俺は早速殺人現場に向かった。そこではノルドの女性が凄惨に切り刻まれて遺体が野晒しにされていた。彼女がスザンナなのだろう。本名というか通り名?込みで悪しきスザンナと呼ばれていたらしい。俺は最初に殺害現場にいる人達から聞き込みを開始する事にした。
殺人事件の手掛かりを探れ!
最初に聞き込みをした相手は不可視のシルダという名前のノルドの女性だった。悲鳴を聞いて駆けつけたら、もう殺害された後だったらしい。これではまだ手掛かりには程遠いだろう。
次はカリクスト・コリウスという名前のインペリアルの男性だった。走り去る人物を見たが、誰が逃げたのかは分からないらしい。それと骨董品を扱っているのでもし良ければ寄って欲しいと言われた。ある程度落ち着いたら行ってみようかな。
最後はヘルグリッドという名前の老婆だった。彼女は死者の間の僧侶でもあったようだ。小銭入れに手を付けていないのを把握しており、金銭目的による殺人ではないと持論を述べた。衛兵に確認を取って調べたら確かにそのままだ。怨恨だろうか?
手掛かりになるようなものは見つからなかったが、衛兵に今後の協力を確約すると、執政に話を付けるようにと言われた。許可を取っていれば活動がしやすいからだ。俺は夜遅くではあったが王の宮殿へと向かった。
王の宮殿に入り、執政と思われるノルドの男性に話し掛けた。ヨルレイフという名前らしい。連続殺人事件に心を痛めており、余所者である俺の協力にも喜んで応じてくれた。この期待に応えられるように早期解決を目指そう。
衛兵の下に戻る頃には朝方だった。気怠い感覚になりながらも次の情報を受け取った。どうやら血痕がどこかに続いているらしい。その跡を追うべきだ。更に死者の間でスザンナの埋葬の準備をしているヘルグリッドさんに話を聞くように言われた。イカれているらしいが死体の事なら何でも知っているようだ。すぐに話を聞きに行こう。
死者の間に行ってヘルグリッドさんにスザンナの遺体に何か不審な点はないかと尋ねると、切り口の形がそれにあたると言った。曲線状の刃で付けられたと思われると言っており、古代ノルドが死者をミイラにする時に用いるらしい。ウィンドヘルムでそんな物を使っているのは誰かは分からないらようだ。
他に何かあれば教えて欲しいとお願いしたが、これ以上は期待しないで欲しいと言われた。流石に高望みし過ぎたかもしれない。今度は血痕の跡を追うとしようか。
ブッチャーは誰だ?
俺は血痕の跡を追ってウィンドヘルムの街中を歩いていると、とある廃屋へと導かれた。そこはヒジェリムと呼ばれているようだった。そこをロックピックで開錠して慎重に侵入した。連続殺人犯がいるかもしれないからだ。
しかし、そこには犯人は居なかった。あったのは不自然に移動された家具や奇妙なペンダント、精神に異常をきたしたと思われる日記。それに連続殺人犯であるブッチャー(虐殺者)に対する警告のビラだ。
ビラの方は殺人鬼に対する警告文が書かれており、ヴィオラ・ジョルダノという名前の人物に連絡するようにと書かれてあった。
日記の方は連続殺人犯ブッチャー自身が書いていると思われる内容ばかり書き綴られていた。スザンナの殺人や次の殺人への計画を思案する様子だった。ウィンターホールド大学で魔法を勉強していたようだが、既存の魔法のみを扱う姿勢に腹を立てているようだった。これは証拠の1つとして持っておくことにしよう。
俺はカリクストさんの話に合った骨董品の館に向かった。名前はまんまカリクストの骨董品の館という名前だった。そこでヒジェリムで見つけた奇妙なアミュレットを渡した。何か知っているのではないかと思ったからだ。
すると、これは舵の石で出来ており、ウィンドヘルムの後継者によって受け継がれる代物だと言った。主に王宮魔術師の物のようだ。譲ってくれたら500ゴールド支払うと言ってくれた。
王宮魔術師が所有すると言っていたので更に詳しく尋ねるとある人物の名前を口にした。ウーンファースという名前の男性を挙げた。だが、個人的に虫唾が走ると吐き捨てた。死霊術師かもしれないらしい。う~ん...。ブッチャーはウーンファースなのだろうか?
俺は奇妙なアミュレットをカリクストさんに売った。彼は大喜びして展示する収集品の1つにすると言った。その後、気分を良くした彼は骨董品の館の誕生秘話を教えてくれた。彼とその妹さんはお金を相続し、それを元手にタムリエル中を旅して周ったらしい。
道中で魅力的な骨董品の話を聞いた彼等はそれらを収集していくようになったようだ。妹さんは何年か前に亡くなったそうだ。そして、ここウィンドヘルムに落ち着いたのだそうな。そういった経緯を経て骨董品の館を開いたようだ。収集品の数々が多くの人々を幸せにしているなら妹も喜ぶはずだと言っていた。そうであることを願いたい。
カリクストさんに奇妙なアミュレットを売った後、ビラの製作者であるヴィオラ・ジョルダノに直接会いに行った。その人物はインペリアルの女性であった。彼女は連続殺人を止めるために個人で活動していたが、内戦のために逸れに人手を割けなくなってしまっている現状に愚痴を零した。ウィンドヘルムの人達も気にはしているが、積極的に活動していない有様だったのだ。
ヴィオラはこれ以上の殺人を何とかして止めたいという使命感に燃えていた。ならば協力すべきだろう。そして、ヒジェリムでそのビラを見つけたと俺が言うと、そこは彼女の友人フリガ・シャッター・シールドという名前の女性の家だったが、ブッチャーに殺された3人の内の1人らしかった。そのため廃屋となっているはずだと言った。
すると、ブッチャーが個人的に拠点として使用しているのかもしれない。ならばすぐにヴィオラとその足取りを追うために行動すべきだろう。
俺達はヒジェリムに向かった。ヴィオラさんはくまなく探すべきだと進言していた。俺は不審に移動された家具を調べる内に、タンスがおかしい事に気付いた。それは隠し扉になっていた。中に入るとバラバラ死体や骨が散乱する地獄絵図が広がっていたのだ。
その後、再びブッチャーの日記を発見した。それには死体を用いて何かを製作するための材料表であった。これは唯の連続殺人ではなく、死霊術のための連続殺人だと考えるべきだろう。
この事をヴィオラさんに話すと、合点を得たようにウーンファースを非難した。死せる者という通り名を持っているので死霊術師ではないかと疑っているようだ。自分ならば直接会いに行かず、執政に話をすると助言してくれた。
どうすべきか?早期解決を求めるならばヨルレイフさんに証拠を提示して即逮捕してもらうべきだが、ウーンファースにも言い分を確認しに行くべきだと思った。誤認逮捕でまた犠牲者が出るようなことは避けたいからね。
ブッチャーの凶行に終止符を打て!
俺は王の宮殿へと向かった。王宮魔術師は上階で休んでいることを衛兵から聞いたので急いで向かうと、その人物は老人の王宮魔術師だった。彼が死せる者ウーンファースなのだろう。単刀直入に死霊術師かを問い詰めると、彼は即否定した。ウィンターホールド大学の名士であり、シロディールの魔術師ギルドでは死霊術を何百年も禁じてきたと弁解したのだ。
俺は奇妙なアミュレットの特徴を伝えた。八面で翡翠、黒檀の縁取り、擦り切れた彫刻等だ。それを聞いたウーンファースはそれは伝説的な死霊術のアミュレットだと導き出した。やはりブッチャーは死霊術師だったのか。
だが俺は間違ってカリクストさんに売ってしまった。カリクストさんも舵の石だと誤認してしまっていた。これはよくある間違いだとウーンファースさんは言って大事にしなかった。疑って申し訳ないと俺は思った。
そして、この連続殺人事件に共通点があると踏んでパターンを調べていたようであった。ラスト・シードのロレダスかハースファイアのミダスという名前の女性が襲われるのではと推測した。明日には凶行に及ぶかもしれないと言っていたので早急に向かうべきだろう。場所は晩石地区と呼ばれる市場周辺だ。
俺は夜に晩石地区に潜んだ。ブッチャーの脅威を未然に防ぐためにだ。ハイエルフの女性が1人そこに残っていたので誤解されるかもしれないが監視した。決して覗きではないぞ!
少しだけ休憩すると意外な人物が現れた。それはカリクストさんだった。彼はダガーを抜いてハイエルフの女性に音もなく近寄って行った。まさか彼がブッチャーなのか?
そう思っている内にダガーの刃を今にも振り下ろそうとしているカリクストさんを見て俺は決断した。ハイエルフの女性を守るために彼を殺す事に決めた。俺は背後から斬りつけ隙を作って彼女を逃がした。
カリクストさんは逃走を試みたが路地裏に追い詰められ、俺の持つドラゴンベインで斬り殺した。とりあえず死霊術師のアミュレットは取っておこう。第2のブッチャーの物にならないようにするためにもね。
こうして、連続殺人鬼にして死霊術師のカリクストさんの凶行はこれで終わったのだ。死霊術をやったのは妹さんを生き返らせたかったからなのだろうか?真相は闇の中だ。
その後、助けたハイエルフの女性がお礼を言いに来た。彼女の名前はアリバンヤというらしい。助かって何よりだ。
そして、王の宮殿に戻りヨルレイフさんに報告した。驚いていたがカリクストさんの事は以前から目星を付けていたらしい。ウィンドヘルムのために働いたことを感謝し、衛兵からの対応もいくらか良くなると言ってくれた。俺としても少しは事件解決に役立てたのなら幸いだ。
ウルフリックとの対立
連続殺人事件の解決後、俺はウルフリックにバルグルーフ首長から預かった斧を渡しに行った。彼は反帝国派を束ねるカリスマ性を垣間見せた。俺がノルドならば気持ちが少し揺らいだかもしれない。それだけ不思議な魅力があった。
だが俺は帝国に忠誠を誓った身だ。筋は通すさ。預かった斧を渡すとウルフリックはがっかりした様子で斧を突き返した。つまり、交渉は決裂し対立を明確化した瞬間だった。彼は「客人をもてなす準備をしておけ。ホワイトランは大層な騒ぎになる」と宣言した。
ホワイトランを戦場にする気なのだ!民家や商店もあるので民間人に大勢の犠牲者が出るだろう。同じノルドも大勢いるのに関わらずだ。そうはさせない。俺は絶対にホワイトランを守ってみせるぞ、ウルフリックよ。
俺はホワイトランに戻る前にウルフリックに今の気持ちというか考えを知っておきたいと思った。どうしてこの内戦を引き起こしたのかをだ。
上級王トリグを殺したのは帝国の甘い蜜を吸った首長達の弱体化した現状をスカイリムの民に知らしめるためであり、威信を取り戻すと豪語した。それに進歩のためには犠牲が伴うと語った。それを殻を破る麦に例えた。上手い表現かもしれないが、犠牲になる殻である犠牲者の事を考えていないのではないかと思った。
革命とは結局暴力で事を成し遂げるための大義名分でしかないのではないかとも思うからだ。俺みたいな吸血鬼ではそれを責める資格は無いのは重々承知だがね。
尚もウルフリックの首長は続く。帝国とそれを支援する者達を掃討すると宣言した。民や自分がそれを望むのだと。
俺はそれは止められるだろうと反論すると、ウルフリックは自身がろくな死に方をしない事は覚悟の上だと言った。薄暗い路地で背中から探検で刺されて殺される覚悟は出来ていると言った。それでも民は真実を知ったので、絶対に後戻りはしないと言った。
俺はまた会うことになるとこの会話を終了する事にした。これ以上は何を言ってもしょうがないからだ。覚悟を決めた以上そこから先は無粋だ。戦って決着を付けるしかないのだ。ウルフリックもそれは同じらしく、すぐに会うことになると言って会話を終えた。
ホワイトラン防衛に備えよ!
俺はホワイトランのドラゴンズリーチに戻った。バルグルーフ首長らは作戦会議をしていた。帝国軍人も何人かそれに参加していた。特使も参加しているようだ。
バルグルーフ首長は俺に気付くなり、斧を持ち帰ったということはウルフリックとの決裂を意味する事を察した。俺が出ている間に帝国軍からクエンティン・シピウスという名前のインペリアルの男性を派遣されたと言った。それはありがたい。
そして、バルグルーフ首長はウルフリックがスカイリムの独立や人々の幸福を願っていないと非難した。野蛮な裏切り者で、権力への欲望のせいで大勢の罪のない人々の命が犠牲になっていると言った。それだけ怒っているのだと思った。こんなバルグルーフ首長は見た事がなかった。
それにノルドは何百年も帝国の保護、南部との貿易の繁栄の恩恵を受けており、シロディールの人々はノルドの猛々しい戦士達のおかげで、北方の境界が監視されていると知りながら、安心して眠りにつけると語り、相互利益があるのでそれを断ち切る事はないと言った。俺もそう思う。そのためにしっかり戦いますかね。