップル。
異性同士の双子でDNAが同じになるのは極めて稀な例であり、それによって生まれた女性はターナー症候群により低身長になりやすくなるらしい(実際初音の身長は140後半と、日本人女性の平均身長159cmに比べ低めであった)。 メアリー母さんとの関連性。
・青山がＡＰＴＸ4869の設定を書く時も青山はわざわざ医師に取材・確認した上で創作された。
→クローン技術についても青山はかなり医学的事実を認知しているのでは。
・コナン連載開始の1994年、そして組織編の構想が大まかに完成したとされる十数巻代のころ、現実世界でクローン羊etc再生技術・クローン技術の開発が盛んに。（青山は1巻の時点ではコナンが90巻を超える長編になるとは想定していなかった。現在の黒の組織の細かい設定がまとまったのは十数巻代のころだという。）
〇クローン説の注意点
・この説はコナン考察界で2008年頃から既に提唱されていたようだが、ネットユーザーの蒼い狼氏がこの説を体系化した。蒼い狼氏は転載禁止を希望しているので、彼の実際のレスを直接載せる。 ① 、② 、③ 、④ 。
・ベルモットの不老の謎を「今のベルモットは初代ベルモット（＝シャロン）と同じＤＮＡを持つクローンで、初代ベルモットと別人だ」と仮定して考えている者がいるらしいが、クローン人間の場合、確かにＤＮＡはオリジナルと一致する一方、指紋は同一にはならないとされている。なので、ベルモットの不老は組織の開発した薬（ＡＰＴＸ、シルバーブレットなど。ベルモットは宮野夫妻を強く嫌悪している）の影響なのではないかという説が現在、有力である。