時間は掛かったがエルダー・スクロールを入手して持ち帰った。だがここで問題が起きていた。デキソンさんが失明していたのだ!最初の書を最後まで読み進めたくて準備を怠った結果らしい。そのため読むことが不可能になってしまった。
デキソンさんは自信の命を以て償う所存だと言ったがそんな事はさせない。俺のせいで本来の使命を果たすことが出来ずに失明させてしまったので、悪いのは俺なんだ...。彼のせいではない。
一応他にも読む方法がある事を教えてくれた。それは先人の湿地と呼ばれる場所で読むための儀式を行えばいいらしい。スカイリムにおける場所はパイン・フォレストと呼ばれる場所にあるようだ。
その儀式にはそこに自生するカンティクルの木の樹液をドローナイフと呼ばれる特別な道具で慎重に切ってから、その蜜に誘われて聖蚕が集まって第二の視覚を得て読むことが可能になるようだ。上手くいく可能性は低いようだがやるしかないだろう。
聖蚕の儀式を実行せよ!
俺はパイン・フォレストに向かう前に色々エルダー・スクロールについて聞いてみることにした。これには集中力は大事で読み終えるにも数カ月や数年は普通に掛かる位根気がいる仕事になるとのこと。
そして、聖蚕の僧侶になる事は失明も確実になることを受け入れるという意味に等しいと言った。通常は晩年だがデキソンさんは急ぎ過ぎてしまったからこうなったと言っていた。慎重に行動しなければいけないと思った。
聖蚕がエルダー・スクロールを読むのかと尋ねると、古代魔法の架け橋となり、解読の手助けをするらしい。そこでは優しくて調和のとれた歌声が聞こえるとのことだ。幻想的なのだろう。
聖蚕の僧侶と聖蚕会はセットで存在することで、預言の力を共有出来るとのこと。それが実行できるのは極めて回復力が高い者であり、調和の取れた解釈には何年もの時間が掛かると言った。やはり困難を極めるのだろう。
そして、俺がエルダー・スクロールを度々見つけることが出来たのは書自体に認められたからだとデキソンさんは言った。エルダー・スクロール自体に意志があり、それが望んだからきっと上手くいくはずだと力説していた。そうであって欲しいと願う。
早速パイン・フォレストに向かうとあまり儀式に向いている場所のようには見えなかった。セラーナは落胆し、無駄骨に終わるようなら話をしなければならないと不満を口にした。怖いこと言わないでくれよ...。
だが最深部まで進むと先人の湿地と呼ぶに相応しい荘厳な光景が広がっており、セラーナも考えを改めてその美しさに心を打たれた。
俺は中央部分に置かれてあるドローナイフを入手した。近くには教えられたカンティクルの木があったのでその樹皮を慎重に削り、樹液を鎧越しにだが塗り付けた。
すると、聖蚕が俺の周りに集まってきた。セラーナは「味を占めたみたいですわね」と面白そうに言っていたが、蚕なんだろ?要するに蛾なんだろ?虫はある程度は大丈夫だが蛾はダメなんだよなぁ...。辛い。仕方がないが集まり切るまで頑張ろうか。
集まりきる頃には俺の体は光に包まれていた。聖蚕が集まってしかなり辛いが、エルダー・スクロールを開いて読む作業に入った。眩いばかりの光で目がおかしくなる気がしたが、聖蚕を介してはっきりと読めた。アーリエルの弓がある場所はダークフォール洞窟と呼ばれる場所だ。
読み終わる頃には周りの光は消えていた。セラーナは俺がユキみたいに白くなっていたと言っており、ずっと遠くを見ているようだったと例えていた。もしかした仮死状態だったかもしれない。
俺はダークフォール洞窟と呼ばれる場所にある事を伝えると、早速行こうとセラーナは言った。ハルコン卿の手に渡る事を防ぐためだ。だが、そこでドーンガードが奇襲してきた。戦わずして乗り切ることが出来そうになかったので、返り討ちにして殺した。いつか本格的に戦うことになるだろうか。出来ればそうしたくはないが。
アーリエルの弓を入手せよ!
ダークフォール墓地にはトロールがおり、その脅威により殺された旅人もいた。俺はシルバーウィンドで狙撃して殺しつつ進み、洞窟内の水流に流されるままに進んだりとかなり危ない移動を行いつつも最深部へと辿り着いた。そこは祠のような物があるだけの場所だった。
そこには年老いたエルフの男性がいた。その人物は騎士司祭を務めており、ギレボルという名前だと言った。アーリエル、つまりアカトシュを信仰しており、それはスノーエルフの守護神でもあった。ここはそのための礼拝所だったのだ。
ファルメル以外にスノーエルフの生き残りがいるとは思わなかったと言うと、「裏切られし者」と言うように訂正された。そう呼ばれるのは不名誉だからだと。
アーリエルの弓が欲しいならくれてやるとギレボルは言ったが、最高司祭であり兄でもあるヴィルスールという名前の人物を殺して欲しいと交換条件を出された。
それは裏切られし者の仕業であり、司祭団を有していたが数で圧倒されて壊滅したらしい。その後、生きていると分かったが、歪められたらしく絆は失われたと悟ったようだ。彼の為にもしっかり行うとしよう。
そのためにギレボルは魔法で祠を起動させた。ここでは聖職者達が入信者達のために真言を授け、新人の水差しで水瓶から水を汲んで巡礼し、悟りを開いていくための仕組みになっていると教えてくれた。それを果たす事で最奥聖域と呼ばれる場所が開けるのだとか。
一方で、セラーナはこの巡礼に納得がいっていなかった。わざわざそこまでやる必要を感じなかったし、アーリエルの弓が今すぐ必要なのにという考えが強かったのだろう。ギレボルは涼しい顔で「象徴を理解する必要は無い。他の方法があればとっくにやっている」と言って受け流した。
その巡礼には5つの祠を巡らねばならない。姿なき司祭と呼ばれる存在がそこで待っているので話して水瓶から水を汲もう。
そして、場所そのものは無知の象徴であり、出口は最初に差し込む光と例えていた。ここは単なる洞窟の集まりではないと言われた。どういう意味だろうか?
行く前に色々聞くことにした。この礼拝所は第一紀から既に存在している程古い建築物らしい。スノーエルフにとってまさにアーリエルは絶対的な守護神だったのだ。
その他には姿なき司祭は裏切られし者に殺されたスノーエルフの魂達が、アーリエルの力で蘇った存在だと教えてくれた。巡礼以外には興味を示さないので特に問題はないだろう。
最後に裏切られし者について尋ねてみた。かつてはスノーエルフとしてスカイリムの一部を支配していたが、ここが先祖の土地であると主張するノルドと戦争が絶えなかった。そして敗れた後にドワーフに助けを求めたらしい。
だが、それは法外な代償を求められたと言った。それはスノーエルフの光、目だったのだ。生き残りのスノーエルフ達は他の勢力と同盟を汲んだり、他所に逃げる事を選択した者達もいたが、いずれも滅ぼされたり、追放な等の憂き目に遭ったようだ。
世間では毒を盛られて盲目で恐ろしい怪物となったとされているが、俄かに信じ難い。ギレボルもそう考えており、その他の理由があるかもしれないと言っていたが真相は分からなかった。ドワーフがどうやったのかはもうドワーフにしか知りようがないだろう。
ここでドワーフの脅威が及ばなかったのは、常時100人足らずの少数の司祭団だったかららしい。裏切られし者になる事は無かったが、その裏切られし者に滅ぼされるなんて皮肉としか言いようがない。
今ではヴィルスールとギレボルのみが生き残りらしい。もしかしたら他にもと思ったが、望み薄だろう。下手な希望は打ち砕かれると呪いと変わらなくなるからな。
巡礼する吸血鬼達
祠を通った後に、アーリエルの弓についてセラーナに尋ねた。歴史の書物には色々出てくるが、行方を掴むことが難しいのだとか。吸血鬼の手に落ちたことがないので、新しい個体が存在するのかもしれないと仮説を立てた。
そもそもアーリエルことアカトシュが住まう地はエセリウスであり、その通り道は太陽らしい。ムンダス(この世)とエセリウスを繋ぐ道なので、弓が太陽から力を得ているために予言に出てくる事が分かった。そういうことなのか。
道なりに進むと裏切られし者やシャウラスやシャウラス・ハンター、サーベルキャット等の襲撃を受けたが、返り討ちにして進んで行くと、ギレボルさんが守っていたものと同様の祠を見つけた。
ここは光の祠であり、そこはシダニス司祭と呼ばれる姿なき司祭が守っていた。俺は彼に頼んで祠を起動してもらい、水瓶から水を汲んで忘れられた谷と呼ばれる場所に移動した。
移動した後セラーナは、ギレボルさんも姿なき司祭も吸血鬼がアーリエルの弓を手に入れようがお構いなしである事を指摘した。彼女は「過去しか見ていない」と断言しており、厄介者のヴィルスールを始末すれば喜んで渡すだろうと言っていた。呆れも加味した喋り方だった。諦観した考え方が許せないのだろうか?違和感はあったがそういうことか。気のいいスノーエルフと思っていたからそれには気付かなかった。
忘れられた谷を探索していると、氷原の中からドラゴンが2匹襲い掛かってきた。朝方になっていたのでかなり苦労した。ファイアブレスはやはり脅威だったし、休息の薬も3~4本は使ったと思う。セラーナがアイススパイクを連発したり、刀で近接戦をして援護してくれたりと助かったので一匹ずつ殺していった。
そして、ドラゴンソウルを吸収時にナースラールムとヴォスラールムという名前のドラゴンだと分かった。水中から来るのは初めてだったのでびっくりしたのだ。ついでに言葉の壁も見つけた。生命力低のシャウトで、第2節はマジカだった。残りもいつか集めるとしよう。
ここまで大変だったが巡礼を続けよう。夕方や夜間に行くように調整して休みながら進めようと思う。物見の祠のアスリング司祭、学びの祠のセレグリアス司祭、意思の祠の二リロール司祭、輝きの祠のエデルボル司祭から許しを得て水瓶から水を汲んで巡礼を完了させた。
そして、最奥聖域へと道が開かれた。アーリエルの像は人型をしていた。アカトシュの像は俺は見たことは無いが、種族間による価値観というか宗教観の違いを見るのも勉強になると思った。まぁこういう相違が原因で争いが絶えないのではあるが。スカイリムの内乱もそんな感じだし...。
そう物思いに耽っている場合では無かった。俺は巡礼で得た5つ分の祠の水を最奥聖域入り口の水瓶に移すと仕掛けが起動し、扉が開かれた。
中に入ると氷漬けの裏切られし者やシャウラスがそこにはいた。近づいてみて置いてある武器や薬を取ると、氷が割れて襲い掛かってきた。そういうトラップだったのか...。連鎖反応的に襲ってくるので2人で返り討ちにして進んだ。
予言の正体
最深部に辿り着いた。そこは氷で覆われており、玉座も凍っていた。そこに座る最高司祭ヴィルスールは「アーリエルの弓は手に入らんぞ?予想通りに魅力的な仲間を連れてきた」と言って嘲笑っていた。
セラーナはギレボルさんが騙していたのかと言ったが、ヴィルスールは答える気は無く、氷漬けの裏切られし者やシャウラスを差し向けてきた。
どんどん数を増やしたり、トラップを使って崩落されたりしたが今の俺達の敵では無かった。氷の精霊を切り札として出したが物の数分で氷の塊になって死んだ。悪あがきとして玉座を含めた一帯を魔法で消し飛ばした。
その後、気を失っていた俺をセラーナが起こしてくれた事で助かった。その時のセラーナは本当に美しかったと思う。もしかしたら惚れたのかもしれない。いや、そんな事を俺が言う資格があるのか不明だけどね。
追い詰められたヴィルスールは自信の地位を誇示して怖がらせようとしたが、セラーナに全く効き目はなかった。裏切られし者の話を持ち出して、煽りだしたのだ。セラーナ、容赦無いねぇ...。
それを聞いたヴィルスールは一転して不敵に笑いだした。そもそも自分は裏切られし者に堕落させられたのではなく、自分は吸血鬼であり、新人に感染させられたと言い放った。そのためにアーリエルに見放され、その復讐のために行動することを決意したのだと告白した。
その素材は吸血鬼の血、アーリエルの弓、最後にコールドハーバーの娘の血だった。予言を作り上げその機会を待っていたのだが、それを聞いたセラーナは激怒してヴィルスールを襟首ごと抱え上げて詰め寄った。家族と自分を苦しめた予言の元凶が目の前にいるのだ。そうなるのも無理もないだろう。
ヴィルスールとてこのまま死ぬつもりもないらしく、最後の勝負に打って出た。俺もセラーナの援護に回るべきだろう。
ヴィルスールは破壊魔法の雷撃や吸血鬼の吸収を駆使し、氷の精霊等も召喚して戦ったが、怒りのセラーナのアイススパイクに態勢を崩される事となった。
だがヴィルスールも負けじと雷撃を放ったことでセラーナは膝をついてしまった。俺は背後から斬りつけることで隙を作り、最後はセラーナと同時に剣でヴィルスールを斬殺し、予言に終止符を打ったのだ。
その後、最奥聖域の祠が起動してその中からギレボルさんが現れた。ここが起動したのはヴィルスールが死んだからだと悟ったが、その原因が裏切られし者に無かった事が分かると安堵した。いつか和解して心からアーリエルを信仰する日が来るかもしれないと期待を口にした。そうなるように祈ろう。
ハルコン卿への謀反を決意!
ギレボルさんから許しを得て、俺はアーリエルの弓を入手した。光り輝く高貴な弓だった。俺のような吸血鬼にはもったいないが、この後の戦いには絶対に必要なのだ。これはアーリエルがロルカーンと戦う時に使用したとされ、エセリウスそのものから力を引き出し、太陽神の矢を用いれば絶大な威力を持つに至るとのこと。アンデッドや吸血鬼相手ならば尚更だ。
この矢の作成は上質なエルフの矢で作成出来るらしいので、俺はこの場で作ってもらった。
去る前に気になった事を確認することにした。裏切られし者を治療出来るかどうか聞いてみると、同情するがあれは伝染病のようなもので、元には戻せないが知性が高まっているように感じるので根気強く和解に持ち込みたいと考えているとギレボルさんは言った。
そして、最後のスノーエルフになってしまった事を話したら、ニルンのどこかには生き残りがいる可能性が少しでもあるのでそこまで悲観しているわけではないらしい。今後の発展を願い、俺はギレボルさんと別れることにした。
アーリエルの弓を入手した後セラーナと話し合うことにした。この後する事はもう決まっている。ハルコン卿はもう誰にも止められないだろう。だからもう殺すしか方法が無い。吸血鬼が本当の意味で生き延びるにはそれしか...。
他の方法はセラーナも考えたが、やはりないことは確実なのでアーリエルの弓を切り札に戦う事をお互いに誓ったのだった。