このおれがおまえなんか好きなわけない　感想

緒川千世さんの作品です。

このおれがおまえなんか好きなわけない

あらすじ

昔から町で評判の美少年・藤間大成。
周りに甘やかされて、我が儘放題に育ってきた大成の人生には、唯一の汚点がある。
それは中学のときクラスメイトだった御徒町啓太の存在だ。

そんな大成と御徒町が、ある日、3年ぶりに再会。
大成の復讐大作戦が始まった！
……なのに、おかしいぞ？
御徒町のことなんて大嫌いなはずなのに、ドキドキして大成の頭はまともに働かない。

まさか、この俺があいつを好ーー!?

ネタバレ有り

顔だけが取り柄の藤間大成は、中学時代に御徒町啓太と仲良くしていた。
何でもない事がキッカケで話している所を女子に見られ、御徒町と仲良くすれば注目の的になれる！と言う理由で近づいたが、一緒にいると楽しくて。
そんな時友達と思っていたのに、御徒町から友達だったの？と言われて大ショックを受けた大成は、御徒町と距離を置いた。

裏切られた過去を隠して高校生活を楽しく過ごしていたが、御徒町が転校生として大成の高校に現れ2人は再会。
しかも御徒町は大成の事を覚えておらず、そんな御徒町に怒りを感じた大成は、同じ事をして復讐すると考えた。
幼馴染みの安吉・徳子の双子兄弟にも協力を要請し、また友達として過ごし、徐々に距離が近づいていく。

復讐する為に仲良くしているのに、御徒町といれば嬉しいし、誉められたら喜んでしまう大成。
安吉・徳子に御徒町の事が好きなのでは？と言われても全力で否定する大成だが…。

大成が作った激マズ弁当を完食した御徒町は、翌日体調を崩し欠席。
罪悪感で一杯の大成は、安吉・徳子に連れて行ってもらい御徒町のお見舞いに行き、泣きじゃくりながら謝罪する。
そんな大成にカワイイと言う御徒町は、キスをしてきて、告白もしてくる。

ここで復讐を！と双子に煽られるが、大成の口から出た一言は、嬉しいだった。
自分で何を言ってしまったのかと驚き、その場を逃走。
翌朝夢だと思っていたが、やっぱり御徒町は大成を好きだと分かり、復讐の為にひどく振ってやろうと画策。

しかしグイグイくる御徒町に戸惑う大成。
大成が嫌ならもう近づかないと言われて、それは絶体にダメ、と即答。
自分の気持ちに気が付いてしまった大成は、復讐なんてどうでもよくなり、御徒町と恋人に。

御徒町とラブラブ生活を送る大成。
だが御徒町の従兄弟の真澄が現れ、大成の邪魔をしてくる。
真澄が復讐の事を知ってしまい、御徒町にバラしてしまう。
確かに前は復讐しようと画策していたから、中学の時に傷ついた事を全部話してしまう大成。
それから口を聞いてくれなくなり、大成は落ち込んで熱を出してしまう。
でも倒れた大成を運んでくれたのは御徒町で、それを聞いた大成は、やっぱりキチンと謝って本当の気持ちを伝えたいと思う。

自分の気持ちを伝えた大成。
すると御徒町は大成に怒ってる訳ではなくて、大成を傷つけてそれを忘れていた自分にムカついているから合わせる顔がない、と話す。
顔が見れなかったから寂しいから見せて、とお願いする大成が可愛くて仕方なく、仲直りする2人。

そして真相が分かる。
中学時代の大成と今の大成が同一人物だと理解していなかった御徒町。
中学時代の想い人は、大成だったのだ。
しかも友達じゃないと否定した訳ではなく、友達がいなかったから友達と分からなかっただけ。
大成があまりのショックで、その後の御徒町の言葉を聞いていなかった。

随分遠回りした2人だが、やっと落ち着く所に落ち着いた。
御徒町は大成が欲しくて仕方ないが、クラスメイトに邪魔されて少しホッとしている大成だった。

と、言うお話でした