最後の夜 | りぼんの日記

りぼんの日記

ある日夫が突然失踪。その原因は脳腫瘍(悪性リンパ腫)でした。わずか2ヶ月の闘病生活を経て2022年9月10日53歳でこの世を去りました。夫の闘病の記録と残された私と3人の娘の今を綴っていきます。



夫の闘病中、死別後の事を
忘れないように記録として

また、少しでも読んでくださる方の
お役に立てればと思い
ブログを綴っております。


グリーフを抱えている最中で
時系列に思い出す事が大変難しく
順を追って記録する事が出来ない為
バラバラな記事になっております。


読みにくいかと思いますが
何卒ご了承ください。





緩和ケア病院に転院した初日のこと







病棟師長から





がんセンターからの申し送りでは

「意識レベルが低下しており

ほぼ寝たきりの状態」

と聞いていたので

相部屋のベッドを用意したが

病棟に上がって鎮静剤が切れた途端

寝返りを打ったり

起きあがろうとしたり

ベッド柵に手足をかけたり

と落ち着きなく動いて危ない為

急遽、鎮静剤を打って寝かせた。

この状態で相部屋に入れるのは危険なので

個室に変更します。





と説明があり、個室に移動となった。




 

さらに

「今後、鎮静剤を変更するにあたって

新しい鎮静剤が効くまでこの状態だと危ないので

今夜から付き添いしてください」

と言われて

初日から付き添いで泊まり込む事になった。






ベッドだと多動で転落の危険があるが

出来るだけ抑制帯はしないという方針の為

個室のベッドを出して

床にマットを敷き詰めてくれ

その上に布団を敷いてくださり

動いても危なくないように配慮してくれた。






なので

その夜は同じマット上に

私の布団も敷いてくださり

夫と一緒に寝ることになった。






夫は病気になってからほぼ昼夜逆転しており

その日も深夜になっても多動でなかなか眠れず

看護師さんに鎮静剤を調節してもらいながら

夫に何度も声を掛けてなだめながら寝かせたが

何度も起きてきて激しく寝返りを打っていた。








いつ頃落ち着いて眠ったのか覚えていないが

翌朝、気がつくと夫と抱き合って寝ていた。








夜勤の看護師さんから

「ご主人は奥さんの身体に腕を掛けて

とても落ち着いて寝ていましたよ」

と言われて嬉しかった。

 






翌日の昼間には新しい鎮静剤が効きはじめ

落ち着いてきたからベッドでも大丈夫

とのことで

夕方病院に行ったら

ベッドになっていて

反対側の壁沿いに

付き添い用の簡易ベッドが置かれていた。






毎日一緒に寝たかったな…と

少し残念に思った。

その翌日付き添いで泊まった次女も

一緒に寝たかったと言っていた。








それが

夫と同じ布団で一緒に寝た最後の夜となったが

今では闘病中の貴重な思い出になった。