淳の自己満足型批判論 -24ページ目

証拠は絶対

金銭の貸借で、借用書等、書面による証拠がない場合について考えてみよう。


このケースは非常に困ります。

例えば、物の売買であれば、目に見えるものが移動するわけですから、たとえ契約書がなくても、後から証明する方法はなにかしらありそうです。

しかし、金銭貸借だと、これを証明するものがないと、債務者が
「金なんて借りてねぇよ!」とか言い始めたら、次の点で困ります。

まず、金銭消費貸借は、法律上「要物契約」といって、金銭を現実に渡した時に契約は成立します。

なので、裁判となった時、原告である債権者が、

「貸した事実」を主張・立証する責任を負います。

金銭を直接手渡したんだ!と言っても、裁判官は


「だから証拠は?」

といった感じで認容判決を得るのは非常に厳しい。


立証責任を負う者が立証できない場合、負けるのが原則です。

つまり、立証責任を負う者は、敗訴の危険をも有していると思ってください。


結局、これを証明するには金の貸し借りに立ち会った証人の証言に頼るしか方法はなくなります。


ちなみに、証人が法廷で嘘の証言をした場合、
「偽証罪」に問われる可能性がありますので、注意してください。



また、頭のいい債務者になると、
「金は受け取ったが、あれは借りたんじゃなくて、もらったんだ!ははは」

と言われたらさらに困難です。


つまり、民事訴訟法ではこれを

「否認」といい、原告側が
金銭の授受+返還約束

を立証しなければなりません。


昔から金を貸す時は返ってこないと思え!


と言われますが、確かに証拠を残さない側にも責任はありますよね。


返してほしい金ならば、
後々の事、最悪の場合に備えて証拠は作るべきです。


簡単なメモでも構いません。

書式も法律上決まりはありませんし、要は裁判官が見て「確かに金の交付があったんだ」と思わせるぐらいの証拠で十分です。

強迫じみた回収


債権回収の目的は、債務者に債務を返済するという行為をさせることです。


そのためには、債務者への心理的圧迫をかけることは非常に大切です。


これから述べる脅迫的な回収方法は、債務者へ圧力をかけることになります。


しかし、いくら正当な債権の行使であっても限界があります。

強迫的な手段を用い、相手から金品または財産上の不法な利益を得る行為は、
刑法上の「恐喝罪」にあたりますからね。


最高裁判例では、
「社会通念上、一般に許容すべき程度を越えたときは恐喝罪になる」と判しています。


なので、多少大声をあげて請求を迫っても、程度をわきまえれば罪になりません。


また、詐欺的請求も権利の範囲内なら許されます。


債務者の債務の履行をさせるために、架空の金儲けの話などを持ちかけ、債務者をその気にさせて回収することも、世の中では年中行われています。


他にも、「今貸している金を返してくれれば、おまえを取締役に選任してやるよ!」


これは詐欺罪に当たらないのか?と疑問に思う方がいらっしゃると思いますが、あたりません。


詐欺罪の構成要件に該当するには、

①騙す行為をする
②それを原因として錯誤に陥らせる
③その錯誤を原因として財物を交付させる
④行為者に騙す意思があること


このように、因果関係が二重にあり、一つでも欠ければ詐欺罪は成立しません。

夜討ち朝駆け

昔から債権回収にまつわる用語で
「夜討ち朝駆け」という言葉があります。

たとえば、会社への債権回収の場合、朝一番に押し掛けるのは効果的でしょう。


一般の会社では、朝は朝礼会議をする時間で、今日の始まりなわけでもあります。

そこで毎日
「カネ返せ!」
と来られれば、さすがに債務者も参ってしまいます。


これは、違法でもなんでもありません。



また、悪質な友人、知人には夜8~9時を目処に訪問するのが効果的です。

家族団らん中に
「○○~カネ返してや~」


妻や子供の手前ではかなり気まずいですね。

ちなみに、貸金業者については時間規制があります。


正当な理由なく、午後9時から午前8時までは訪問を禁止しています。


私人同士では、このような規制はありませんので安心して取り立ててください。