Fallout4(フォールアウト4)ヌカ・ワールド編 第4話 カイジン・レクイエム(怪人鎮魂歌) | TES&fallout forever

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 残るはパックスのみとなった。かなりの疲労感と罪悪感を感じながらもパックスの拠点でもあるブラックバートン野外劇場を目指すのだった。

 

パックスを壊滅させよ!

 中に入ると彼等は怒りと憎しみを抱えた凶暴な獣の如き咆哮と上げて、僕達に襲い掛かった。パック・ドッグという名前の犬やパック・グールリラという名前のゴリラの怪物等を従え、エキセントリックな戦法で僕達を翻弄し、併せて苛烈な銃撃戦も仕掛けてきた。

 そして、メイソンは僕達を煽り立てて部下達の統制を取りつつ攻撃してきた。見た目通りの人物ではなかったという事だろう。

 パックスはかなりの強敵だったが、地の利を得る事を目指し、遮蔽物や高所を避難口にして攻撃を掻い潜り、パックスを確実に殺していった。そして、残るはメイソンのみとなった。それでも負けじと罵声を浴びせつつ銃撃してきた。

 僕はアクセラレータ―を連射してもろに受けたメイソンは吹き飛ばされてしまい、その後反撃しようとしたが力尽き、息絶えた。

 これでパックスは壊滅したと思ったがまだ確認していない場所があった。それはヌカ・タウン・バックステージと呼ばれる場所だった。中に入るとまだ数名のパックスが生き残っていた。今度こそここで決着を付けるとしよう。

 中は密集していたので、プラズマソードに切り替えて攻撃した。中々に大変だったが僕達はバックステージ内部のパックスを全滅させるのに成功したのだ。

 気が付くと奴隷と思わしき男女1組がいた。パック・キャプティブという名前の階級らしい。だがパックスは今日を以て壊滅したので、彼等は自由の身となるだろう。

 終わった...。3つのレイダー集団は今日を以て壊滅したのだ。早速マッケンジーさんに報告に行くべきだろう。

 

解放されたヌカ・タウン・マーケット!

 パックス、オペレーターズ、ディサイプルズが全て壊滅した事によりヌカ・タウン・マーケットもレイダー達の支配から解放された。

 チップさんはレイダーのいない市場が夢なら醒めないで欲しいと言い、教訓を与えたとも言っていた。大計画への憧れはあれども、やはりレイダーの支配下よりはこちらの方が良い雰囲気だった。僕としてもその方が好ましい。

 シェルビーさんはレイダーが消えた事に歓喜して、夢でも見ているような光景だと表していた。だが、これは現実だ。彼等の支配は終わったのだ。

 アーロンさんはここにいる全員は借りが出来たと言って、皮肉抜きで僕の事を評価してくれた。認めてくれた事に感謝しかない。

 その後、マッケンジーさんに3つのレイダー集団を壊滅させた事を報告しに行った。彼女は「信じられない」と呟き、レイダーを殺した事に疑問を投げかけた。

 いや、貴女が提案したんですよ?とツッコミたい衝動に駆られたが我慢した。僕は「トレーダー達を搾取し続けるレイダー達の横暴を止めるには、もうこれしかありませんでした」と答えた。

 それを聞いたマッケンジーさんは、この日の事を長い間考えて、夢にまで見ていたと打ち明けた。本当に夢が叶うとは思っていなかったらしい。そして、これからどうなるのかと僕に問いかけた。

 僕は「自由になったので、何でも好きな事をすればいいと思いますよ」と答えた。マッケンジーさんは「その言葉を今ほどありがたいと思った日は無いわ」と言い、喜びを嚙み締めた。

 この市場は開かれたままにしようとマッケンジーさんは提案した。昔の姿を取り戻し、誰もが歓迎される場所にするためにだと。そして、僕が行く前に彼女は皆を代表して「ありがとう」と言って感謝を示した。

 ありがとう...か。業魔になってから地上の人に面と向かって感謝される事なんて数える位しかなかったから、僕はとても嬉しかった。この気持ちに応えられるようにヌカ・ワールドの清浄化に努めようと思う。

 最後にマッケンジーさんは、僕がいつでも戻ってくる事に大歓迎だと言ってくれた。その後、首輪の安全な外し方を調べる事にすると彼女は言った。何はともあれ上手く仕事を終える事が出来たのは良かった。

 レイダー達がいなくなった後は、皆の心からの安心の言葉が溢れていた。

 とある旅行者はレイダーがいなくなって買い物がずっと楽しくなったと言い、とあるトレーダーはレイダーが消えたので、心の重りが無くなったみたいだと言って感謝していた。

 コーラ・カーズの所で虐げられていた女性は、レイダーに無理矢理働かされていたが、今は心からここを良くしたい気持ちで働いていると言った。他には掃除中のトレーダーから、レイダーを痛い目に遭わせた事を喜んでいた。

 そして、道すがらハーヴェイさんと再会した。彼はレイダー壊滅の報せに驚き、やってのけるとは思っていたと言った。ガントレットを制覇したのでそれも可能だと思ったのだろう。

 僕がヌカ・ワールドに来てくれた事を感謝し、レイダーの下で過ごした日々は忘れ難いが、いつか抜け出して自由を手にするなんて夢見た事すら無かったらしい

 。それでも、僕がやってのけた事に対して、何を言えばいいか分からないが、感謝を述べることは出来ると照れくさそうに言った。これで彼の家族の無念も晴らせたと思いたい。

 僕はハーヴェイさんにこれからどうするのかを聞いた。彼はまだ何も考えていないが、ヌカ・ワールドを再建して、昔の栄華を取り戻せるかもしれないと言った。善人による公平な交易所を目指すと。

 僕が強力なレイダー集団を3つも壊滅させた事が広まれば、どんなレイダーもしばらくはここを襲撃するとは考えないだろうと言った。僕もそう願いたいと思う。

 

ポーター・ゲイジの復讐

 ヌカ・ワールドを安全にした事でゲイジ目標は頓挫した事になる。ガントレットで助けてくれた事には感謝しているが、僕にも立場というものがある。ネオ・インスティチュートとして皆を守らなければいけない立場だ。

 なので、僕はゲイジを落ち着かせるために銃を構えずにフィズトップ・グリルに行く事にした。話し合ってこれ以上の戦いを回避しようと考えたからだ。X6-88も同行していたので、何とかなるだろうと思った。だが、この考えはパックス、オペレーターズ、ディサイプルズを壊滅させた事による油断であった事を後に後悔する事になった。

 フィズトップ・グリルに移動したらゲイジはいなかった。もしかして1人で逃げたのだろうか?それなら殺し合わなくて済むと思った瞬間、バン!と銃声が響いた。気が付くと僕の心臓は撃ち抜かれていたのだ。

 僕はスティムパックを使おうとしたが、力が入らずに倒れ込んだ。意識が遠のく...。Pip-boyにはガイガーカウンターの警報が流れたので、放射能を帯びた特殊な弾丸を使用したのだろう。

 この時僕はケロッグやエルダー・マクソンを殺した時の事を思い出していた。日本で言うところの「走馬灯」だろうか?ケロッグを殺した時は心臓にコンバットナイフを突き刺して殺した。エルダー・マクソンにはプラズマソードを心臓に一突きして殺した。そして僕は心臓に銃弾を撃ち込まれて死ぬのか...。何と因果な...。

 そして、僕の意識は途切れたのだった。

 後で知った事だがゲイジはステルスボーイを使用して、僕が油断する隙を狙っていたらしい。介抱する間もなくX6-88は応戦する事になり、ヴェノムガンを連射してゲイジを殺したらしい。その時の彼の遺言は「くたばれ、パーマー・エルドリッチ!」だったそうだ。レイダーを辞めて別の生き方を模索出来るように手助けはするつもりだったのに残念だ。

 

改造人間計画

 僕が危篤状態に陥ったので、X6-88はネオ・インスティチュートに急いで転送させた。そこでディーンさんの指揮の下、手術が執り行われた。通常の手術で助かる見込みが無かったので、ある技術を用いたのだ。それはケロッグが施されたものと同様の技術、サイボーグ化だった。

 この技術を用いた計画を「改造人間計画」と呼ばれており、ショーン君の病気の治療のために秘密裏に計画されていたらしい。その計画は、生身の人間にサイバネティクスを用いる事で生命力を強化するというものらしい。それをショーン君に施し、病気の克服を目指そうとしたが本人に拒否されたのだ。ケロッグと同じになりたくなかったからだ。

 僕が殺したケロッグと同じ技術で生き残る事になるなんて、何と言うべきか「縁」と言うものを感じざるを得ない。

 この手術により、僕は人間の体ではなくなった。ケロッグと同じような体になったのだ。彼が試験体だったとすれば、さしずめ「0号」という事になる。僕はその次の「1号」だろうか?これも縁か。

 僕の体には、生存するために様々なサイバネティックを埋め込まれていた。頭にはブレイン・オーグメンター、体にはペイン・サプレッサー、戦闘能力にはリム・アクチュエータを導入された。この時にValut81で受けたモールラットの疫病も克服されていたのだ。

 その他には、ストラジデー・スーツはシャドウと呼ばれるスキンに変更されていた。せめて気分転換にという計らいだったようだ。

 人間の体でなくなったのは残念だが、改造人間の体も悪くはない。だが、ショーン君が忌避したのも分かる気がする。例えば、生身だった頃のアンバーの眼ではなく、サイバーグラスのブルーの色をしていたのだ。自分ではなくなる恐怖は僕にもある。それにみだりやたらに受けていいものではないだろう。そんな事をすれば、たちまち以前のインスティチュートに逆戻りになる。やはりこの技術は広めるべきではないだろう。改造人間ではなく、医療用としてならば上手く活用出来るかもしれないが。

 リハビリのためにネオ・インスティチュート内部を歩いていると、コーサーに出会った。SRB(安全保持局)はきちんと機能しているらしい。僕が理事会で頑張った甲斐があるというものだ。

 

カイジン・レクイエム(怪人鎮魂歌)

 ヌカ・ワールドに戻る際に、ジャスティンさんから提案があった。いつまたレイダー達が襲来するか分からないので、人造人間達を警備に就かせるのはどうかと言われた。トレーダー達は支配されるのではと思うだろうから、僕が話を通して警備だけさせると説得しようと思う。支配するためにヌカ・ワールドに行った訳ではないからね。

 そして、戻ってからはフィズトップ・グリルのテラスに上がり、SRB(安全保持局)から預かったシグナルフラッグを掲げた。これで座標位置が特定され、1日待てば人造人間達が来るという話だ。それまではゆっくり休もうと思う。

 翌日、ヌカ・タウン・U.S.AにCW・ストームトルーパー装備の第1世代の人造人間達が配置された。ブラステック標準装備なので、並のレイダー集団なら敵ではない。しかし、中にはヘルメットだけの第1世代の人造人間が数人いたし、ストラジデー・スーツを中途半端に着たのも数人いた。装備が間に合わなかったのだろうか?でもブラステックやヴェノムガンは装備させてあるしどうしたのだろうか?まぁリアクターが稼働しても無尽蔵の物資があるわけではないので仕方ないのかもしれない。

 僕はヌカ・ワールドでジェノサイド(大虐殺)を行った。トレーダー達やコモンウェルスの人々を救うためではあったけど、レイダー相手とはいえとんでもない事をしてしまったのかもしれない。生き延びるため、守るための殺しを今までしてきた。今日もそれが規模が違うだけで同じ事をしたのだが、僕の心は晴れなかった。しばらく時間が掛かるかもしれない。

 今思えば、怪人はコーサーや僕だけではなく、レイダーも当てはまるような気がした。戦前生まれの僕から見れば、欲望の赴くままに略奪し、殺人を厭わない彼等は怪しく、恐ろしい怪人に当てはまらないだろうか?それを守るために殺し続ける僕もやはり恐ろしい存在ではないだろうかとも思う。どうしたらいいのかという答えは未だに出ない。法や秩序が成り立つその日まで戦うしかないのだ。

 そう考えていると、ヌカ・ワールドの歌が響いてきた。戦前通りの面白可笑しい内容の歌だ。今聞いているこの歌はジェノサイドが起きた後に聞くのは好ましくないが、僕はこの歌をディサイプルズ、オペレーターズ、パックス、コルター総支配人やゲイジに対するレクイエム(鎮魂歌)として奏でられていると思う事にした。本能と欲望の赴くままに生きた彼等の魂を慰めるための歌としてだ。来世はレイダーにならぬようにと祈りながら、今後のヌカ・ワールドのために頑張ろうと思うのだった。