Fallout4(フォールアウト4)ヌカ・ワールド編 最終話 ヒーローに永久の安らぎを | TES&fallout forever

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 僕はシエラさんのヌカ・ワールドツアーに参加する事にした。同じ同志としてとても楽しみである。

 

ヌカ・ワールド・ツアー

 最初はフィズトップ・マウンテンやフィズトップ・グリルだった。絶景を眺めたり、極上かつ高価な料理を楽しむことが出来たと紹介した。

 その次は、ヌカ・ケードだった。家族皆で楽しめるて、腕を競えるゲームが満載だったと紹介した。ゲームに勝てばチケットが貰えて、様々なヌカ・コーラ商品と交換出来たと言い、シエラさんは戦前にいたならば、全部の商品と交換するために1週間丸々過ごしただろうと豪語していた。凄い気迫だ。

 その次はパーラーだった。洗練された楽しみであり、有名なヌカ・ワールド・プレイヤーの故郷と呼ぶに相応しいと語った。ここではボトル&キャッピーショーが開催されており、物凄い人気で数カ月前にチケットは売り切れになる程だったらしい。

 更に次はキャッピーズカフェだった。美味しいハンバーガーやフライがあり、子供達に大人気だったらしい。目玉商品はヌカ・ブラスト・バーガーと呼ばれる食品で「パンにくるまれた爆弾」と称されるほどだったようだ。繁忙期にはカフェに入ろうとフィズトップ・マウンテンまで長蛇の列が出来るほどだったとのこと。


 その後は、ヌカ・ワールドの正面玄関の入り口広場まで教えてくれて、1日の来場者数は数万人単位らしかったが、ヌカ・コーラ社の正式な数値ではなく、シエラさんの見立てでは控えめな見積もりだと言っていた。来場者数にまで言及するとは「筋金入り」というやつだろうか?

 最後はN.I.R.Aについてだった。自分の次位に凄いヌカ・コーラマニアだとシエラさんは冗談交じりに答え、ツアーは終了した。実にためになったと思う。

 僕はお礼を言うと、シエラさんはそれを言うのは自分の方だと謙遜した。レイダー達は自分の話を聞きたがらなかったから、頑張ったのだと言った。自分は世界一のヌカ・コーラファンだと思って構わないとも言った。初めて飲んだ時から夢中らしい。僕もその気持ちは分かる。この飲み物は飽きないからね。

 そして、見つけられる商品は全て収集し、シエラさん自身がかけているサングラスである「キャッピーグラス」もその1つらしい。しかし、これは唯のサングラスではなく、戦前のコンテストの1部だった代物らしい。

 そのコンテストに勝つと、ヌカ・コーラの創設者ジョン・ケイレブ・ブラッドバートンに会えるのだという。僕は瓶詰工場でその名前を知ったので興味が沸いた。

 その名前を知っていたので、シエラさんは大喜びした。今では知っている人は極少数だからだ。そのコンテストに勝つには、パーク内部に隠されたキャッピーを10体見つける必要がるらしい。暗号化何かの一部が隠されており、キャッピーグラスだけがそれを映してくれるらしい。

 しかし、もう200年以上前の人物なので、亡くなっているはずだ。コンテストどころではない。だが、シエラさんには他に目当てがあった。オリジナル・ヌカ・コーラの製法が隠されているはずだと確信している様子だった。ソフトドリンク界の最大のミステリーであるから、コレクションの目玉になると言った。

 僕は面白そうだと思ったので協力する事にした。X6は「また妙な事に首を突っ込んで...」と愚痴を零していた。まぁ今日は休暇としてヌカ・コーラマニアとして過ごしても良いじゃないの?今日だけだから!

 シエラさんは、新顔なので学べることは何でも学ぶべきと言って乗り気だ。そのためキャッピーグラスとキャッピーの在処のヒントを記したホロテープを受け取った。暗号は彼女は解読してくれるようだ。さて、しっかり楽しませてもらいますかね!

 

隠れキャッピーを10体見つけろ!

 僕はキャッピーグラスを掛けた。ちょっと恥ずかしいけど楽しい。X6は「その姿を見ると、ヌカ・コーラとやらを飲みたくなる位に面白いです」と言っていた。あれ?貶されている?

 気を取り直して早速隠れキャッピーを探そう。最初はヌカ・タウンU.S.Aだ。ホロテープを見ると、フィズトップ・マウンテンで噴水を楽しそうに見ているとあるので、その近くを探すと売店の茂みに隠れていた。暗号は「G」だ。

 今度はキッディキングダムだ。ホロテープによると城の近くの高い所と回転する床に足を付けたままだと探すのが難しいかもしれないとあった。

 城の近くの高い場所は付近の建物から探して見つけた。暗号は「I」だ。残りはびっくりハウスの開店する部屋の扉を開けた中の1つにあった。暗号は「F」だ。

 その次はサファリアドベンチャーだ。ホロテープによると、キャッピーが待っている場所に偽物の猿はいない。動物の像に隠れている分と迷路に隠れているとあった。

 偽物の猿はいないとは、霊長類ハウスの事だろう。動物の像とはゴリラの像の事だと思うので裏に回ると見つけた。暗号は「N」だ。

 迷路に関しては、ツリーハウスのある場所の事だろう。その中から総当たりになったが見つけた。暗号は「E」だ。

 更に次はドライロックガルチだ。ホロテープによると、墓石の所やマッド・マリガンが砂金を洗う所とあった。

 最初はギディアップ・キッドのいる付近の墓石のある場所を探し、裏側にあるのを見つけた。暗号は「E」だ。もう1つはマッド・マリガン鉱山の中の建物の壁にあった。暗号は「H」だ。

 その次はワールド・オブ・リフレッシュメントだ。ホロテープによると、川を下ると旧西部が広がるとあった。なので、西部劇の建物を見ていく中で見つけた。暗号は「R」だ。

 最後はギャラクティックゾーンだ。ホロテープによると、宇宙の道を歩き、辺りを見渡す分とスターポートの周りを探すとあった。

 最初はSPACWALKと書かれた看板を通り、トンネルを抜けて右手側の休憩所にあるのを見つけた。暗号は「R」だ。

 最後はスターコントロールがあるスターポー・ヌカを時計回りに探していき、従業員専用の扉の近くにあるのを見つけた。暗号は「S」だ。これで全て揃った。シエラさんに指示を仰ぐべきだろう。

 シエラさんに報告しに行く前にN.I.R.Aに出会ったのでヌカ・コーラ社について聞いてみた。その説明は、ワールド・オブ・リフレッシュメントのアナウンスと同じ内容だったので特にこれ以上の情報は無いと思ったら、再び改変によるエラーが発生し、ヌカ・コーラは「有害な汚水であり、頭の弱い連中は美味しそうに飲み干すんだ」と言っていた。レイダーがいじってこうなったのかな?真相は闇の中だ。

 正常に戻ったN.I.R.Aはヌカ・コーラ・クアンタムの宣伝をしてその場を立ち去った。彼女も彼女で大変だなぁと思いつつ、シエラさんの下に向かった。

 もう夜になっていたが、シエラさんは待っていてくれた。早速隠れキャッピーの暗号を全て報告すると、今までの経験を基にその暗号がRefresh(リフレッシュ)になる事を掴んだが、思っていたよりも単純だったので、拍子抜けしたらしい。

 僕は「子供向けのコンテストなのだから、仕方ないですよ」と言った。シエラさんはそれを聞いて、ヌカ・コーラになると力が入り過ぎてしまっていたと言った。

 この扉を開けると、ブラッドバートンの事務所に通じているらしいので近くのキーパッドを使用しなければいけないらしい。Refreshに対応した10個の数字を入れればいいようだその栄誉は隠れキャッピーを全て見つけた僕に譲るとシエラさんは言った。そのお言葉に甘えますかね。

 だが、今日は探すのに疲れた事と、周辺区域のパトロールを済ませてからにしたいので、明日に変更したい事をシエラさんにお願いすると快く了承してくれた。用事が終わり次第すぐに入り込もうと思う。

 

ヌカ・ワールド園外のパトロール

 翌朝、僕達はヌカ・ワールド園外にパトロールに向かった。ディサイプルズやパックス、オペレーターズの残党の排除を目的としたものだ。しかし、その脅威は見つからなかった。完全に滅んだか生き延びてコモンウェルスに落ち延びたのかは分からないが、コーサー達もいるし、防衛レベルは最高に高めたので、それで様子見するべきだろう。

 その道中に、エヴァンという名前の男性と出会った。彼はここに定住しており、平和と静けさと景色が気に入っていると言った。折角会えて、しかも好意的に接してくれるのでお礼がしたいとエヴァンは言った。

 それはヌカ・ラブのレシピだった。ヌカ・ワールドの郊外で見つけたが、自分には必要が無いとの事だった。ありがたく受け取ろうと思う。エヴァンさんとはこれからも良い関係で痛いと思った。彼みたいな人は珍しいし、その人間性は僕にはとても眩しく、素敵だと思ったからだった。

 エヴァンさんに別れを告げて、僕達はパトロールを続けた。そうしてダンモア・ファームと呼ばれる場所を見つけた。そこを営んでいるのはブレット・ダンモアという名前の男性で、妻と娘の3人で切り盛りしていた。恐らく元ガンナーだろう。装備が酷似していたからだ。

 ブレットは僕達に警戒心を露わにしたが、ヌカ・ワールド・レイダーズを壊滅させた事を教えると、大きな借りが出来たとしていくらか取引で値引きしてくれることになった。そして、丘に隠してある金庫の鍵を僕にくれた。全部持って行っていいらしい。レイダー達を壊滅させた報酬としてくれるのだそうだ。とてもありがたい。

 こうしてパトロールが無事に完了したので、いよいよブラッドバートンの事務所に入る事となる。キーパッドを操作して扉の施錠を解除した。シエラさんはここには秘密が巧妙に隠されているはずだと言っていた。何かあるのは僕もそう思った。

 オリジナルのヌカ・コーラの製法がどこかにあるはずという期待と戦前にここを訪れたかったという気持ちをシエラさんは歩きながら喋っていた。気持ちの入れようが違うと感じた。

 

コバルト計画

 そこでターミナルを発見した僕は、情報が無いかと思い覗いてみた。そこにはブラッドバートンが社内外の人達へのやり取りが書き込まれていた。

 ギャラクティックゾーンのメンテナンスを行う事で儲けが落ち込み、世界情勢が悪化した時のためのロボットが稼働しない事に拒否感を示したり、AFADの横暴を取り締まるために保安部から人員確保の打診が来ていたりしていた。その他にいくつか気になる書き込みを見つけた。

 Vault-Tecの技術者のガイルス・メインスグローブという名前の人物宛てには聖域のに施したお礼の連絡をして、最高傑作の傍にコントロールスイッチを設置するようにと指示を出していた。ブラッドバートンが成功した理由そのものにと書き込まれていた。恐らくオリジナルのヌカ・コーラの製法はそこにあると思われる。

 飲料部門のケイト・リーヴィットという名前の人物からの書き込みには、ヌカ・コーラ・クアンタムの危険性を警告していた。放射線が極めて高く、軍用には有効だが人体に甚大なる被害が出るようだ。なんと、飲用者の尿が光るらしい。面白がる飲用ラボの人達がいるが、自分の体から出る事を考えて欲しいと言ってもっとテストを重ねるようにと書き込まれていた。

 そうなの!?時々飲んでいたけどそこまで気にした事は無かった。改造人間になったけど飲用は控えた方が良いかもしれない。まだ死にたくはないし。

 それに対するブラッドバートンの回答は、プロトタイプの飲用者には、フルーツとチーズの盛り合わせの「ヌカ社忌慰セット」を送るように指示を出したという内容だった。違う、そうじゃない...。

 その中で1番やり取りがあったのは、役員秘書のペイトン・ハクスレイという名前の人物だった。「ヌカ社忌慰セット」のトンデモ品を考えたのもこの人物らしい。どうやらなかなり優秀らしく、ブラッドバートンの信頼も厚かったようだ。

 ブラッドバートンが何かの理由で長期的にスケジュールの空きを作る必要が出て、それをペイトンが苦労しつつも成し遂げたようだ。何やら特殊な医療チームを擁して大掛かりな事をしようとしていたらしく、ヌカ社の最大の功労者を失う事を悲しんでいるようだった。ブラッドバートンもその「何か」のために、隠れキャッピーコンテストの勝利者に出会うのは難しくなるといったような書き込みがあった。

 ふと僕は気付いた。この書き込みの中である計画の名前がちらほら見かけたのだ。その名もコバルト計画。何やら軍事関係のような気がする。どうにもきな臭い。ブラッドバートンは何を計画していたのだろうか?

 他にはヌカ・コーラ・クリアと書かれたホロテープを見つけた。ブラッドバートン自身と思われる男性の声が録音されていた。この製造のために一歩引いて事実を吟味する必要があると言っており、コバルト計画でクアンタムが手に入ったので、そちらの宣伝のために費用を使いたいと語っていた。

 そして、レモンライム味の発表とクリアカラー味の両方を宣伝する方法を用意しないといけないので、2会計年度の間はヌカ・コーラ・クリアの製造を停止するしかないと決断する内容で記録は終わっていた。経営者も大変なんだなぁと思った。

 その次は金庫を見つけたので開錠すると、武器弾薬の他にブラクストン将軍の訪問と書かれたホロテープを見つけた。これを再生させると、ブラクストン将軍はブラッドバートンに対し、コバルト計画に参加するように要請していた。

 ブラッドバートンには、自分の実験室とビバレッチャーを奪う気だと考えており、自分の部下と施設が敬意を以て扱われると確約するように求めた。しかし、ブラクストン将軍は取り合わなかった。アメリカ軍の代表としてきていると突き放した。

 ブラクストン将軍は補償は充分に与えると言い、本当の狙いは何だと聞くと、ブラッドバートンはリープXプログラムに参加したいと言った。それを聞いたブラクストン将軍は面食らっていた。どんな内容だろうか?

 ブラッドバートンは開始当初から追っていた。その内容は、機械を使って人間を完全な不死な状態にする技術を軍が生み出したというものだった。この提案に合意する事を求めるなら、リープX のリストに入れるように言った。

 ブラクストン将軍は、ブラッドバートンが死を恐れている事を意外だと言いつつも、リープXは初期段階で問題が山積みである事を前置きし、スイッチを押したら不死になる内容ではないと言った。それでもブラッドバートンは諦める事は無かった。彼の抱える有機化学者は世界一だと自信を持っており、役に立つと説得していた。

 僕自身も改造人間だけど、彼も改造人間のような者になって生き延びているのだろうか?

 

ヌカ・コーラの生みの親 ブラッドバートン登場!

 僕は隠し扉を見つけてエレベーターを起動させた。そこから地下に降りると、そこにはVaultがあった。ターミナル通りならブラッドバートン専用のものとなる。シエラさんはVaultを始めて見たようで興奮していた。僕にとっては苦い思い出しかないが...。

 そこから最深部に進むと、戦前の豪華な部屋に行き着いた。車やヌカ・コーラ、その他の戦前の品々が保管されていた。だが一番目を引いたのは中央に鎮座してある人間の生首だった。まだ生存している様子だった。

 それを見つけたシエラさんは歓喜とも驚愕ともつかない声を上げた。この生首こそがジョン・ケイレブ・ブラッドバートンその人だったのだ。

 ブラッドバートンは人間と会うのはかなり久しぶりだったらしく、侵入した僕達を警戒していた。シエラさんはそんな事はお構いなしに自己紹介していた。彼はそれを聞き流しつつ、Pip-Boyを付けている僕が気になったらしく、どうしてここに来れたのかと尋ねた。僕は隠れキャッピーコンテストを解いた事を伝えた。

 それを聞いたブラッドバートンは、戦前に作った隠れキャッピーコンテストに思いを馳せた。生首だけの姿に、この場所で何百年も孤独に苛まれる前の時代を...。その後、彼はブラクストン将軍に対しての怒りがぶり返した様子で罵倒していた。

 ブラッドバートンさんは、コバルト計画に参加したのは、兵器開発と引き換えに生命を伸ばす技術にアクセスするためだったと打ち明けた。僕は「どんな思いをされたのか想像も出来ません。辛かったでしょうね」と答えた。シエラさんは、憧れの有名人が兵器開発をしていた事実を受け入れられないでいた。

 それに対してブラッドバートンさんは「天才は安らぐ事が無いのだ!手を広げ、新たな挑戦を求め、未開の地を探検しなければならないんだ」と言い、その果てに見つけたのが兵器だったのだ。

 その兵器は、通常の携帯型戦術弾頭を量子で強化した物になるはずだったらしい。その試作品があるので、あげても良いが条件があると言った。それはブラッドバートンさんの生命維持装置の電源を切って欲しいという内容だった!シエラさんは悲鳴を上げた。

 僕は「殺すよりもいい方法があるはずです」と反論したが、ブラッドバートンさんは「口で言うのは簡単だ。お前は自分の足で立って、行きたい所に行って、やりたい事が出来るんだからな?」と皮肉で返されてしまった。シエラさんはヌカ・コーラの生みの親を殺す事に猛反対だ。

 だがブラッドバートンさんの意志は固かった。生首だけの状態で何十年も代り映えのしない壁を眺め続けるのは地獄でしかないと言った。話の分かるお友達として僕にその仕事を任せたいと言った。難しい事だが利益もあり、彼の生命維持装置を切ったら試作品倉庫のドアが自動的に開く仕組みになっていると教えてくれた。好きなだけ持って行っていいから、解放してほしいと懇願してきた。

 シエラさんはそれに待ったをかけた。ブラッドバートンさんが死にたいのは孤独に耐えられないからならば、自分が話し相手になると言った。そのための報酬は限定版のヌカ・コーラのジャンプスーツをあげると言った。彼女の大事なコレクションだが断腸の思いでお願いしてきた。

 それを聞いたブラッドバートンさんはそんな物は自分が提示する物よりもつまらないと憤慨し、自分の頼みを聞いて欲しいと更に懇願してきた。どうするべきか?

 

ヒーローに永久の安らぎを

 どうするか決めかねたので、近くのターミナルを覗いた。そこではブラッドバートンさんがヌカ・コーラのバリエーションを増やすために他社の商品を使って独自風に改変した物を商品化していたようだ。特許は買収したのだろうか?疑問は尽きない。かなりアウト寄りのグレーな気がする。

 その次は、ブラッドバートンさんがリープXに参加して核戦争後を生き抜くための準備の日々が書き込まれていた。システム稼働のために大金を投じる必要が出たが、戦後の事を思うとその事はどうでもいいとして、強行させたようだ。

 次に、ヌカ・コーラ・クアンタムは兵器としてのクアンタムを飲料水用に改良した物だと書き込まれていた。僕は何という恐ろしい物を飲んでいたのだろうか!?長生きできるか不安である。

 そして、現在の生首の姿になったのは、リープX自体が初期段階なので、機械に接続させるしかなく、その積載限界が7kgまでだった。諦めきれなくてこの姿を選んだようだ。その後の事は役員秘書のペイトンに任せる手筈だったようである。

 僕は決断する前に、オリジナルのヌカ・コーラの製法はもういらないのかどうか聞いた。シエラさんはブラッドバートンさん発見する前の話であって、彼自身が教えてくれるかもしれないし、他にも色々聞けるかもと言った。

 僕は迷ったが、ブラッドバートンさんを死なせることに決めた。200年以上も孤独で苦しんでシエラさんという理解者も得たが、彼女もずっといるわけではない。僕も改造人間になったが戦う以上その保証も出来ない。改造人間化も考えたが僕と同じ運命を彼に背負わせるわけにもいけない。

 それを聞いたシエラさんは偉大な頭脳を死刑にする事、マシな選択肢を提示したのにそれを蹴った事、彼を殺して兵器を手に入れるな自己中心的だと罵倒した。どうしても兵器が欲しい訳じゃないが、ブラッドバートンさんの苦しみを終わらせるにはこれしかなかった。

 僕は覚悟を決めて電源を切った。ブラッドバートンさんは「これで自由になれた」と満足そうに呟いて亡くなった。シエラさんはそれを見て泣き叫んだ。

 隔壁の中にはブラッドバートンさんの事務所の鍵の他に、ヌカ・コーラ・クアンタムのノウハウを活かして生まれた試作兵器であるヌカ・ニューク、そのヌカ・ニュークを撃つためのヌカ・ニューク・ランチャー、ヌカ・ニュークの設計図、シエラさんが探し求めていたオリジナルのヌカ・コーラの製法、その他にヌカ・コーラ・クアンタムにダーク、クオーツやグレープやワイルド、ビクトリーがあった。素晴らしい物ばかりで全部ありがたく頂戴するが、少しも嬉しい気は起きなかった。

 

 僕はオリジナルのヌカ・コーラの製法を渡した。シエラさんは一生に一度のチャンスをふいにされた事、たとえ受け取ったとしても僕を許さない事、彼女にとっての一番のヒーローを殺し何百万の人々を笑顔にした人の人生をぶち壊すとは何様かと怒りを露わにした。

 僕はシエラさんに申し訳ない気持ちになりながらも、ブラッドバートンさんが何を一番望んでいたかを考えるべきだと諭した。それを聞いた彼女は彼の気持ちを考えるべきだったと呟いた。ただ直接会えて嬉しく、チャンスが巡ってきたのを僕が奪ってしまったのが辛かったと胸中を明かした。

 だがヌカ・コーラの生みの親にお目にかかって最高のひと時を過ごせたのは、僕の協力があったからこそだと認めてくれた。そのうえ僕にお礼を言ってくれたのだ。それを受け入れる資格は僕には無いのに...。

 僕は話題を変えるためにオリジナルのヌカ・コーラの製法を今後どうするつもりかとシエラさんに尋ねた。彼女は自分は化学者ではないけれど、遊びのつもりでやってみると前向きに言った。それとヌカ・ワールドをもう少し探索してから帰るつもりだという。

 そして、帰った時にはヌカ・コーラ博物館を続けるのにもっと大きな建物が必要になる位に関連グッズを手見上げにキャピタル・ウェイストランドに帰るつもりだという。最後に報酬として500キャップくれた。何から何まで頭が上がらないなぁ。

 本当にこれで良かったのか?シエラさんのヒーローを殺しただけの悪党じゃないのか?僕はやはりブラッドバートンさんを生かすべきだったのか?答えは出ない。どちらを選ぶにしても後悔と責任が付きまとうだろう。でもそれから逃げてはいけない。それが業魔として生きると決めた僕の罰なのだから。