リベルタリアの1件の後、1晩休んだ後にショーン君の下に向かった。その道中にスタッフからリベルタリアのB5-92の件を聞きつけたらしく、僕に賛辞を贈ってくれた。確かにあれは危険だった。ジャスティンさんに謀殺されかけたし...。でも、無事に任務遂行出来て良かったと思う。
そして、ショーン君のいる部屋に向かうと唐突に「誰かに自分の物を盗まれたとしたらどういった対応をするのか?」と聞いてきた。
僕は「まずは徹底的に話し合い、平和的に解決する道が無いかを探ると思う」と答えた。だが、この答えでは彼にとって不十分だったらしく、彼は「目標としては素晴らしいが、我々はもっと意義深い対応が求められる状況にある」と反論された。
ショーン君が言いたかったのは、レールロードの手により行方不明になっていたインスティチュートの人造人間を数体入手していると言った。もしかして、その人造人間達を回収するのが任務なのだろうか?
レールロードから人造人間達を回収せよ!
ショーン君はレールロードが人造人間の「解放」を行っている事を知っており人造人間に感覚が備わっていると思い込んでいると語った。次に僕がレールロードとそれなりに付き合いがある事も把握しており、「誤解に基づいた信条」についても理解しているだろうと言った。
僕は「彼等は善意で解放しているだけで、B5-92のようなレイダー化は望んではいないよ。正しいと思う事をしているだけなんだ」と答え、説得を試みた。
だが、ショーン君はリベルタリアの1件を持ち出し、彼等の「身勝手で、近視眼的考え」の行き着つく先であると非難した。多分そういう部分はお互い様ではないだろうか?
最初は大した害ではなかったらしいが、近頃は以前よりも大胆さを増しており、こちらが対応せざるを得なくなって来ていると言った。その人造人間の現在位置は把握しており、レールロードが隠すよりも先に取り戻す必要があるようだ。場所はバンカーヒルらしい。
この件は早急に取り掛かる必要があり、レールロードが気付く前に行うべきだとショーン君は言った。それとB.O.Sにも気づかれるのも好ましくなく、介入されればややこしくなることは確実だ。
戦うのは極力避けて、回収任務を主に考えて行動しようと僕は思った。仲介者はバンカーヒルの外にいるらしい。その人物と詳細を照らし合わせて行動すべきだろう。
バンカーヒル攻防戦!
バンカーヒルから少し離れた場所に仲介者がいた。それはコーサーだった。だが、僕と同じストラジデー・スーツを着用していた。僕が休んでいる間にリベルタリアの1件からデータを解析し、コーサー達の戦力増強のために量産化とアップグレードを施すようにSRBが命令したと仲介者であるX4-18は言った。
遅れたことを謝ったら、次からは遅れないで下さいとピシャリと言われてしまった。手厳しいな。まぁ、僕が遅れただけだから気を取り直して仕事に励みますかね。
目標の人造人間達は中におり、数は4体らしい。居留地の住人は大半が無関係で、安全な場所に逃げ出す事が予想されるようだ。それ仲安心して任務に取り組めそうだ。
だが、懸念事項として、殺さないで済みそうかと確認したがX4-18は「見当違いです」と僕の期待をバッサリ切り捨てた。我々と目標の前に立ちはだかる脅威は全て排除すべきで、大事なのは人造人間だけだと言った。成るようにしか成らない訳か...。やるしかあるまい。僕はリコールコードのリストを貰ってバンカーヒルへと向かった。
だが、付近近づくと状況が変わってしまった。レールロードが防衛するのは予想出来ていたが、B.O.Sもすぐに介入してきたのだ。何処かで人造人間の確保している情報が漏れたのだろう。
インスティチュートとB.O.Sとレールロードによる三つ巴の混戦に突入してしまったのだ。
B.O.Sはベルチバードやパワーアーマーを着用したナイトやイニシエイトを導入して攻撃し、インスティチュートはテレポーテーションでインペリアル・トルーパーの装備をした第1世代とブラステックで武装した戦力で攻撃し、レールロードは今までの暗躍が嘘のように重装備で身を固め、ガウスライフルと呼ばれるレールガンのような銃を標準装備して防衛していた。
この時にレールロード本部の人達やディーコンがいなかったのは不幸中の幸いだった。彼等を殺したくはないからね。
僕はバンカーヒルの地下への入り口を見つけて侵入した。侵入後はそこでも混戦になっていた。3つの勢力がそれぞれの正義のために容赦無き殺し合いに発展していたのだ。僕はB.O.Sやレールロードの人達との交流もそれなりにあっただけに殺し合いを避けた。ひたすら人造人間達がいる場所を目指したのだ。攻撃したのはマシンガンタレットのみだった。
そして、僕は人造人間4体を発見した。後はリコールコードを言ってシャットダウンさせるだけだ。B5-92の時とは違い、無抵抗の善良な人造人間をシャットダウンさせるのは気が咎めたが仕方がない。インスティチュートに関わるとはこういうことだからだ。
無慈悲なシャットダウン
僕は最初にF6-33と呼ばれる人造人間をシャットダウンさせることにした。彼は見逃してくれるならお金をあげると言って命乞いした。僕は胸が苦しんだが実行する事にした。僕は「F6-33,リセットを開始する。認証コード、デルタ62アーカス」と言ってシャットダウンさせた。
次はZ3-22と呼ばれる人造人間に対して行うことにした。彼はお願いですと力なく懇願していた。心の中で申し訳ないと思いつつ、僕は「Z3--22,リセットを開始する。認証コード、ガンマ49タイフーン」と言ってシャットダウンさせた。
今度はB2-57と呼ばれる人造人間に対して実行する事にした。彼女はしきりに止めてと言っていた。気が咎めたが今更止めることは出来ない。僕は「B2-57,リセットを開始する。認証コード、シータ93ストレイタス」と言ってシャットダウンさせた。
最後はY9-15と呼ばれる人造人間に対して実行する事にした。彼もまた止めてと言いながら力なく懇願していた。僕は「Y9-15,リセットを開始する。認証コード、ベータ77テンペスト」と言ってシャットダウンさせた。
全て言い終えた後は、その人造人間達は全てシャットダウンされ物言わぬ状態で立ちすくしていた。何とも無慈悲な事をしてしまったと僕は思った。レールロードと関わりがあっただけに自由を求める人造人間達を見てきた筈なのに、恐ろしく冷酷な事をしてしまったのだ。
X4-18はそのやり取りを全て見届けた後で、目標は達成されたと評価を下した。全ての敵が排除されたかを確認するように言われた。僕としては確認だけで済ませたいところだ。
後はX4-18がこの人造人間達を回収する予定となった。ファーザーの下に出頭するようにと言われて、最後に「お疲れさまでした」と言って労ってくれた。最後には認めてもらえたようで嬉しかった。こんな無慈悲な行動をした後は心に染み入る嬉しさだった。そう言って彼はテレポーテーションして、インスティチュートに帰っていった。
ショーン君の見解
僕はバンカーヒルを脱出するために隠密行動した。そこでは僕達のために戦ったインペリアル・トルーパー装備の第1世代の人造人間達の亡骸が横たわっていた。B.O.Sやレールロードとの激戦でいくらか彼等を道連れに出来たらしい。援護出来なかった事を悔やみながらも、心の中でこの人造人間達を称えた。君達のおかげで任務をやり遂げることが出来たのだと。
無事に脱出出来た後は、C.I.Tの廃墟に向かった。そこにショーン君がいるらしいのだ。内部ではスーパーミュータントが大勢いたが、インペリアル・トルーパー装備の第1世代の人造人間達の攻撃で全滅させられた。ブラステックの猛攻には流石のスーパーミュータントもひとたまりもなかったようだ。
そして、最上階にてショーン君はコモンウェルスの町並みを見下ろしていた。僕が話し掛けると彼は「人生で一度もインスティチュートの外に出た事が無い」と話し始めた。連れてこられた日からただの一度も、出る理由もなかったと言っていた。
こうして外に出て思った事は、以前か分かっていた事が事実だと言えると確信したらしい。コモンウェルスは死んでおり、ここに未来は無いと。人類の未来は地下にあると豪語した。
僕は「以前からこんな状態ではなかった。昔はそれなりに秩序もあったし、法も機能していたんだよ」と反論した。それを聞いてもショーン君は「想像する事しか出来ないな」と全然心に響いていない様子だった。
ここに立っていると、ウェイストランドで命を拾った事がどれだけ幸運だったかを気付かされるとショーン君は言った。確かに赤ちゃんがウェイストランドを生き抜けるわけがないのでそれも仕方がないのだろう。
誘拐されたと僕が思っているだろうが、インスティチュートが自分を救ったと誇りに思っているようだった。実際には僕を含めて2人だったらしい。
だが、それはネイトさんだった筈で運命の歯車が狂った事で僕が解凍される事になったのだ。これはショーン君にも予測不可能だった。
ショーン君は候補者として完璧であり、DNAに欠損が無い赤ちゃんだったが、もし何かが上手くいかなかったり、死んだりした場合には緊急時対応策を用意するのが賢明だと当時のインスティチュートは考えたらしい。戦前のDNAの供給源をもう1つ用意する事にしたらしい。それがネイトさんだったのだ。確かにあの人ほど完璧で強靭な人はいなかった。だが、ネイトさんは死んでしまった。
どういう仕組みだったのかは知らないが、本来死ぬはずだった僕は生かされ、コモンウェルスで生き抜くことになったのだ。
ケロッグが死んだ後に別の監視員の報告から、ショーン君は父親に会えることが出来ず愕然としたがある実験を行うことにしたらしい。僕が生き残る事で、何が起こるか見てみたくなったと打ち明けたのだ。
僕がどんな人物か見当がつかなかった事と、コモンウェルスが他の全てと同様に僕を汚染するのかどうか、それでも生き延びられるかどうかを見てみたくなったらしいのだ。血縁関係のない僕に一体何を見出したのだろうか?
たった1人の正義の味方
ショーン君はバンカーヒルでの任務成功を機に、もっと素晴らしいものがやってくるだろうと言った。人造人間達は無事に戻り、転用される予定となり危険を冒さずに済んだ事を労ってくれた。
僕は「危険はいつでもある。それを冒す価値は充分にあったよ」と答えた。
それを聞いたショーン君は喜んだ。レールロードには引き続き悩みの種ではあるが、必要に応じて対処すると言った。その後、彼は試験に合格したと告げた。どんな試験だったのだろうか?その件の前に報酬として500キャップを貰った。感謝の気持ちとしてだと彼は言った。
ショーン君はインスティチュートの未来に深く関わってほしいと言ってきた。そのための理事会が開く議会に同席してほしいと言ってきたのだ。
ショーン君の味方は地上には皆無なのだろう。それに協力するのは悪以外の何物でもないのだろうが、見捨てることは出来ない。
僕が選択するその行為はエゴや欺瞞、邪悪であるのは承知の上だ。その上でショーン君の、インスティチュートの正義の味方であろうと思う。
パイパーが以前僕の事を正義の味方と言ったが、彼女が思うような正義の味方に僕はなれそうにない。彼女の想いを裏切ってしまうが、これは決断した事だ。後戻りは出来ない。
こうして僕は地上で類を見ないインスティチュートのために戦う、たった1人の正義の味方になったのだ。