ドラゴン・ブリッジに到着したので衛兵にそれとなく聖蚕の僧侶の居場所について尋ねてみた。どうにも護衛の一団を引き連れて南に向かったらしい。俺達も南に向かう事にした。だがやっと追いついたと思ったら、その一団は皆殺しにされており、その襲撃相手は吸血鬼だった。こちらも死んでいるだ。派閥が違うのだろうか?
その吸血鬼の懐を失敬して、ある手紙を見つけた。その襲撃した吸血鬼の主はマルクスという名前らしく、聖蚕の僧侶はフォアベアーズ・ホールドと呼ばれる洞窟で屈服させようと計画しているらしい。先を越される前に確保しなければならない。
行く前にエルダー・スクロールに関する本を見つけた。それを読むと、読む者には4つのグループに分かれると書かれていた。
1つ目は騙されやすい人々と書かれており、要するに無知な人物(この例えは酷いかもしれないが...。)が読むだけなら何の悪影響も及ぼさないと書かれていた。
2つ目は無防備の知識を持つ人々と書かれており、読むことで悪影響が出る事が分かっている人物とされており、最終的には失明するがエルダー・スクロールに記されていた物を読んで得た知識を失う事は無いと書かれていた。過去や未来を知る事の代償なのだろうか?
3つ目は聖蚕の僧侶がこれにあたり、読むためにかなり厳しい修行をするらしい。精神の修業で不屈の精神を作り上げるためだそうだ。だが、それでも読んだら影響が出ない訳では無いので危険は承知という事になるのだろう。
最後の4つ目は教化された知識と書かれており、聖蚕の僧侶が自身の人生の最期を受け入れて行う人々を指すらしい。自分の人生全てを投げ出して読む作業を究極の朗読と書かれており、それにより知り得た観念は不可欠なものとなると書かれていた。
かなりの覚悟を要する事は理解出来た。その人物を誘拐するのだから、俺は極悪人という事になるのだろう。まぁ山賊相手とはいえ、吸血行為をしまっているから尚更だが...。
手紙に添えられていた地図を基に、フォアベアーズ・ホールドに到着した。内部に侵入すると中央部分が魔術的な障壁で守られているのを発見した。あそこにいるのかもしれない。
聖蚕の僧侶を誘拐せよ!
だが吸血鬼は1人もいなかった。いや、正確には殺されていたのだ。その襲撃者はドーンガードだった!彼等は武装した犬とオークを最初に嗾けた後、構成員達が攻撃してきた。俺とセラーナはそれを迎え撃ち、リーダー格とされるノルドの男性を殺した。名前はヴァニクというらしい。
その人物からは目ぼしい情報は得られなかったが、近くにオークの男性吸血鬼の死体を発見した。この人物がマルクスのようだ。そこからまた失敬して懐を探ると、ウェイストーン・フォーカスと呼ばれる魔力を帯びた石を見つけた。これで障壁が消えるだろうか?
俺は近くの階段を登り、ウェイストーン・フォーカスが丁度はまるサイズのくぼみを見つけた。それを設置すると無事に障壁が消えた。だが、現れたインペリアル男性の僧侶は俺達に向かって攻撃を開始した。セラーナはこれを吸血鬼の誘惑の効果によるものと察した。ならば上書きすればもしかしたら。
そう思った俺は吸血鬼の誘惑を僧侶に向けて放った。そうする事で落ち着いた僧侶は自分の名前はデキソン・エヴィカスであると自己紹介し、俺の事を「主様」と呼んだ。悪事を働いておいてそう呼ばれるのは心苦しいと思いながらも、ヴォルキハル城へ向かうように指示を出した。俺達も戻るべきだろう。
残りのエルダー・スクロールを探せ!
俺達はヴォルキハル城に帰還して、聖蚕の僧侶をこちらに転向させた事をハルコン卿に報告した。彼は喜び、妨害は無かったかを確認したのでドーンガードを返り討ちにした事を報告すると、悲鳴をこの耳で聞きたかったものだと嘲笑した。
そして、デキソンに命令してエルダー・スクロールを開示して読ませる事となる。本来ならば世のため人のために修行を積んできた技術を吸血鬼のために悪用させるのは内心心苦しかった。それを命令する俺自身邪悪の部類なのは明白だ。
デキソンが読み上げた内容は、ハルコン卿が知っている預言の他に、アーリエルの弓と呼ばれる特殊な弓の存在と、預言の残りが記されている竜と血に関するエルダー・スクロールの存在が明かされた。
竜の方はドラゴンの古の秘密と血の方は古き血が齎す力の事が記されているらしい。これを手に入れる事で全ての預言を知ることが出来るようだ。
ハルコン卿に指示を仰ぐと、思い通りの預言の内容では無かった事に落胆した様子だった。だがもう少しで全てが上手くいくと思えばもう少しは待つと考えを改め、残り2巻のエルダー・スクロールの捜索を俺に命令した。
1つはヴァレリカが持ち去り、残りはドワーフ(またはドゥーマー)遺跡にあるらしい。気乗りしないがやるしかないだろう。
捜索に行こうと思っていたら、セラーナが玄関口に来て欲しいと言った。早速行くと、エルダー・スクロールの在処について1つは目星がついていると言った。ここで言うのはヴォルキハル派の仲間やハルコン卿の耳に入れたくは無かったからだと打ち明けた。彼女は父親と疎遠になったのは、自分の事を道具にしか思っていないと確信しているからだった。
封印される前にヴァレリカはどこか安全な場所に行くと言っていたらしい。ハルコン卿が探さないような場所と強調的に言っていたらしく、どこか謎めいていたとのこと。時間もほぼ無限にあったのに探さない場所なんてあったのか疑問を抱いている様子だ。
俺はどこかに封印されているのではと言ったが、セラーナはそれを否定した。状況が改善した時に備えて起きておきたいと言っていたかららしい。
ヴァレリカが味方であるはずとセラーナは思っており、ここにいること自体が意味があったはずだと考えているようだった。
そうなるとこの城の中になるのではないかと言ったら、恐らくそれで正解だろうとセラーナは言った。ヴァレリカは中庭の庭園にいるのではないかと持論を述べた。ハルコン卿はそこが大嫌いだったらしい。そこが和やか過ぎるとのこと。
そこに通じる道は島の北側の放棄された入り江にあるという。そこにある脱出用トンネルが城に通じているらしい。そこを伝って行けば辿り着くだろう。セラーナに先導してもらいヴァレリカに会うべきだ。
ヴァレリカを探せ!
俺は中庭中に散らばったクレストを探した。あったのは三日月、半月、満月のクレストだ。これを月の満ち欠けの位置に応じた箇所に設置すると日時計が動き、地下へと通じる階段が現れるのだった。これを通じて廃墟に辿り着けるかもしれない。
行く前にどうして中庭が破壊されたのかを聞いてみると、ヴァレリカを思い出す様々な物を配したと思うと答えた。もっと一緒に過ごしていればその美しさを理解したかもしれないのにと言って嘆いていた。
そして家族関係を尋ねると、ハルコン卿は言うに及ばず、ヴァレリカもそれに近しい位の人柄だったそうだ。その両親に育てられたセラーナは苦労した事だろう。
俺の家族はどうだったのかとセラーナは聞いてきた。俺は「両親の存在すら知らない。子供時代の事すら覚えていないんだ」と返答した。彼女は同情し、似たような子供時代を送っていたと思うと言った。何だか気まずくなってきた。この話はこれ位にして進むべきだろう。
地下通路を伝って廃墟の塔まで進んだ。だがここはセラーナも知らないらしく、ヴァレリカが秘密にしていた場所のようだ。
ここには防衛用にガーゴイルを飼っていたようで、何かのためかと尋ねたらヴァレリカと魔術で作られた物には興味があると言っていたが、俺の思うようなものではないと答えた。神秘的に感じていた位の事だと。それなら最深部を目指して答えを見つけるしかない。
そして、最深部に到達すると、そこは死霊術を研究する施設だった。その中央の円環は何か重要な者であるのは明白だった。これがヴァレリカに通じる鍵となるだろうか?
ヴァレリカの研究は入念なものだったらしく、手掛かりとして記録を見つける必要がある。小さな日記を付けていたらしいのでそれを探そう。
ここの施設は本格的な死霊術専門の錬金術の部屋のようで、長寿とは無縁のものだとセラーナは言った。吸血鬼は死なない限り不死を保つからだ。俺もそれは気付いていた。
俺はヴァレリカの日記を探す事にした。その最中にオプスカルス・ラマエ・バルと書かれた本を見つけた。
その内容は、モラグ・バルの残忍かつ強欲な面を書き綴り、アーケイへの冒涜を込めて信者の娘であるラマエ・べオルファグを凌辱し、最初の吸血鬼であるラマエ・バルへと変貌させた。後に血の貴婦人という異名で恐れられることになったと書かれていた。何とも恐ろしいデイドラ・プリンスである。
だが、この時の俺は知らなかった。後に両者共に深く関わる事になるとは知る由も無かったのだ。
その次にやっとヴァレリカの日記を見つけた。読み上げてみると、ハルコン卿の預言への執着に辟易し、研究に打ち込むことで気を紛らわせていたようだった。気になる名前としてソウル・ケルンという地名があった。そこにはアンディール・マスターなる存在がいると書かれていた。気になるがかなり厄介そうだ。
そこに行くための材料は、丁寧にひいた骨の粉、浄化された虚無の塩、魂石の破片、そしてヴァレリカ自身の血と書かれていた。最後以外はどうにかなるかもしれない。セラーナに確認しよう。
ソウル・ケルンについてセラーナに尋ねると、ヴァレリカは魂石に関する仮説を話していたらしく、消費された魂は消えるのではなく、そこに送られるのではないかという仮説だ。そこはオブリビオンのひとかけらにあたるそうだ。
そこには死霊術師達が取引を持ち掛ける強大な存在、アンディール・マスターがいるらしい。そこで魂を捧げるとアンデッドを召喚する力を手に入れることが出来るらしい。だが、最終的には出し抜かれる形で利用されて利用されて破滅してしまうのだとか。
その存在とヴァレリカは接触を試みて成功したと見て良いのかもしれない。彼女の血はセラーナで代用出来ないかと提案してみたら、露骨に「貴方どうかしてますわよ?」とでも言いたげな顔をしながら皮肉を言った。そんな事をしたら悍ましい結果になるだけだと。仕方ないだろう、それしか検討がつかないんだからさ。
いざソウル・ケルンへ!
材料である丁寧にひいた骨の粉、浄化された虚無の塩、魂石の破片を集め終わる頃に再び発作と囁き声の老人の声が聞こえてきた。
その老人は「今度はナイトストーカーにランクアップだなぁ!!どんどん吸血鬼として強くなるが、どこまで上げる気だ?■■■■■■にでもなるのかぁ?まぁどうでもいいが...。そこにはチーズは無いのか?無い?!ならこの会話はこれで終わりだ!」とやたらハイテンションで囁いてきた。いい加減喧しい...。この囁き声、もしかしてデイドラか?だが聞き取りにくい所があった。何て言ったんだ?
そして、転移門の器に材料を全て入れてセラーナの血を入れる事となるが、最後に彼女は物憂げな顔をしていた。ヴァレリカに会えたらどうすればいいのか分からないと打ち明けてきた。
俺は「セラーナの事を考えて、安全策を選んだんだと思う。きっと良い人さ」と言って元気付けた。それを聞いた彼女は胸中では母親を信じたい気持ちでいっぱいであり、気に掛けてくれる人物がいる事に安堵していた。
そうして、セラーナの血を転移門の器に注ぎ、ソウル・ケルンへの門が開いた。ここまで来たのだから最後まで付き合うのみだ。覚悟を決めてその門を潜った。



























































