スカイリム(SkyrimSE) VIGILANT 編 第4章 その1 コールドハーバーに降り立つ | TES&fallout forever

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 俺達はウォーターフロント地区に向かう事にした。道中でセラーナはアレッシア教団の事を少し話してくれたが、ぺぺ司祭の言うようにあまり評判のいい組織ではなかったらしい。

 その後、道なりに歩いていくと盲目の女性が何かを探していたのを見かけた。俺達は気になったので話しかける事にした。彼女はマーサという名前で家族のお墓を探しているようだ。コールドハーバーに堕ちるような人に見えなかったが訳ありのようだ。これも何かの縁、手伝うことにしよう。

 手伝う事をマーサに伝えると、彼女は喜んで名前を教えてくれた。ヨハン、サイモン、タラースという名前のようだ。コールドハーバーは広いが注意して探すとしよう。

 

 マーサ「本当に感謝しています。ありがとうございます!」

 パーマー「いえいえ。ここでは危険に満ちてますから俺達に任せて下さい」

 セラーナ「人助けをする余裕はございませんのに...。でも見捨てるのも後味が悪いですわね」

 ミラーク「奴らしいと言えば奴らしいな」

 

ウォーターフロント地区を探索せよ!

 ウォーターフロント地区に到着すると、そこは衛兵の代わりにデイドラ達が警邏している風変わりな町といった具合だった。魂亡き者と呼ばれるアンデッドにスキャンプ、デイドロス・バトルロードやミノタウロス・ヴァンパイアやオグリム・ブルート等、初めて見たデイドラも多かった。定命の者に暴力を振るうでもなく喰らうでもなく普通に巡回しているだけだった。治安はそこまで悪くない感じだろうか?

 その後、追いはぎ雑貨店という名前の店に入ってみた。名前からして危なそうだが...。そこは何とバロールが店長を務めていた。生前の見かけとはかけ離れ、顔が包帯で覆われて声でしか判別できない程だったのだ。

 バロールは俺がコールドハーバーに堕ちたことを嘲笑し、買い物なら受け付けるが慈悲などいらないと突っぱねた。彼の顔について尋ねると、変異した「サラシアン病」と呼ばれる病気に感染しており、毎日が苦痛なほどに楽しいと皮肉を言った。最後にステンダールを罵倒して身の上話は終了となった。

 何だか気の毒になったので休息の薬の大と究極を買ってバロールの店に少しでも貢献する事にした。それとノ美しい女性の祭壇を見つけた。

 バロールはこれはノクターナルの祭壇だと教えてくれた。ノクターナルもここに影響力があるのだろうか?よく分からないがバロールは盗賊ギルドの構成員が着るような服を着ている。それに関するのだろうか?

 バロール「フン...。お買い上げどうも~...」

 パーマー「殺した俺が言うのも何だけど、元気を出してな...」

 ミラーク「むしろ逆効果だろう」

 セラーナ「火に油を注いでいるだけでしてよ」

 バロール「いい加減出ていけよお前等!」

 

 今度は異端者の家と呼ばれる場所に行ってみた。そこにはサルモール所属と思われる猿人がいた。あれがイムガと呼ばれる猿人の種族なのだろう。初めて見たなぁ。セラーナもハイエルフのみで構成された組織だと思っていたので驚いていた。

 そう思っているとその隣の牢屋に呪いの大剣で刺されたまま放置されている魂亡き者がそこにいたので思わずぎょっとした。

 名前を聞くとサクラスというらしい。神智学者の職に就いているようだ。サルモールとは敵対してはいるがコールドハーバーに来てまでそれを持ち出したくはない。

 俺はサルモールとは友達であると答えて穏便に済ませる事にした。サクラスはそれを聞いて満足して諍いに発展する事はなかった。

 俺はサクラスがここで何をしているのか尋ねると、表向きはコールドハーバーの調査だが、実際はアレッシア会の記憶の回収を行っていると答えてくれた。

 秘匿された神々や時間の歪曲の知識を得るために行動し、タロスを解析して神の座から引きずり下ろせるかもしれないからという考えで活動していると教えてくれた。そう上手くいくだろうか?そもそもいつの時代から来たのだろう?俺達と同じ時代でコールドハーバーに来たならば独自にオブリビオン・ゲートを開く術を持っているのだろうか?まぁここでその話をしても仕方があるまい。

 それとコールドハーバーで何か起きているか尋ねてみた。ここから出るために少しでも情報が必要だと思ったのだ。

 サクラスはジャガラクという名前のデイドラ・プリンス率いるオーダー軍がコールドハーバーで暴れており、過去のドラゴンブレイクの影響でオ-ダー軍の採掘作業が第一紀で中断されているらしい。そのジャガラクは自身の船から降りないようなので時間はまだあるとのこと。しかし、それもジャガラクのライブラリ次第で採掘が完了して特異点が解消されたら彼自身もその後どうなるのか知らないらしい。 

 だが待てよ。ジャガラクってなんだ?デイドラ・プリンスは16柱までしかいないはずじゃないのか?サクラスに聞いてみると、それは秩序のデイドラ・プリンスとされており幻の存在だと言った。分からない事が多いのだそうだ。もし戦う事になったら注意すべきだろう。

 俺は呪いの大剣で刺されている魂亡き者について尋ねると、あれはモラグ・バルに魂を奪われた者の成れの果てだと教えてくれた。外で見かけても近づくのは避けるように忠告された。不用意に近づくと命と魂を奪いに来るだろうと言った。さっき見かけたのは襲って来なかったんだけどなぁ。暴れるのも何体かいるということだろう。注意しよう。

 ここを出るためには情報集めが必要だと思ったので何か手伝う事があるか尋ねると、サクラスはアレッシア会の司祭の魂を調べると、ジュナールの名前が何度も出てきたと言った。確かジュリアノスの事だっただろうか?それが第一紀に人として活動していたらしいのだ。エイドラが人に化けて活動するとは珍しいな。どういう魂胆だったのだろうか?

 そのジュナールの書庫が帝都のどこかにあるらしいので探し出して文献をいくつか持ってきてくれたらそれ相応の報酬を支払うと約束してくれた。やることは増えたがしっかり頑張りますかね。

 

 サクラス「よろしくお願いいたします」

 パーマー「何とか見つけ出せるようにしておきますよ」

 セラーナ「また安請け合いして...」

 ミラーク「やることリストを用意する必要が出てきそうだな...」

 

 サクラスとの話が終わった後に外に出て進んでいくと項垂れている男性の騎士がブツブツうわ言を唱えているのを見かけた。その隣の遺体袋は彼の妻らしかった。ヴェナという名前のようだ。何かあったようで心が砕かれた様子だ。

 彼をそっとしておこうと思い、今度は閉ざされた門に寄りかかる男性の騎士に話し掛けてみた。ジャンカン卿という名前らしい。この門を開けるには監視塔にいる監視長から鍵を奪うしかないと教えてくれた。

 心が砕かれた岸について尋ねると、彼の名前はメラス・ベティラスという名前でもう狂っているらしい。したいと話すようなやつとは関わるなと警告された。しかし、狂人には狂人の安らぎがあるので、邪魔をするのは無粋だと諭してきた。その通りだと思う。俺はメラスの安らぎを奪う権利などない。そっとしておくべきだろう。

 その他にはステンダールの番人がここに飛ばされたらしく、メンタ・ナに戦いを挑んで殺されたらしい事も教えてくれた。その時俺もその同類で弱々しい連中なのではないかとジャンカン卿は言った。

 いや~アルドゥインやハルコン卿、ウルフリック首長に勝ってきたので弱くはないと思うけどなぁ。それにステンダールの番人だってデイドラや吸血鬼相手に懸命に戦っているんだぞ。俺は吸血鬼だけどさ。まぁ揉めたくはないから言わないでおこう。

 

 

 ジャンカン卿「貴殿も身の程を弁えて行動することだ」

 パーマー「その進言は謹んで受け止めますよ。でもステンダールの番人だってそこまで愚かじゃない...」

 セラーナ「いらないケンカを売ったりはしないでほしいですわねパーマー」

 ミラーク「吸血鬼なのにステンダールの番人の肩を持つとはおかしな奴だ」

 

 ジャンカン卿との話し合いを終えた後、情報収集している中で何件かの廃屋に入って行くと本を見つけた。

 草原の民という題名の本には、ラマエに殺された遊牧民の生き残りの「ラザ」という名前の人物が自身の両眼を潰して「石」を求めて亡者の如く這い回った。安らぎがそこにあってもラザはそれを否定して眠る事はなかったと締めくくられていた。

 その次はラザと白いフクロウという題名の本には、泣き腫らしたラザに秩序の風になるなと告げた。そうなれば狼に戻ってしまうと警告したのだ。狼になるというのは何かの例えだろうか?

 更に次はラザと灰色のフクロウという題名の本で、復讐心に燃えるラザに灰色フクロウは両目を潰すように唆した。盲目になれば何者も捕らえることが出来なくなると言った。しかし、それはラザも盲目になるので目と鼻を使って血の臭いを避けてフクロウの鳴く方に向かえばカイネの下に辿り着けると言った。ラザは灰色フクロウに付け込まれたということか...。

 最後はラザと黒いフクロウという題名の本で、短剣を泉に入れてネーデの乙女の血を洗い流すように命令した。杖を失うが牙を得て、泉は淀むが狼になれる、カイネは失われるが失われた者達に一歩近づけると言った。恐らくラザはそうしたのだろう。それから後はどうなったのだろうか?復讐を遂げて安らかに死んだとは思えない。きっとどこかで石を探し続けているのかもしれないな。

 今度は洗礼者の家とされる場所に入った。そこにはシロドの八聖人という題名の本があった。アレッシア会関連の本だろう。マルクに仕えていた8人の男女について書かれてあった。

 サルドは赤い目と青い瞳を持つ不死者にして聖アレッシアの侍女であり、彼女の死後はベルハルザ帝に仕えた。アレッシア会成立後はマルクに仕えたが、マルクの死後彼女は急激に老いて両目を残して灰になった。

 モウラはハイロック出身の偉大な治癒師で、吸血鬼の血で汚染されたイルナリタ湖を一夜で浄化したそうだ。しかし、サラシアン病流行の際にアレッシア会と対立し後に処刑されたようだ。その後は記録を抹消されたとある。

 今度はジュナールだった。サクラスさんの話に出てきた人物だ。アトモーラの魔術師でスカイリムを追われた後は、アレッシア会に身を寄せていたらしい。ルーンに関する知識が豊富であり、それを活かしてマルク派の勢力拡大に貢献したそうだ。晩年は「マルクの聖火」と呼ばれる秘術を完成させたが、アレッシア会に渡すのを拒んだために追放された。死後は最も信頼されていた弟子のコスマスに引き継がれた。アレッシア会に戻る際にはあろうことかマルクの聖火を使用してマラーダやベイルーンを浄化してしまったようだ。

 ネニョンドはシロドの東方領主であり、狂信派であるマルカティ派と呼ばれる派閥の中でも非常に穏健派であった。全ての財産を投げ打って領土の地下に大修道院郡を築いたが、夜明けの時代の遺跡を発見後、マンサールという名前の人物と共に消息不明となる。その後、領地はベルハルザ帝の命令でヴァルラという名前の人物が治めることになった。

 先ほど出てきたマンサールはアレッシア会の法術師であり、優れた建築家だった。ネニョンドの支援で数百に及ぶ修道院の建築に携わった。しかし、最後は前述の遺跡を発見後、ネニョンドと共に消息不明になってしまった。

 シロドはマルク派の創設者の1人であり、マルクの預言に従いルマレ湖に沈む赤子を救ったとされる。マンサールとネニョンドの捜索を行ったが、生きて帰ってこれたのは彼だけだった。以後、その遺跡は封鎖されたらしい。

 カリバンはマルカティ派の創設者の1人であり、最も狂信的でありマ聖骸を用いて「門」を開こうとしたが失敗し、数百人の門徒と共に姿を消す。恐らくオブリビオン・ゲートを開こうとしたのだろう。

 ぺランは出自不明だがマルクをコロヴィアの密林で見出し、マルクに最も信頼された人物で後に遺品の管理を任されていたそうだ。アレッシアの祝福で1,000年もの生きる命を得たが、年月を経るごとに人間離れした姿になってしまったらしい。

 2階に上がるとお世辞にも趣味がいいとは言えない祭壇のようなものがあり、そこにも本があった。ドラゴンブレイクの立証という題名で、内容は難しかったがアカトシュを人間の神に戻す事を目的としており、塔にて選ばれし者は「正しき命」の詠唱を始め、単一の思考状態になるまで続けるとあった。マルクとシェザールという名前の人物を称えながら締めくくられていた。

 ミラークはシェザールとはショールの別の名前だと教えてくれた。つまりはロルカーンなのか?シロディールとスカイリムでは呼び名が違ったんだろうか?ややこしいな。

 それと気になったのは人間を模した像だ。これは魂亡き者の末路と書かれており、何かに使えるかもしれないと思い貰うことにした。


 今度はブーロルという名前の男性の家に寄ってみた。どうやら彼はヴェルナカスと因縁があるらしく、コールドハーバーで愛用の弓を取られてしまいナイフ投げで技を磨いていた。数百年鍛錬してもナイフ投げの才能が開花しなかったので、根っからの射手なのだろう。

 俺はブーロルの為にも弓を取り戻す事を誓うのだった。

 

 ブーロル「頼んでいいのか?ヴェルナカスに一泡吹かせてやってくれ」

 パーマー「奴を殺してきちんと取り返しますよ」

 セラーナ「やる事リスト、必要になりそうですわね...」

 ミラーク「我々3人だけで突破は困難かもしれないから仕方がないのだろうが、また増えるのか...」

 

 今度は古井戸と書かれた家に入ってみると、袋のようなお面を被らされた男性の聖職者がいた。しかし、両手を拘束されており周りの彫刻は彼を求めるような苦悶に満ちた表情と仕草、それと信者と思われる骸骨や輝きの聖杯と呼ばれる焼死体が置かれてある等、かなり異常な光景だった。セラーナも空気が禍々しいと警告していた。

 その聖職者は腑分けの聖者という名前らしく、唐突に愛を見つけたかどうか聞いてきた。驚きつつもなぜここに囚われたのか聞いてみた。彼はそれを奇妙だと指摘し、我々はいつもここにいて、今も聖堂の地下に囚われ、一方で笛吹の丘で祈りを捧げている等と詩的で抽象的な表現で俺達を諭してきた。

 俺は今コールドハーバーにいるが、同時にコールドハーバーは俺に内包されているとも腑分けの聖者は言った。ここもそこも、どこでもないと。ここにいるようでやはりどこにもいない。全ては偽りなのだと。よく分からないな。コールドハーバーは確かにここにあるがそれが全て俺が幻覚を見ているとでも言いたいのだろうか?セラーナもミラークも頭を傾げた。

 あまりにも難解なのでコールドハーバーから出る方法は無いかと尋ねた。腑分けの聖者は俺達に名前を捨てる事を提案した。無名者は混沌と共にあり、モラグ・バルの目さえも誤魔化せるのだとか。

 しかし、名も無き者になれば俺達を区別する者はいなくなる。区別出来たとしても輝きに眩んでしまうだろうと腑分けの聖者は警告した。それでも我々と暗闇を這いずるかと聞いてきたが、答えは否だ。コールドハーバーへは自分の意志て堕ちたのだ。ならば自力で出ていくまでよ!だから俺達は断ることにした。

 

 腑分けの聖者「素晴らしい心構えだ。そうでなくては命は輝かない」

 パーマー「そうでなければモラグ・バルと敵対した意味がない。俺達は自力で出るまでです」

 セラーナ「内心冷や冷やしましたけれど、腑分けの聖者にお願いするのはリスクが高すぎますものね」

 ミラーク「折角現世に帰還したのに訳が分からぬ存在になるのは私としても御免被るからな」

 

 腑分けの聖者との問答を終えた後、今度は盗賊カンラの巣と書かれた家に寄った。人物というよりもウサギかクマか分からぬ動物だった。藍色の体毛で赤い目をした見た目でかなり可愛かった。セラーナはあのつぶらな瞳は影の事情通ではないかと推測した。本当かぁ~?(シェオゴラス風)

 カンラは「ワル」を自称しており、ワルな方のカンラだと自慢気に言った。他にもカンラがいるのだろうか?もしかしたら種族名かもしれない。笑い方や悪事も子供じみていて無害な印象だ。それでも事情通なのは本当のようなので、困ったら相談するのも良いかもしれないと思った。

 

 

 盗賊カンラ「クックック...。ワルへの道は険しいんだ...」

 パーマー「そうだなぁ~(めちゃんこ可愛いなぁ)」

 セラーナ「ワルなカンラさんは素敵ですわね」

 ミラーク「可愛いのは確かだが変わった動物だな」

 

 その次は言えの名前を見て驚いた。そこはジョバンニの家だったのだ!入ってみるとやはりあのジョバンニで、俺達は再会を喜んだ。それとマルソもそこにいた。正確には猫ともトカゲともつかぬ容姿をしていた。因果応報、自業自得と思ったが責めはすまい。俺だって吸血鬼の力を、モラグ・バルからの力を甘受してきたのだから...。

 俺はここの人々の容姿が変わっているのが何人かいる要因について尋ねると、病気持ちのヒルに寄生されたからだとジョバンニはいった。彼は汚染された水は飲まないから自分は感染しなかったのだと言った。

 それとマルソの変貌についても尋ねてみた。やはりというべきかモラグ・バルの力を借りていたようだ。全てはカンパネルラの心を自分に向けるために。その代償でああなったらしい。魂を捻じ曲げられて一匹の獣へと堕とされた。ジョバンニもいずれそうなる定めだと自嘲気味に言った。

 身につまされる話だな...。俺も吸血鬼の王の姿がドラゴンと吸血鬼の力が入り混じった姿に変貌した。自分で吸血鬼であり続けることを選んだのだ、当然の帰結かもしれない。それを思うとマルソの姿は俺の未来の姿かもしれないな...。

 

 ジョバンニ「お前がどういう経緯でここに来たのであれ、ジョバンニは本当に会えて嬉しいと思う」

 パーマー「そうだな、俺も嬉しいよ」

 セラーナ「マルソの姿は私にも身につまされる話ですわ」

 ミラーク「デイドラ・プリンスと契約するとはそういう事だからな。代償の怖さは痛感しているつもりだ」

 

 その後、休憩がてらジョバンニの家にあった本を何冊か読まさせてもらった。

 ジャバルのタマゴという題名の本では、ずんぐりむっくりの猫のジャバルが首を刎ねられた後に三度月が巡るまでアネクイナの神殿に晒され続けた。これは一度目の月の巡ったの時の話だった。ジャバルは言った。タマゴからかえるのがオスかメスかは誰にも分からない。分かっているのはどちらにもなり得るタマゴというだけだと。

 だから猫はタマゴを温めてヒヨコが生まれたら、メスかどうかを選り分ける。オスかどうかで選り分けないが、どうしてもメスの中に混じるのがいる。それがニワトリになったらオスの性に逆らえないのである日一斉にけたたましく鳴くようになる。その所為で猫は眠れなくなり、着地する事を忘れてしまう。終わりのない落下で大地を求めるようになるとジャバルは言ったそうだ。

 それを聞いた書記者ジャイは三度月が回る間に生まれた子猫を殺すように兵士達に命令したとある。そして、無限落下の風の中ならば猫の魂は夢見ることが出来るだろうとジャバルに言った。それを聞いたジャバルはけらけらわらと笑い、すべて世はこともなし、メスのようなオスのニワトリはけたたましく、全ての猫の眠りを妨げると言って締めくくった。

 随分変わった内容の話だな。ニワトリが先かタマゴが先かみたいな話だ。選定作業なのだろうか?それでも恐ろしい話だなと俺は思った。

 次はジャバルのヒヨコという題名の本では、ニワトリで大抵絞め殺すのはオスになる。タマゴを生むのはメスだからだ。ヒヨコも大抵はオスを潰す。メスのヒヨコはニワトリのメスとなってタマゴを産むからだ。タマゴにもオスとメスがあるが丸くてころころしているので見分けがつかないとジャバルは言った。

 ニワトリを絞め殺すのは残酷で、ヒヨコを潰すのはちょっと残酷で、タマゴを割るのは何てことない。それは変わりはしない事で、だからこそ猫はニワトリを絞めずにヒヨコを潰すことになる。本当はタマゴの方を割りたいが、ヒヨコがもう割ってしまっているので仕方がない。どうしようもないから潰すのだとジャバルは言った。

 それを聞いた書記者ジャイは困惑しているようで、物には限度があると反論した。その反論を聞いたジャバルはけらけらと笑い、ニワトリにもヒヨコにもタマゴにも限りがある、青天井のようで猫が跳ねるには低過ぎる、底無しのようだが猫が飛び込むには浅過ぎると言うのだった。この話もよく分からないな。際限のない選定の話なのだろうか?

 最後はずんぐりむっくりの猫という題名の本で、3節の歌詞が綴られていた。第1節は赤い月に生まれた子猫で、生まれた時から年老いていていたとあった。第2節はアネクイナの裂け目に赤い石、月夜に跳ねた数だけ若返るとあった。第3節は跳ねれば跳ねるほど追われる身となり、アネクイナの王様が首を刎ねてもけらけらと笑っていたとあった。

 何とも表現しにくいカジートだ。特殊な加護を受けているのだろうか?そうでなければここまでの奇行が出来ないだろうと思うのだ。

 ジョバンニの家を後にした俺達は奴隷商の家に向かった。生きたままコールドハーバーに来た人物の顔を見てみたいと思ったからだ。しかし、そこには魂亡き者が門番として俺達に攻撃を仕掛けてきた。俺は黒檀の刀剣で返り討ちにした。襲って来ないはずなのにどういう事だろうか?奴隷商が雇ったのか?

 家には鍵がかけられていたが、俺はロックピックで開錠して侵入した。奴隷商はそこにはおらず、男性の騎士が牢屋の中であぐらをかいて休んでいるのを見かけたのでロックピックで開錠した。彼は俺達に気付いて助けた事に感謝してくれた。閉じ込められた時はどうしようかと悩んだそうだがあまりそんな風には見えなかった。というか酒瓶が辺り一面に散らばっているのだが...。

 彼はヘンリク卿という名前らしい。奴隷商と安酒をあおっている間に酔い潰れて牢屋に入れられたようだ。気付いたらその奴隷商はどこかに消えていたようだ。しかし、あまり恨んでいるようにも見えなかった。もしかして仲が良いのかそれとも底抜けに大らかなのだろうか?

 それとヘンリク卿は他にも仲間がいるらしく、何かあったらマスマラツ修道院に戻る手はずになっている事を教えてくれた。ペペの愚痴を聞くのは嫌らしく気が進まない様子だった。そのため仲間を探しにこの家を出るらしかった。

 それと俺に兜を取ってほしいとお願いしてきた。望み通りに外すとヘンリク卿は俺の目が奴隷商に似ているような事を言ったのだ。ペペの言った通りだがそんなに似てるのか?

 

 ヘンリク卿「ウ~ム...。やはりお主の目はあの奴隷商とそっくりの目をしておる!兜越しでも分かったぞ!そういう目をした者は滅多におらぬからなぁ~」

 パーマー「そうですか?いやぁ自分じゃよく分からないですね...」

 セラーナ「ますます気になりますわね。その奴隷商とはどういう方なのかしら?」

 ミラーク「私も気になるがヘンリク卿よ、酒の飲み過ぎも大抵にした方がいいのではないか?」

 ヘンリク卿「そればかりは聞けぬ相談だなぁ!ウワッハッハッハ!」

 

 俺は奴隷商に関する何か手掛かりが無いかと部屋中を物色した。ヘンリク卿に許可を取ろうと思ったが別に取っても大丈夫だろうと彼は言っていた。その言葉に甘える形で色々調べさせてもらった。

 机の上に奴隷商のメモを見つけた。それを読んでみると陰気な吟遊詩人、つまらない話に下手な語り手と書き殴られていた。コールドハーバーに吟遊詩人がいるのか?読んでいて何となくカチンときた。理由は分からなかったが...。

 その次はアイレイドの芸術という題名の本を見つけた。著者はジュナールのようだ。それにはアイレイドが奴隷達に残虐な仕打ちをし続けた経緯が書き記されており、囚人の耳を壁に釘で打ち付けて一晩そのままにしておいて翌日に絞め殺したり、女子供に暴行を加えたり、乳飲み子を空高く放り投げた後に剣で刺し殺す様を母親の目の間で見せる等常軌を逸した数々で読んでいて気分が悪くなった。よくもまぁこんな事が平気でできたもんだ。反乱が起きても文句は言えないなと俺は思った。

 その次はシローン修道長の皮と呼ばれる代物を入手した。見た目がオグマ・インフィニウムに似ているな...。やはり人皮なのだろうな。何か役立つかもしれないので持っておくとしよう。

 

 奴隷商の家を後にした俺達は鍛冶屋に向かった。武器が壊れた時のための下調べだ。そこは赤錆という名前だった。その主人はトバルという名前の男性で、サラシアン病を患っており、挨拶してもあまり愛想がいい返事をくれなかったがその腕は一流なのだと端から見て実感出来た。何かあれば頼るとしよう。

 

 トバル「...武器や鎧を直したり買いたくなったらウチに来い...」

 パーマー「分かりました」

 

ヴェリン砦を攻略せよ!

 ウォーターフロント地区より先に進むために俺達は監視塔に向かった。ヴェルナカスのいるヴェリン砦に入るための鍵が必要だからだ。そこには衛兵長のスキャンプがおり、スパニアという名前らしい。俺は鍵を貸して欲しいと頼んだが、スパニアは俺の事を罵倒して振り向きさえもしなかった。

 交渉の余地なしとみるしかないので、俺はスパニアが気付かぬ内にヴェリン砦の鍵をスリ取ったのであった。

 スパニアからスリ取った鍵を使って俺達はヴェリン砦に侵入した。そこにはスキャンプやデイドロス、オグリム・ブルートやミノタウロス・ヴァンパイアがおり侵入した俺達を迎撃してきた。骸骨が散乱する場所には「すすり虫」という名前の骸骨の集合体のような怪物がいた。悍ましいのでそっちも殺しておいた。

 俺は黒檀の刀剣、ミラークはファイアブレスやサイクロンに専用の剣、セラーナはアイススパイクや吸血鬼の吸収で攻撃しつつ進んだ。その際に魂亡き者の末路や炎の禁書:輝かしい炎を見つけた。後者は古代の魔法の本なのだろうか?珍しいから貰っておく事にした。俺吸血鬼だけども...。

 

業魔VSヴェルナカス

 最深部にいるヴェルナカスの所まで進むと魔法の障壁でセラーナとミラークと別れる形となってしまった。1人で戦うしかあるまい。

 ヴェルナカスは椅子にふんぞり返り、再度俺に名乗りを上げた。キナレスの死と謳われた自分の実力を見せると豪語した。まぁもう一度殺すだけだ。

 

 ヴェルナカス「やはりあの女と貴様は吸血鬼だったか!ステンダールの番人に扮していたのは謎だが、よくも俺様に恥をかかせてくれたな!無残に殺してやる!」

 パーマー「そうかよ。また俺に殺されるなんてお前も不憫な奴だよな?」

 

 しかし、いざ戦ってみると以前のヴェルナカスとは違う印象を受けた。ムンダスに召喚された時とコールドハーバーで戦う時では実力が違うように感じた。デイドラの住処だけに加護が付くのだろうか?炎のマントを身に纏い、何度も瞬発的な斬撃を繰り出すのは流石に舌を巻いた。

 俺は血液の薬で回復しつつ、ヴェルナカスが止まった所を見計らい黒檀の刀剣で何度も斬撃をおみまいさせた。そして、体力が落ちてきたヴェルナカスの隙を見逃さずに俺は重めの一撃で再びヴェルナカスを殺すのだった。 

 

 ヴェルナカス「ば、馬鹿な!またしても貴様に負けるとは!」

 パーマー「だから言ったろ?不憫な奴だってな!」