俺達はソウル・ケルンへと赴いた。魂とアンデッドのみの荒廃した世界だった。セラーナはここが気に入らないらしく、ヴァレリカを見つけたらおさらばしたい様子だった。確かに何もない感じだしなぁ...。
道中ではジウブの手記と書かれた原稿用紙や骨だけの馬の魂を見かけた。原稿はその内持ち主を道けて返すとして、馬の方は飼い主の男性の魂と出会ったので探索する過程で助けるとしよう。アルヴァクという名前だそうだ。
ソウル・ケルン探索!
アルヴァクを探しながらヴァレリカの捜索も継続する事にした。道中では見た事も無いアンデッドの襲撃もあった。真っ黒なスケルトン、下半身の無いスケルトン、重武装のスケルトン等だ。後で召喚術の本を拾った時に知った事だが、順にボーンマン、ミストマン、ラスマンと呼ばれる存在らしい。
進んで行くと商人風の男性の魂と出会った。モルベン・ストラウドという名前らしく、ハイロック(ブレトンとオークの故郷)で最高の商人の1人だったらしい。だが、偽物をつかまされ取引した死霊術師が怒ってソウル・ケルンへ飛ばされてしまったようだ。
取引出来るかと尋ねると、ゴールドはここでは何の価値もないので魂のハスクを25個集めたら、取引に応じると持ち掛けた。地面から生えている変なキノコのような物らしい。それなら何度か見かけたので探索ついでに集めようと思う。
やる事が増えたが、ここで全て終わらせないと後々面倒になる。探索の道中で番人と呼ばれるアンデッドを相手にしながらも頼まれた仕事を続行した。勿論ヴァレリカ捜索も忘れてはいない。
ジウブの手記も集める傍ら歩いていると男性の魂と出会った。その人物こそがジウブだったのだ。聖ジウブや根絶者ジウブとも生前は呼ばれていたらしい。
聖ジウブの生涯
ジウブはモロウウィンドの英雄らしかった。ダークエルフらしい。そこで英雄的活動をしてスカイリムに渡って来たらしいのだが、俺はここ何十年分の記憶が無いので知らないと答えた。彼は訝しんだが、ここに来たのはデイドラの一種であるドレモラの襲撃を受けて飛ばされて来たらしい。
当時はシロディールのクヴァッチと呼ばれる町に移住したらしく、そこで書き物をしている最中に襲撃されたようだ。ここでも英雄的活躍が出来ると奮い立ち、果敢に戦いを挑むものの残念ながらここに来たらしかった。自分の事もそうだがクヴァッチの人々を気に掛けていたので、英雄と呼ばれる素質を有しているのは俺にも分かった。
書き物と言っていたのでどんな物かと聞いてみると、自分の生涯を書き綴った内容であり、その原稿を探すのを手伝って欲しいと言われた。全部で10枚らしい。これも何かの縁だ、手助けしようと俺は思った。
なぜジウブは聖人と呼ばれるようになったのかを尋ねると、かつてはスクゥーマ欲しさに暗殺の仕事を引き受けるまで落ちぶれた生活をしていたらしい。
暗殺対象はモロウウィンドの五大家と呼ばれる氏族の1つ、レドラン家の高官だった。だが他の組織が公認の暗殺組織であるモラグ・トングを呼び寄せて任務を遂行した後に、罠に嵌められたようだ。そして、捕まってしまい首都のヴィベクシティに護送され色々考える時間が出来たそうだ。
その熟考の果てに世のため人のために行動しようと思い至り、クリフ・レーサーなる翼の生えた怪物を根絶させる事を決心したと語った。道行く人々に危害を加えていたので、滅ぼした後は聖人と称えられるようになったのだと言った。まさに偉業と呼ぶに相応しいと俺は思った。
手記探しと魂のハスク集め
魂のハスクはソウル・ケルン中に所々に生えていた。アンデッドの襲撃があったが、25個集めるのに苦労する事は無かった。集めた分はモルベンさんの所に持って行き、鉄の盾(炎耐性)と交換してもらった。他にも色々あるみたいなので、また来る機会があったら取引しようと思う。
そして、ジウブさんの手記はソウル・ケルン方々に散らばっていて全部集めるのは大変だった。アンデッドだらけの場所や体力を奪う強大な魂石のある場所に落ちていたりと様々だった。だが、やっと全て揃ったので持って行こう。
10枚全ての原稿を揃えた事で、ジウブさんは歓喜してそれを受け取った。これで第2巻の執筆に取り掛かる事が出来るからだ。報酬として、集めた原稿を基にした第1巻の初版本とジウブさんが生前に持っていたロケットを貰った。
ここから出る気はあるかと尋ねると、魂だけの状態になったのでそれは諦めているとジウブさんは言った。だが、生きていて得られなかった平穏がここにはあると彼は言っており、ソウル・ケルンでの暮らしに満足している様子だった。書き物をしていても邪魔されないのが気に入っているらしい。
ソウル・ケルンでの生活に意義を見出す人がいるなんて思わなかったが、ジウブさんの今後の活動が上手くいくように祈りつつその場を後にした。
アルヴァクを救え!
アルヴァクの捜索は中々大変だった。ジウブさんの手記の原稿並みに困難だった。しかし、ミストマン4体に囲まれている建物を発見した時に、もしかしたらと思って行ったらアルヴァクの頭蓋骨を発見出来たのだ。
これを持ち帰ろうと思った矢先に、飼い主の魂が現れた。俺にアルヴァクの召喚術を授けてくれて、最後にはヒーロー(英雄)と称えてくれた。吸血鬼の俺には分不相応な称号だが、ありがたく受け入れようと思う。
ヴァレリカとの対話
最深部に当たる障壁が張られたボーンヤードと呼ばれる塔の中にセラーナの母親であるヴァレリカを発見することが出来た。しかし、彼女はセラーナがここに来た事で計画が失敗したと嘆いた。
セラーナはハルコン卿の命令ではなく自分の意志でここに来た事を伝えると、それでもここに来たのは間違いだと反論された。その理由は預言に隠されていた。セラーナが持つエルダー・スクロールにはアーリエルの弓の在処について、もう1つの方にはコールド・ハーバーの娘の血を捧げる事でドラゴンを失明させるという事であると告げた。どういう意味だろうか?
そもそもコールド・ハーバーの娘とは何なのか?それを俺が尋ねると、ヴァレリカはその名前の意味を教えてくれた。それはモラグ・バルとの召喚日には生贄が捧げられる事が伝統であり、その試練を生き延びられたら純血の吸血鬼となるらしい。その中で女性がコールド・ハーバーの娘になるのだそうだ。
モラグ・バルのやり方を考えるとやはり凌辱だろうか?それならかなり凄惨な出来事だったはずだ。セラーナがその事を話したくないのも頷ける。だとしたらハルコン卿も?いや、止めとこう。想像したら気分が悪くなってきた...。
そのコールド・ハーバーの娘であるセラーナの血を捧げる事で太陽の専制と呼ばれる儀式が完遂し、吸血鬼による暗黒時代の到来をハルコン卿が目論んでいる事がヴァレリカが危惧している事を知った。
もしそれが達成するような事が起きるのは、俺は反対だ。セラーナを死なせたくない。ハルコン卿と戦うと答えると、それを考慮していないと思ったのか言ってヴァレリカに否定された。彼女はおあれが自分を神格化させるためと考えているようで、彼女とセラーナの気持ちを考えていないと罵倒された。
それでも俺はそんなつもりはないと言ったが、ヴァレリカは「貴方はモラグ・バルに近しい何かを感じるから信用ならない」と言った。俺がモラグ・バルに似ている?そんな馬鹿な...。
ヴァレリカは俺との同盟を止めるようにとセラーナに諭したが、俺がヴァレリカが数世紀掛けてやった事を短い期間にやってのけたと言って庇ってくれた。
ハルコン卿が狂信者となっても父親である事には変わりなく、その父親を持つ娘の気持ちを考えた事があるのかとセラーナは訴えた。ヴァレリカも自分の思うように彼女に接しており、両者共に自分を道具にしていた事を非難した。
それを受けてヴァレリカは自信の過ちに気付き、セラーナに謝罪した。俺はどう声を掛けて良いのか分からなかった。
協力する事を受け入れたヴァレリカは、この障壁を破壊するためには岩のような一番高い尖塔を探していき、そこを守る番人を倒す必要があると言った。それならもう2体倒した。恐らく数はそう多くないはずだ。すぐに倒しに行こう。
だが、障壁を破壊するとダーネヴィールという名前のドラゴンが襲い掛かってくると警告された。今ではアンディール・マスターの手下として番人の監視役として行動しているらしい。注意しなければ。
行く前にどうしてここに閉じ込められるようになったのかと尋ねた。ヴァレリカはアンディール・マスターに匿ってもらうつもりで取引を持ち掛けたが、彼女の魂に価値を見出した事で番人を差し向けられたようだ。
そして、ここに逃げ切り彼女曰く「究極の持久戦」をお互いに展開する事になったのだと言った。吸血鬼にしか出来ない戦法だろう。
アンディール・マスターとは何者かと尋ねると、デイドラではなく定命の者だったらしい。物質的存在を超越した存在へと昇華したが、唯一の弱点として魂への飽くなき飢えが発生する事となり、それが死霊術師と取引する代価として求めているようだ。完全無欠な存在がこの世にない事の証左だろう。
最後に予言を追い求めない理由を尋ねると、永遠の闇の世界を作り上げると同時に、定命の者達による憎しみが爆発し、吸血鬼を根絶するまで戦いが終わらない事を意味するからだった。そうならないように隠れて暮らしていくのが好ましいとヴァレリカは言った。
俺もそう思う。吸血鬼のような恐ろしい存在は陰に隠れて生きてこそ長生き出来るからだ。何より俺自身も上等な存在では無い。
気を取り直して番人討伐へ向かった。耐久力はあるがそこまで強い訳では無かったので、すぐに殺す事が出来た。どうやら3体しかいなかったらしく、障壁がすぐに解除された。ヴァレリカさんは驚いていた。この後はダーネヴィールが襲い掛かってくるので準備しておくべきだろう。
ダーネヴィール戦とエルダー・スクロール入手!
ボーンヤードの中に入るとセラーナに呼び止められた。ハルコン卿が予言に魅入られて狂信者に成り果てた事、ヴァレリカに自分の考えを刷り込まれていた事、今は母親も同じく悪者だった事に気付いたと自嘲していた。家族でありたかったのに、そうならなかった事に嘆いているようだった。
俺は「自分を責めるもんじゃないよ。君は悪くない」と言って励ました。それを聞いたセラーナは落ち着きを取り戻し、先に進もうと言った。折を見て彼女の助けに成れるように頑張ろうと思った。
そして、ダーネヴィールが襲来した。どうやら死霊術を行使するドラゴンのようで、ボーンマンを召喚して攻撃してきた。3人で連携を取りつつ、ボーンマンを倒しつつ、ダーネヴィールを攻撃した。シルバーウィンドとオークの矢を併せた攻撃はそれなりに効いたようで徐々に弱らせる事に成功した。
とどめにドラゴンベインで頭部を突き刺して殺したが、マジカの塊のようになって消えてしまった。ソウル・ケルンにいるからだろうか?
ヴァレリカさんはダーネヴィールは完全には死んでおらず、ソウル・ケルンの番人となったダーネヴィールは物理形態を維持出来なくなっただけに過ぎないと仮説を立てた。どれぐらいの期間で復活するかは未知数だが、待っている事も無いので彼女に促されエルダー・スクロール(血の書)を入手することが出来た。
一緒に帰ることは出来ないかと提案すると、ハルコン卿が健在の今はそれは不可能で、確実に殺した時のみ帰れるだろうと言った。確かに危険は冒せない。最後にヴァレリカさんはセラーナの事を俺に託した。何としてでも守り切らねばなるまいと俺は決心した。
征服者の称号
ボーンヤードを出るとなんとダーネヴィールが待ち構えていた。さっき殺したばかりだろう、早過ぎだ!
そんな事を内心思っていると、ダーネヴィールが話し合いたいと言ってきた。死んだのではと尋ねると永遠にこの姿で存在させられる呪いを掛けられており、生死の境が曖昧のようだ。
そして、戦場では負け知らずだったのが俺達に倒される形となったので、とどめを刺した俺をクァーナーリンという名前の称号を授けられた。竜語で征服者を意味するらしい。まぁ英雄よりもこちらの方が俺らしいか。吸血鬼に栄光は無縁だろうよ。
その他には、元の世界に戻った時に召喚して欲しいとお願いされた。自分で戻ればいいじゃないかといったら、この地に長く居過ぎた結果、離れると死んでしまうらしい。なので、少しの間でも外の世界で飛べるなら幸せなのだろう。俺はダーネヴィールの提案を了承した。
そのためのシャウトを3節分教えて貰った。意味は呪い、決して、瀕死だ。発音は実際の召喚時に覚えるとしよう。
最後にどうしてここに来たのかを尋ねると、ここに来た経緯は死霊術を追い求めたからであり、アンディール・マスターとの契約でヴァレリカさんを殺せば完了となると言ってその気にさせたが、吸血鬼である事を知らなかったので騙されてしまい、良いように使役されるようになってしまったようだ。
ダーネヴィールの名誉のためにも、スカイリムに戻ったら飛ばせてあげるとしよう。
アンディール・マスターの尖兵、その名は夕闇!
スカイリムへ帰還する前にとある廃墟を見つけた。そこは夕闇の霊廟と呼ばれる場所だった。入ると只ならぬ殺気を感じた。足元には冒険者と思われる白骨遺体があった。日記があったので失敬して読むと、魔術師に騙されてここに潜入したが力尽きて死んでしまったらしい。恐らく死霊術師が自身を魔術師と偽っていたのだろう。
進んで行くと、ラスマンよりも強化されたと思わるアンデッドがいた。それ等はとても強かった。アカヴェリ風の装備を着たアンデッドもいた。セラーナと協力して倒さなかったらあの冒険者のように殺されていただろう。
このアンデッド、仮に「夕闇」と呼称する事にするが、恐らくアンディール・マスターの使役するアンデッドの完成形ではないだろうか?アカヴェリ風の装備やエルフの装備、中にはシャウト使いもいた。ソウル・ケルン中に溢れていなくて良かった。
冒険者の日記の中にあった剣や紋章、呪文書を発見した。剣はソウルブレイカーや闇のハルバード等と呼ばれる武器、紋章はソウル・ケルンの紋章と呼ばれるネックレス、呪文書は夕闇にまつわるアンデッドの使役を可能にする本だった。
厄介ではあるが、使いこなせば戦力になるだろう。まぁ扱いに注意しなければ永久的にソウル・ケルン暮らしになるから注意しよう。
俺は吸血鬼だからコールド・ハーバー行きかもしれないけど。だが、このコールド・ハーバーに近い将来行く事になるのを俺は知らなかったのだ。






















































































