特発性正常圧水頭症 アルツハイマー合併によるシャント術効果の研究 | フレイルも認知症も減らない日本

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ウイルスと戦争の世紀で人生を終えることになるとは・・・まさに第三次世界大戦前夜の状況ですからね しかも本日は日本の金融市場はトリプル安

歩けないアルツハイマーの話は
珍しく無いですね。

拙著にも書いておきました。



朝日新聞より。




認知症を起こす
2つの病気の合併、
解明に向け臨床研究



 「治せる認知症」とされる特発性正常圧水頭症について、治療の有効性を調べる臨床研究が始まっている。患者がアルツハイマー病を合併していた場合、認知症の改善がみられない恐れがあり、より精度の高い効果予測の確立を狙うという。


 臨床研究を担うのは、大阪大や順天堂大などのグループ(主任研究者・森悦朗・大阪大大学院寄付講座教授)。

今年度から始めた。

 特発性正常圧水頭症は、脳脊髄(せきずい)液が脳室に必要以上にたまって脳を圧迫する病気。代表的な症状として、物忘れなどの認知症状、歩きにくくなる歩行障害、失禁など排尿障害の三つがある。

 国内の患者は65歳以上の1・1%、40万人近くいると見られている。さらに患者数が多い可能性を指摘する意見もある。

 治療法として、脳や腰からチューブを入れて、脳室の水を抜いて、脳室に髄液がたまらないようにするシャントと呼ばれる外科手術が広く実施されている。

研究を担当する順天堂大の宮嶋雅一教授(脳神経外科)によると、近年は治療ガイドラインの整備が進み、効果の見込める患者を絞ることがしやすくなった。過去の報告では、6割程度の患者で認知症状の改善が見込まれたという。

 一方で、認知症の改善がみられない患者もいる。その原因にアルツハイマー病などの合併が疑われている。


アルツハイマー病患者の脳(左)は、脳の萎縮により隙間ができた天井部に髄液がたまっている。一方、特発性正常圧水頭症(右)の場合、脳の中央付近にハート形に見える脳室内に髄液がたまって脳を圧迫し、天井部に隙間が見えない(宮嶋雅一・順天堂大教授提供)



 アルツハイマー病も、記憶や認知機能に障害が出る病気として広く知られている。脳内に、アミロイドベータ(Aβ)やリン酸化タウたんぱく質が蓄積して神経細胞が壊れて症状が出ると考えられている。

 研究グループはリン酸化タウたんぱく質に着目。

特発性正常圧水頭症と診断された患者の髄液中に含まれるリン酸化タウたんぱく質の量を調べて、一定値以上を「アルツハイマー病理」があるとして振り分けることにした。

 研究チームは、アルツハイマー病理が認められた患者について、シャント手術をするグループとしないグループに分類。

計150例の患者を2年間、追跡調査し、有効性を比較するという。

 宮嶋教授は「特発性正常圧水頭症の患者の半数にアルツハイマー病理が認められるという海外の報告もある。シャントをしてもアルツハイマー病によって認知症に対する効果が出ない場合もあり、効果を見極めるための判断材料を探りたい」と話している。