俺達はシャウト集めを終えた後の休憩として、ドーンスターのウィンドピークで休む事にした。日が昇っているので吸血鬼には抗いがたい苦しみがあるからだ。早速入るとマズい事にステンダールの番人に出くわした。
そのステンダールの番人はウッドエルフのようでいて違うエルフのようだった。初めて見る種族だった。その男性は俺に挨拶した。アルタノという名前らしい。俺が良い目をしているからその素質があると言った。だが俺はそんな彼に対して内心反感のような感情を抱いていた。その理由は何故かは分からなかった。
アルタノ「どうだろうか?ステンダールの番人になってみる気はないか?」
パーマー「...(人を見る目がないんじゃないのか?俺は吸血鬼だぞ?)」
ステンダールの番人に加入せよ!
俺は本来敵対関係にあるステンダールの番人に入る事は絶対にないと思っていたのだが、どういうわけかそうすべきだという考えが頭に浮かんだ。俺はそれを了承すると、アルタノは古いヒスト瓶と呼ばれる器やステンダールのアミュレット、ステンダールの祝福を俺にくれた。その後、ステンダールの聖堂に案内してくれるという。
しかし、案の定俺の決定にセラーナやミラークが疑問を呈した。その答えは俺にもない。何か衝動のようなものだったのだから...。
セラーナ「自殺行為ですわよ?」
ミラーク「マルカルスでの一件で関わるのは終わっていると思っていたが、気は確かなのか?」
パーマー「俺にも分からん...。ただ関わらないといけない気がしたんだ...」
これからステンダールの聖堂に向かう時に、老人に声を掛けられた。物知りなオルランドという名前らしい。どこかであったかと問うと「この俺」とは初対面だと言ったどういう意味だろうか?どうやら色々な場所で騒ぎを起こしてはそれを愉快そうに楽しんでいるらしく、充実した日々を送っているらしい。その被害を被る方はかなり大変だろうけどな...。
その後、とびっきりの話があるとかで場所を移して話を聞く事になった。他人の夢に興味はないかという話だった。もしも覗けるなら覗いてみる気はないかと。残念だが俺はそんな事をするつもりない。丁重にお断りして去る事にした。しかし、物知りなオルランドはまたいずれ会うだろうと意味深な事を言っていた。ますます分からないな...。
パーマー「すみませんが、覗くのは遠慮しときます」
物知りなオルランド「そうかい、そいつは残念だ。まぁいい、いずれまた会う機会もあるだろうさ」
パーマー「?」
アルタノと同行してステンダールの聖堂に到着した。荘厳だな、腹が立つ位に!それならもう辞めればいいのにとセラーナとミラークは愚痴を零した。そうしたいのは山々だがなぜかその選択肢を取る気にもなれなかったのだ。不思議な位にだ。
セラーナ「そんなに嫌なら辞めた方がよろしいのでは?」
ミラーク「どうにも私にはお前の気が触れている気がしてならんのだ」
パーマー「まぁそう思うよな。そうでなければおかしいんだよな普通は...」
ステンダールの聖堂に入ると、アルタノはここの守り手であるソロンディールに挨拶をすべきだと言った。その守り手はハイエルフの男性だった。アルタノと同じく俺の目が良い目をしていて、とても強い意志を感じると評価した。
ソロンディールはとても優しく、正義感に溢れた御仁だ。アルタノとは違いすんなり受け入れられた。どうなっているんだ俺は!?
今のところの世話係はアルタノに一任されたようだ。まずはこのステンダールの聖堂についての説明を受けた。入ってすぐ目の前にあるのが祈りを捧げるためにあるステンダールの間、地下には先人達が集めた書物を保管する書庫、入り口から見て右手側には錬金台や2階には休憩室、左手の2階には食堂があるそうだ。それとステンダールの番人の装備を貰った。
その後、セラーナは俺がステンダールの番人になった事に複雑な想いを抱いている様子だった。それは俺も同感だ。だって理由不明の行動だからだ。
ホワイトランで吸血鬼を討伐せよ!
その後、仕事の話に移るのだった。ホワイトランの司祭がステンダールの番人の派遣を要請したらしい。吸血鬼が出没して犠牲者を出しているようだ。早速向かうとしよう。
俺達はホワイトランの死者の間に向かった。そこではアンドルスさんではなく、ヨエルという名前の男性の司祭が担当していた。アンドルスさんは普通にここで働いているので臨時で担当しているのだろうか?
ヨエルから犠牲者の名簿を預かったアルタノは吸血鬼討伐を約束した。加入するから分かってはいたが、また同族殺しとはなぁ...。
アルタノは名簿を分析して、これが新米の吸血鬼の仕業だと看破した。その新米の根拠は毎日変死体が発見されるので、派手に動くから新米の吸血鬼だと分かったのだそうだ。まぁ道理としては正しいよな。俺達だって人気のない砦や遺跡で吸血しているからな。堂々と死体が残るようなことをしたらすぐに衛兵に駆け付けられて攻撃されてしまうしな。
事件の共通点は被害者が全員男性だという事だ。俺はどちらでも吸血するが恐らく女性の吸血鬼の仕業だと思った。美貌か吸血鬼の誘惑を使って吸血しやすくしたのだろう。
それとバルグルーフ首長に許可を取らなくていいのかと確認したら、ステンダールの番人の仕事はある程度認められているから問題ないとのこと。内戦終結後からしばらく経つが、慢性的な人手不足は続いているから今のところは歓迎されているらしい。まぁやってみますかね。
アルタノ「新米とはいえ吸血鬼だ。警戒して事に当たるようにな」
パーマー「吸血鬼の相手は慣れてる。安心してくれ」
アルタノ「ほう?それは結構な事だ。期待しているぞ」
パーマー「ああ(俺自身が吸血鬼であり、ヴォルキハル一族の長なんだから。慣れていて当然だろ)」
俺達は情報収集のためにバナード・メアに向かった。そこではカジートの男性が休んでいるのを見かけた。珍しい事もあるものだ。最近では街の中にカジートを入れるなんて。スクゥーマや盗品関連で全地方で締め出しをくらっている状況だというのに。
話し掛けてみると悪い猫を見なかったかと聞かれた。マルソという名前のカジートの男性だそうだ。その悪い事は何かと尋ねると、彼は言いたくないと言った。余程辛い何かがあったのだろう、詮索しない事にした。
どうやってホワイトランに入り込んだのか尋ねると、恐らく賄賂を衛兵に掴ませたような節のある返答をした。身なりも豪勢だしゴールドに余裕があったのだろう。
ステンダールの番人についてどう思うか尋ねてみたら、良い噂も聞くが悪い噂も聞くと言った。だからどちらかについては判断出来ないと言っていた。
肝心の吸血鬼について尋ねると、キナレス聖堂付近で男性が食い殺された事を教えてくれた。その付近を夜中調べる事にしよう。
ジョバンニ「くれぐれもマルソを見つけたら知らせてくれ。お願いだ」
パーマー「分かったよ。任せてくれ」
俺はブリーズホームでステンダールの番人の装備に着替えた。セラーナからデイドラ装備のままだと怪しまれるだろうと言われたのだ。まぁそうだろうな。その後、俺達はキナレス聖堂周りを探索した。
すると、暗がりから女性が俺を呼んだ。見た目からして売春婦のようだ。彼女はリュジーヌという名前らしい。その後、唐突にスイートロールは欲しくないかと言われた。持っているようにも見えなかったしあからさまに罠だと分かった。それに本能が彼女が吸血鬼であると告げていた。だからわざと貰う返事をしたのだ。
リュジーヌ「スイートロールはいかがかしら?」
セラーナ「もうそんな小芝居は止めませんこと?見ていて全然面白くありませんわ」
パーマー「特に俺とセラーナに対しては見せるべきじゃなかったなぁ?」
ミラーク「私は違うがな。まぁ見逃す気もないが」
リュジーヌ「なっ!ステンダールの番人に化けた吸血鬼がいるなんて聞いてないわよ!こうなったら!!」
とんでもない外れクジを引いた事に気付いたリュシーヌは吸血鬼の本性を露わにした。しかし、次の瞬間に俺達は驚いた。変身したのだ!その姿は吸血鬼の王とガーゴイルを足して2で割ったような姿だった。並みの定命の者やステンダールの番人にとっては脅威なのは明白だ。
ミラークはドラゴンアスペクトを発動しつつ専用の剣で攻撃し、セラーナは吸血鬼の吸収やアイススパイクで攻撃した。俺はドラゴンベインで攻撃してリュジーヌを返り討ちにした。変身したとはいえ、新米吸血鬼だったから楽に勝つことが出来た。次はそううまくはいかないだろう。
しかし、始めて見るタイプの変身だ。別の派閥の吸血鬼が編み出したのだろうか?おまけに妙な石まで持っていた。赤い石の欠片だった。とりあえず持っておこう。討伐が完了したのでアルタノに報告しに戻ろう。
死者の間に戻って報告すると、すっきりした顔をしていると冗談を言った。いや、俺は売春はしないのだが?俺にだったそういう欲求は人並みにあるがそういう事はしないぞ!アルタノは愉快そうに笑って、自分も遊んでいこうと言って締めくくったホワイトランにそういう所はないけどな。もしかしたら今後出来るのかもしれないけど...。
アルタノ「しかし売春婦か...。君も隅には置けんな!」
パーマー「そんなんじゃないっての!まぁ人並みには興味はあるけどさ」
セラーナ「ハァ...。先が思いやられますわね」
ミラーク「全くだな」
高笑いするデイドラを討伐せよ!
俺達はバナード・メアで休憩する事にした。少しするとアルタノが次の命令を持ち込んできた。今より数時間前に、ホワイトランの城壁の外で家屋がデイドラに破壊されたらしい。やけに高笑いするデイドラのようだ。破壊した後も留まっている様子だという。召喚者らしき女性の姿を見たらしいので、その両方に対処する事になる。
行く前にジョバンニに別れの挨拶と破壊された家屋について尋ねてみた。器用なウィンチという名前の人物が住んでいたようだ。その人のためにもしっかり頑張らねばなるまい。
そして、マルソを探すためにリフテンにこれから行くとジョバンニは言った。ならず者が多いからきっとそこにいるだろうという考えだそうだ。俺は彼の無事を祈ってその場を後にした。
パーマー「早くマルソが見つかるといいな。リフテンは危険だから気を付けてな」
ジョバンニ「ありがとうパーマー!ジョバンニは良い友達を持てて幸せ者だ」
俺達は器用なウィンチの家に向かった。到着すると突然爆発したのだ。その爆炎の中からドレモラが現れた。ヴェルナカスという名前らしい。触れられない男という異名があるようだ。流石に珍妙な登場の仕方だったので驚くと、怯えや恐れが見て取れると言っていた。いやいや、驚いただけだからね。
ヴェルナカスは俺達相手に容赦はしないと宣言した。野ウサギ相手でも全力を出すのだと。しかし、俺とセラーナの正体に気付きそうになったので早急に殺す事にした。
ヴェルナカス「ハッハッハ!恐れ慄け定命の者よ!ン???ちょっと待て。そこのアカヴィリの男とノルドの女、よもや貴様等はきゅ...」
セラーナ「長話はここまで!覚悟なさい!」
パーマー「そうだぞ!番人を舐めるな!」
アルタノ「?一体どうしたのだ?」
ミラーク「色々と事情があるのだ。詮索せんでくれ」
アルタノ「???」
俺はドラゴンベイン、ミラークは専用の剣、アルタノはシミターに似た剣で攻撃して反撃する間を与えずに討伐したのだった。いや~焦った焦った...。
こうして俺達の正体はヴェルナカスの死によって守られた。疑問に思いながらもアルタノは今後の内容を話す事になった。召喚者らしき女性には逃げられたが、高位のデイドラを召喚できるので腕前はマスタークラスと推測したようだ。
バナード・メアに戻って召喚者についての情報を集めるとアルタノは言った。俺達はブリーズホームで一泊してから仕事に戻る事にした。流石に疲れたからね。だが今後やって行けるか心配だ。今すぐに関わるのを止めるべきなのに、俺の心の奥底ではまだその時ではないというような想いが巡っているのだった。