気が付くと俺は、時代を遡って世界のノドでドラゴン達と定命の者達の戦争を見ていた。ドラゴンに対抗する戦士達は、ゴルムレイスという名前のノルドの女性、ハコンとフェルディルという名前のノルドの男性だった。もっと多くいたようだがドラゴンとの苛烈な戦いで生き残ったのはこの3名のようだ。
何とも凄まじい。だが俺はこの時代の者ではないので介入出来ない。見守り、ドラゴンレンドを習得する以外は何も出来ない歯痒い状況だったのだ。
ドラゴンレンド習得!
戦況は逼迫していた。アルドゥインは普通のドラゴンではないから通常の方法では殺せないと思い、フェルディルがエルダー・スクロールの使用を考えていた。ハコンはそれを咎めたが、使用を躊躇する気はないらしい。それだけの脅威だからだ。
ハコンはそれを使わず、自分達の力で殺すべきだと反論したが議論は平行線を辿り、アルドゥインが現れてしまった。その姿は漆黒と形容すべき邪竜だった。やはり復活した時に更に強くなったのだろうか?
この危機的状況に対し、ハコンとフェルディルは諍いを止め、ゴルムレイスは不敵に笑った。そして、3人揃ってドラゴンレンドを放つのだった。
ドラゴンレンドの第1節の定命の者、第2節の有限、第3節の一時的を学んだ。それを3つ分受けたアルドゥインは大地に引き摺り下ろされた。この言葉の意味を理解出来ず、それに加担したパーサーナックスを憎んだ。
そして、この時に俺は分かった。ドラゴンレンドとは不死の存在であるドラゴンに死の概念を与え、その結果大地に引き摺り下ろすために定命の者が生み出したシャウトなのだと。
アルドゥインは怒りと憎しみで語気を荒げつつ、ソブンガルデで再会したらその魂を喰らうと宣言した。しかし、その言葉に怯える彼等ではなかった。
ゴルムレイスは古代ノルドの剣を使って果敢に挑んだが、アルドゥインに噛み殺されてしまった。ハコンはその敵討ちをしようと古代ノルドの両手斧を掲げたが、ファイアブレスの前に膝をついた。そして、フェルディルはいよいよエルダー・スクロールの使用を決断した。
フェルディルは唱えた、アルドゥインがムンダスから消え去るように。フェルディルは唱えた、アルドゥインを時の彼方に吹き飛ばすために。
アルドゥインは抵抗したが、エルダー・スクロールの効力は凄まじいので彼の邪竜でさえ敵わなかった。
決着がついた後、ハコンは満身創痍でありながらも安堵した。フェルディルはエルダー・スクロールの後遺症はなく、ハコンの下に向かった。何とも凄い戦いだった!彼等の奮戦に敬意を払いたい。そう思っていたら、エルダー・スクロールの効力が切れて視界がぼやけた。元の時代に帰るのだろう。この時学んだドラゴンレンドを使用してアルドゥインを倒すのだ。
業魔VSアルドゥイン
気が付くとアルドゥインは世界のノドに現れていた。俺に対して定命の者と呼んで蔑み、腹の中には定命の者の魂が詰まっているので俺もそれに加えると言った。
勘違いしているようだが俺は吸血鬼、それと業魔でもある。それと真っ当とはいかないまでもドラゴンボーンだ。ドラゴンレンドも学んだし、そう簡単にはいかないぞ?
戦いの火蓋は切って落とされた。アルドゥインはファイアブレスで攻撃しようとしたがパーサーナックスのファイアブレスの横槍が入った。セラーナはアイスストーム、ミラークは揺ぎ無き力とサイクロンを駆使して攻撃し、俺は「ジョール、ザ、フルルー」と叫んでドラゴンレンドを放った。
やっと地面に引き摺り下ろしたと思ったのも束の間、短い間だけしか拘束出来なかった。3人分のドラゴンレンドとか違うので、効力が低いのだろう。パーサーナックスの言うように何度も使用するしかないようだ。
アルドゥインは怒りながら空から炎を降らせた。シャウトではなく吠えるだけで使える力のようで、吸血鬼の俺にとっては脅威でしかない。血液の薬を4,5本使用する事態になったが何とか耐えた。
何度かドラゴンレンドを繰り出した事で、しばらく大地に落とされる形になったアルドゥインに対して畳みかけるように攻撃していった。
ドラゴンベインで攻撃する時に隙が出来てしまいアルドゥインに噛み殺されそうになったが、俺は後ろ向きでありながらしゃがみつつ喉元を突く形でとどめの一撃とした。
しかし、喉元を突いたにも拘らずすぐにその傷は再生した。アルドゥインは「ドヴァーキン、強くなったな」と言って認めはしたが、自身はアカトシュが最初に生み出したドラゴンだから倒すことは出来ないと豪語した。俺達に勝ち目はなく、自分が生き延びるのだと言い放った。強情なドラゴンだこと!
アルドゥインは逃げ出した。どこかで力を蓄えてもう一度戦う事になるだろう。俺達の戦いを見ていたパーサーナックスは、俺の中にドラゴンの「声」があると確信したようだ。これでアルドゥインに従うドラゴンも考え直すだろうと言った。
だが、完全に勝利した訳ではない。それは過去の英雄が誰もアルドゥインに勝利出来なかった事からも明白だ。パーサーナックスはアルドゥイン自身が力に溺れ、支配者であると考えているのだと言った。
しかし、今回の戦いでそれも崩れつつある。そのためアルドゥイン派のドラゴンの離反も可能かもしれないと言った。そうなれば内戦で傷ついたスカイリムも少しは平穏が訪れるかもしれない。まぁ盗賊ギルドや闇の一党は跋扈してるけども...。
アルドゥインの仲間を捕える準備をせよ!
アルドゥインの居場所を探るためには、その仲間を捕えて尋問する必要がある。容易ではないが、そのためにホワイトランのドラゴンズリーチを使用したらいいのではないかとパーサーナックスは提案した。確かヌーミネックスの逸話もあるからそれでかな?バルグルーフ首長を上手く説得出来るか不安だったが、今の俺なら容易に説得出来るはずだと言った。うまくいくことを祈ろう。
その後、ヌーミネックスの過去の話になった。かつてドラゴンがもっといた時代にアカヴィリが彼等を皆殺しにする前の事だったらしい。アルドゥインの壁にも似たようなことが書かれていたな。俺は記憶喪失のアカヴィリだけど、何だかいたたまれない...。
ドラゴンズリーチで長い間捕らわれたヌーミネックスは正気を失いそうになっていたらしい。名前も思い出せなかったというのでその絶望は想像を絶するだろう。ドラゴンにとって名前は命同然、存在の証明だからだ。それをペットとして飼い殺しにしていた当時のホワイトランの首長(隻眼のオラフの事かな?)は今でも許せないようだ。心中お察しするよ、パーサーナックス。
そして、グレイビアードのマスターとして長い間シャウトを教えてきた事を教えてくれた。世界のノドに来て学んだのは、この百年間。
ここでは力の言葉について瞑想し、その使い方について忠告するだけで十分だとパーサーナックスは言った。力の言葉を取り込む事は自分に取り込むというものだという。意味をよく考えて満たしていけば、その言葉により近づくだろうと教えてくれた。意味をよく考える...か。勉強になったと思う。
次に言葉について瞑想するという話がったのてそれを尋ねてみると、ファス、フェイム、ヨルの3つがあると言った。俺はヨルを選択してみた。これはファイアブレスの第1節の炎と同じ意味ではあるが、これは元の形が変容した結果炎として記憶されてきたが、本来は力を意味するとのこと。
力とは、行動と選択なくしては無力だとパーサーナックスは説いた。俺の発するシャウトの中に、炎が沸き起こるように考えるのだと教えてくれた。何を燃やし、何を燃やさないのかを。その教えを大切にしていこうと思い、世界のノドを後にした。
俺達はホワイトランに向かった。そして、ドラゴンズリーチにてバルグルーフ首長にドラゴンを罠に掛けたいと申し出たら正気を疑われた。まぁそうだろうな、宮殿にドラゴンを閉じ込めるなんてヌーミネックスを捕えた隻眼のオラフの時以来だろう。
俺は前にミルムルニル討伐で成果を出した事を持ち出し、重要でなければ頼まないと説得した。バルグルーフ首長もそれは覚えており、ホワイトランに大きな借りがあるので受け入れると言った。
それと動機について聞かれた。俺はアルドゥインが復活した事実を告げた。バルグルーフ首長は世界を喰らう者についての伝説を知っており、戦うのは無意味じゃないかと弱気になったが、手遅れになる前にドラゴンを捕える必要があると俺は説得した。
それを聞いたバルグルーフ首長は奮い立ち、危険を冒し、勝利を勝ち取ろうと言った。それが勝利であれ敗北であれ、共に戦うと言ってくれたのだ。この期待に応えるように頑張ろうと思う。
最後にドラゴンを呼ぶための手助けする者はいるのかという話になった。パーサーナックスの件は伏せておき、準備のために少しかかると俺は答えた。バルグルーフ首長も古い仕掛けを点検するので同じ位掛かると言った。それじゃ、パーサーナックスの所に戻ってドラゴンを呼ぶ方法を教えてもらいますかね!
ドラゴンを誘い出すためのシャウトを学べ!
俺達は世界のノドに戻り、パーサーナックスにドラゴンを呼ぶ方法を教えてもらう事にした。彼もそれを考えていたらしく、アルドゥインがどこに行ったかを知っているドラゴンに心当たりがあると言った。その名前はオダハヴィーングというらしい。
名前だけで呼べるか確認したら、そもそもシャウトが3つの言葉で成り立つのだから、ドラゴンの名前を言うだけで挑戦状として機能するようだ。ドラゴンは生まれながらにして高慢で、ドラゴンボーンである俺ならば尚更来ない理由がないとパーサーナックスは言った。オダハヴィーングはドラゴンの中でも頑固で有名だったらしいので、呼べば必ず来ると推測したようだ。
そして、パーサーナックスはオダハヴィーングを呼ぶためのシャウトを教えてくれた。第1節は雪、第2節は狩人、第3節は羽だ。俺は彼に感謝して、世界のノドを後にした。
このままホワイトランに行くのがいいだろうが、デルフィンさんやエズバーンさんにもこの件を報告しておくべきだろう。彼等にも色々助けてもらったし、このまま知らない内に終わってましたとなるよりかは良いと思い、スカイ・ヘイヴン聖堂に向かうのだった。